Misaki’s Game Music Box vol.2 Grid Seeker

グリッドシーカー
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年7月21日発売(廃盤)

https://music.apple.com/jp/album/grid-seeker-original-sound/543533299
↑itunes版は、「タイトーレトロゲームミュージックコレクション1シューティングクラスタ」収録音源と同じ。サイトロン版よりギター音がクリアになっています。

テーマは「What is the definition of “justice”?」(正義の定義とは何ぞや?)だと思っています。
どこまでも透明な1面曲Grid Seeker。シンセのイントロは、これから始まる戦いが悲しく美しく、それでも「正義のため」であると物語っているようです。そして、後ろで鳴っているギターとベース。「正義の裏にあるものはなにか」を同時に語っているように思えます。サビの広がり、そして最高潮でループするのが本当に大好きで、何度も何度も聞き入ってしまいます。
他にもお気に入りなのは3面。ノリがよい、STGらしい曲ですね。眼下に広がる珊瑚礁の海。後述のアレンジ盤のライナーでは、こう述べられています。「この戦闘の後、美しい海は失われてしまうのでしょうか…」
夜景が美しい4面。ピアノとシンセの旋律が彩ります。美しい一方で、戦闘で儚く消えていく命の光。
最も印象的に聞こえるのは5面のSo highです。戦闘が激化するはずの後半面なんですが、ノリがよく明るいのです。なので、筆者にはこう聞こえるのです(以下意訳)。
「ゲームだからほーら楽しいでしょう!爽快!でも!あんたのやってることは!殺戮!destroy!!!!それを楽しくやっていいんですか!?!?!?」
…という哲学に問いかけてくるサントラだと思っています。大好きです。
エンディングのGrid Seeker ~Over There~で聞こえるのは、見えてくるものは、勝利なのか、正義なのか、それとも破壊と殺戮の果ての無なのか、知りたいです。

Grid Seeker The Dictator of Justice
ZUNTATA RECORDS / 1999年4月21日発売
(CD版は廃盤)
https://music.apple.com/jp/album/332169704

透明感が売りだったはずのオリジナルから一転、まさかのギターで攻めるロックアレンジ。
やはり「正義とはなんぞや」というテーマを、強力な音でさらに押し出していると思います。賛否両論分かれると思いますが、筆者は好きです。Grid Seekerのイントロのぐちゃぐちゃした(褒めてる)ギターで一気に心を掴まれます。
正義遂行のはずのSTGなのに、破壊的なサウンド。正義と表裏一体の破壊。最終面のGrid Seeker~Wings of Darkness~では、「敵の立場から見たプレイヤー」「私(作曲者様の、なかやまらいでん氏)の中ではこれがメインテーマ」と語られています。「漆黒の翼」の敵を表すギターと硬いパーカッション。正義、正義ってなんだ。というかもうどっちが悪なんだ。やっていることは同じ「破壊」じゃないか。

オリジナルもアレンジもitunesで試聴できますので、聞いてみて頂ければ幸いです。答えの出ない問いをしてくる曲たちです。もちろんいい意味で。

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