Misaki’s Game Music Box vol.3 METAL BLACK

メタルブラック
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1992年1月21日発売(廃盤)

聴きながら真面目に考えて、テーマは「生と終末、無」「0から1へ、1から0へ」ということかなあと。
「これから始まる」という感じのOP曲、Red & Yellow。
そして、1面Born to be free。砂漠という無になった太平洋。そこから、なんという穏やかで優しい始まりなのでしょうか。「始まり」は「自由になるための生」。
1面ボーナスステージDancing Homing、曲のタイミングに合わせて踊るホーミングと敵撃墜の演出が入るのが大好きです。
人気の高い2面Dual Moon、印象的な3面AREA 26-10(筆者、密かに気に入っている曲。)3面の面タイトルはDREAM LAND(夢の島)、3面ボーナスステージの曲タイトルはnon fiction。(3面ボーナスステージもやはり曲に合わせて進行するのがいいですね。撃墜タイミングが難しい!)これは夢か?いや、現実(ノンフィクション)であると伝える曲。
一番好きなのは4面Waste days。初めて聴いたときは、STGとしての「世界」は確かにそこにあるのに、あまりに静かに佇む曲に、何度も聞き入りました。(筆者にとっては、この曲は「恋をして相手を想っているときの心理状態の曲」。異論は認めます。)
「無駄だった日々」…ここまでの過程が?地球が?この戦いが?その結果がこの静かな曲だとしたら、生は確実に終末に向かっているのではないか?
その結論が、最終面Time。静かなイントロが終わり、Aメロが始まると「やっとここまで来れた」と、迎えてくれる曲です。
確かに進んできた、おぞましいボスたちを無に還してきた、そしてplayerを包む曲。自由になるために生まれて、そこから成長する曲ではないと思います。「終末に還る曲」だと筆者は思っています。

エンディングのmessage。
Was its phantasm the last attacking or its last moments. And was this for real or was I dreaming. Nobody knows yet.
(敵の幻は、最後の攻撃だったのか、敵の最後の瞬間だったのか。これは現実だったのか、それとも俺は夢を見ていたのか。誰にもわからない。)
ノンフィクションとしてここまで来たはずの戦いは幻だったのか、夢だったのか。
生まれ、戦い、そして、無に還る…そんな曲たちだと解釈しております。

余談:自分、クリアできないんですよ、これ。いつもラスボス止まりで負けてBad Ending。
地球側が敵に総攻撃を仕掛け、Bad Endingの曲が流れる…いつも本当に後味が悪いです。(苦笑)

METAL BLACK -The First-
ZUNTATA RECORDS /1997年6月21日発売
(CD版は廃盤)
https://music.apple.com/jp/album/331541368

作曲者様ご自身によるアレンジ盤。購入した当時は、「全曲、原曲から割と離れたアレンジだなあ」と思っておりました。でも今はしみじみ好きな1枚です。テーマはやはり、タイトルの通り「始まり」「0から1へ」かなあ、と。
最初のExposeで、とても穏やかな「始まり」を感じさせます。始まった先はBorn to be free。穏やかなアレンジのまま、アルバムが紡がれていきます。(曲の終わり方がすごく好き)。割と原曲に近いのは2面ですね。
印象に残っているのは、Dawn。戦闘の音を背景に、ホーミングのロック音、発射音、爆発音、そして、おそらく地球側の「拍手」。「破壊を喜んでいる存在がいる」、それだけで、何のための戦いなのかと考えさせられる演出です。
そしてWaste days。まさかの歌モノ。何語で歌っているのかわかりませんが(少なくとも英語ではない)とてもとても静かに歌い上げています。
ピアノが美しく印象的なGame is over、メタルブラックには珍しいギター中心の(ロックではないです)5面Doubtと続き、
最終面Time…オリジナル版は「穏やかな終末」を感じさせる曲でしたが、こちらのアレンジは”First”、「始まり」だと思っています。ゆっくりとしたリズムで紡がれていく「時」が、とても心地良いです。

[GUN FRONRTIER / METAL BLACK / DINO REX]
Sound Tracks for Digital Generation -GameMusic Discovery Series-
SuperSweep / 2012年12月21日発売

https://sweeprecord.biz/?pid=52064482

ガンフロンティア、ダイノレックスも入っている盤ですが、この項ではメタルブラックに関してのみ記述します。
オリジナル曲に追加して、新規アレンジが1曲入っていますが、ひじょ~に、解釈が難しい1曲です。
作曲者の渡部恭久氏は、「ネメシスサイドでの視点で今回の楽曲を紡んでみた。」と仰っています(ライナーより抜粋)。
いつもの「静かな」とか「安らかな」アレンジではありません。導入はドンドコとパーカッションが鳴って、いかにも「敵が攻めてきたぞー」という感じ。
それから緊迫感は高まっていき、いつの間にかBorn to be freeにメドレーしていくのですが、
なんというか…「敵(ネメシス)の側にも言い分と大義はあったんじゃないか?」と思わせられる、そんなアレンジです。
どちらが「正しかった」のか、結論は出ないまま曲は終わります。

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