大魔界村 -G.S.M. CAPCOM 1-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1989年1月21日発売(廃盤)
筆者が初めて…ではなく、人生で3枚目に入手したサントラです。
アーケードのサントラに触れたのはこれが初めてで、「アレンジ」とか「メドレー」とか、このアルバムから教えてもらって、
それこそ毎日最初から最後まで何度も何度も聴いていました。
【大魔界村】
アレンジ1曲入り。このアルバムを人生の初期に入手して、ZUNTATAやレイシリーズ作曲で有名なTAMAYO様に大きく影響を受けました。
アレンジは弦楽四重奏。今でこそオーケストラアレンジの生演奏をゲーム音楽でたくさん楽しめるいい時代になったものですが、当時はクラシック調の生演奏アレンジは珍しかったと思います。アレンジは魔界村のいつものphrase、いつもの1面のあの曲…ではなく、ヴァイオリン、ビオラ、チェロによって、魔界の恐ろしさ、不気味さが描き出され、そこから光や救いへと繋がっていく曲です。絶望から希望へ展開する曲の流れがとても美しいアレンジ。
オリジナルは、なんていうか…魔界。昔の音源で、しかもカプコンなので、音に迫力はありません。でも、静かに怖い、怖いのに美しい曲たちなのです。筆者のお気に入りは2面と4面。「怖いけど、不気味さと表裏一体でかわいくて美しいところもある、それが魔界」という曲。あと3面ボス。もうリアルで台風の目が3面ボスにしか見えない症状です(雲の衛星画像で台風の目を見ると脳内に3面ボスの曲が流れてくる)。静かに魔界の城の内部へ進んでいく、恐怖が静かに増していく5面もいいですね。
【1943改】
前作1943には入っていない新曲のみこちらに収録。1943がひたすら突き進む曲たちだったのに対し、改の新曲は爽やかだったり、リズム感が増していたり、ボスや艦隊戦の恐ろしさが増していたりで、よりSTGらしい曲になっていると思います。
【ロックマン2(アレンジのみ収録)】
筆者がこのサントラを購入した理由がこの曲でした。好きなゲームの曲をCDで聴けるなんて有頂天でしたが(サントラ買ったら有頂天なのは今も変わらない)、この曲で「アレンジ」と「オリジナル」の違いを知ることになります。
ヒートマン~メタルマン~ワイリー3・4面~クラッシュマン~タイトル画面のメドレー。原曲重視、ギター多めの軽快なアレンジで聴きやすい。このサントラはもう廃盤なので、このアレンジも今では聴く機会が限られているのかなと思ったら、「ロックマンサウンドBOX2」に収録されていました。やったぜ。ロックマンが好きなら、今でも当時の気持ちを思い出しながら聴ける良アレンジだと筆者は思っています。
【ロストワールド】
このサントラでは大魔界村と同じくらい、あるいはそれ以上の存在感がある曲たち。影の主役。大魔界村同様、音の弱さもあって、勢いのある曲ではありません。でも確かに存在感を残す曲たちで、当時の筆者に大きな印象を与えました。
ライナー内の作曲者様コメントで、TAMAYO様が「(ステージが)1面1面、絵巻を見ているようだった」と仰っていますが、曲もまさにその通り。
崩壊した世界において、主人公の超戦士たちが希望の象徴であると思わせる1面。(ナムコ×カプコンでアレンジされたときは本当に嬉しかったです!)ただ静かに立ち向かい、進んでいく曲の3面、冒頭の斜めスクロールから横スクロールに変わっていくのと曲の流れが合っているのがとてもいい。天帝直前でそこにあるのは希望か絶望かという8面、オルガンのメロディが美しい。そして塔を登っていき、曲もずんずん盛り上がっていく…天帝を追いかける、追い詰めていく最終面。
カプコン曲の、「ゲームを盛り上げる曲、ゲーム内容や背景と一致する曲作り」の姿勢は、既に確立されていたと伝わる名曲だと思います。
(余談)スタッフロールがまた良い。スタッフロールばかり何度も聴いていました、今でも大好きです。
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