S.S.T.BAND -30th Anniversary Box-
ウェーブマスター / 2018年12月15日発売
テーマは「風」ではないでしょうか。曲も構成も、そして活動も、爽やかに、しかし熱く吹き抜けていった、一陣の風を思わせるbox。
個人的には、Disc5のBlind Spot(バンド名でなく、アルバム名のほう)部分がずっと手に入らなくて探しまくっていたので、Boxに入ると知った瞬間ポチー!!!結果、買ってよかった…幸せ…
通勤中に聞き流していて、「これ何の順番に収録されているんだろう」と思ったら、活動の時系列になっているのですね。
Disc1は「昔のセガ」を知ることが出来る内容。この5枚の中では「爽やかな風」のような曲たち。
Magical Sound ShowerじゃなくてBeyond the Galaxyから始まるのが個人的に好き。
ニュージーランド出張に持っていき、それこそ現地の風を感じながら聞いたLike the Wind。
(注:今後のセガ系コラムで何度も書くであろう、筆者のニュージーランド出張は、10年以上前です。コロナもなにもない平和なりょこ…出張でした)
テトリミックスのボイスは電脳戦機バーチャロンシリーズで使われているのと同じ声ですよね…ここから始まっていたのか…
全体的にかっこいい系の曲がそろう中で、Opa-Opa!が聴けるのも嬉しい。
Disc2は熱い!「熱い風」はDisc4まで続きます。
ギターで攻めるAfter Burnerの2曲、イントロのドラムがかっこよすぎるSword of Vermilion。
個人的にはAir BattleとSprinterも捨てられない!!前者は後半の、視点がぐるぐる回っていくようなギターのうねりが良い、後者はニュージーランド出張の機内で繰り返し聞いたので、耳に残っています。
Disc3はライヴ音源!!After Burner Medleyから、Sword of Vermilion、Air Battleと畳みかけるように熱い展開。
そんな中で、「優しい風」の泣かせる浄化作用を果たしているのが、「新たなる旅へ」「Last Wave」。
Disc4になって、活動もメンバーも安定してきた91年~92年の曲が聴けます。個人的に好きが詰まっている。
東京ゲーム音楽ショーのBlind Spotさんのトークでさんざん「BellとDeerで、鈴鹿!」ってネタにされていますが(苦笑)、筆者はBelldeer Wind好きです。(このBoxで初めて聴きました。)
前後しますが、サビのギター、ドラム、ベースの融合がかっこよすぎるSoup Up。
Hyper CityはこのDisc4で通常アレンジとライヴ版が両方聴けるので、比べてみるのもいいかもしれません。
(Game Music Festival ’92で演奏された3曲については、前述のコラムをお読みくださいませ)
Disc5。オリジナル曲のアルバム「Blind Spot」が中心となって、「ゲーム曲じゃない俺らの曲を聴いてくれ!」と呼び掛けてきます。
フュージョン中心、ギター中心なのですが、個人的に大好きなのがTachyon。も~、21世紀になってから聴いたことを後悔するほど良い曲。しびれる!「ギター中心でメロディがかっこよく、はっきりしている」のが個人的にポイント高い。東京ゲーム音楽ショーでBlind Spotメンバーが「斎藤さん、Tachyon2みたいなの作って!」と丸投げするくらい良い曲!!(よくわからない例えですが実話です)
めちゃくちゃ熱い曲がそろっているわけではなく、どちらかというと「爽やか系の曲」が多く、その中でも異質なのがNerve Paint #1。果たして#64まで聴かせて頂けるのか(当時のメストのインタビュー記事が手元になく、記憶のみで書いています)、今後が楽しみ!
Active Amusement、イントロとアウトロが好き。そして最後に泣かせるFor Absent Guysを持ってくるのが憎い。
最後の93年ライヴの3曲、そして、DVDは、資料的な意味合いが大きいと思います。最後のライヴとなった93年の3曲、そして各ライヴの映像を収録できた意味は大きいですね。(個人的には92年ライヴの映像を観れたのがすごく嬉しい…!!)
そして解散した、S.S.T.BAND。ライナーの中で、飯島さんが「(30周年なので寄稿を、に対し)いや、ちょっと何言ってるのかわからないんですけど」を連発されていますが、ほんとに30周年という単語には何を言っているのか(いい意味で)わからない。だって、今でもふつうに聴ける曲たちですから。
S.S.T.BANDの奏でた曲たちは、30年経っても(そしてこれからも)残る、「強い風」だったのだと、思います。
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