VARTH -G.S.M. CAPCOM 6-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年2月19日発売(廃盤)
筆者が主観でしか語れない盤。好きすぎて中立的になれない。なので、とことん「好き」という気持ちで語ってみようと思います。
VARTHのアレンジ2曲とオリジナル、ナイツオブザラウンドのアレンジ2曲とオリジナル、そしてストⅡダッシュのアレンジ1曲とダッシュ追加曲オリジナルが収録されています。
【VARTH】
後に彩京で作曲を担当する、泉谷雅樹氏の、カプコン時代の担当作。
筆者はもうこの作品が好きすぎて、曲が自分の細胞レベル、いや遺伝子レベルになるくらい聴いています。この作品の欠点ばかりを知っていて、なんで好きなのかわからないのですが、本当に好き。クリアするのに20年かかりましたが、最後は執念の勝利でした。(そして連付きで入荷リクエストに応えてくださった、今は亡きかつてのホーム店舗には本当に感謝しています。)
これって何がテーマなんだろうと、改めて向き合ってみました。テーマは「戦いの曲」だと思います。激しさだけではない、戦いのかっこよさと切なさをひたすらに追究したのが本作の楽曲です。
アレンジについて。2曲ともギター中心です。9面アレンジ「Can I shoot any longer」、オリジナルでも触れるんですが、その曲をギターで調理するとこうもかっこよくなるのか!長い戦いでの(実際長い。)「これ以上撃つことが出来るのか」、終わりのなさを表現し、それでも終止符を打とうとするのがラストに表れていると思います。
そして、もうこの曲がアレンジと知った当時は感動しすぎて号泣しました…18面をアレンジするとは、わかってやっていらっしゃったな!!(涙←嬉し泣き。)(稼働当時、自力で18面が限界だったので、特に思い入れがある曲です。)とにかく泣かせに来てます。導入のキラキラしたシンセが泣ける、ギターでメロディを奏でているのがまた泣ける。
オリジナルについて。数えたらステージ曲とボス曲合計で20曲あった、長い!!長かったら曲で泣きながら走ればいいじゃない!!!!!(実際のplayでは曲に聴き入る隙など与えられませんが。)
1面は戦いの幕開け、戦いの勇ましさ、始まりを表現した曲。
そこから一転して暗い中の雷と都市をギターで表した2面。
そこからさらに一転して明るい運河をシンセメロディで表した3面。1面から曲の印象がくるくる変わります。
謎の浮遊大陸、中心に待つボスとの闘いを描いた4面。
ここまで序曲。
個人的に、本作の「本当の闘いの始まり」は5面、そして曲がそれを表していると思っています。難易度的な意味でも、曲の展開の意味でも。
そして。戦いの切なさを表す6面。初心者殺しの面で、前からは物量と弾幕、背後から中型機がガンガン飛んでくる。稼働当時は全く歯が立たず何度も悔しい思いをした面で、そんな帰り道に、脳内をぐるぐると泣かせるメロディが回っていた思い出があります。無人のメガロポリスで、無人兵器を破壊することは優しさですらあるのかと錯覚させる、そんなメロディです。イントロのハイハットが小気味いい、メロディがとにかく美しいの一言ですね。
そこからまた曲の印象が変わります。夜景を目前に、巨大ボスとの戦いをおどろおどろしくツインギターで描く7面。
また一転して切ない8面、高いキーのメロディが物哀しい、同じ雷雲の2面とこうも表現が違うのかと驚かされます。
9面はかっこいい曲なんですが、店だと聞きづらいですね!「本当はそんなかっこいい曲だったのか!」と、サントラを聴いて驚いたものです。2面とか9面とかのギターの曲はせっかくいい曲なのに店だと聞きづらかったのも思い出です。
難所の10面を抜けて、巨大ボスとの戦いを描く壮大な11面、ここまで(難易度的な意味でも、曲の展開としても)前半戦。以降ずっと後半面だと思っています。
赤い溶岩の背景が美しい(そして敵弾が見づらい)12面、ベルのサビが美しく神秘的で泣けます。
殺し要素満点の14面、ベルとメロディのハーモニーが神秘的です。
溶岩12面、砂漠13面、ジャングル14面と続いて、一転して速いスピードの曲へ。数画面にも及ぶボスとの闘い、15面。しぬとほんとつらい中でスピード感のある曲での戦いは熱い!イヤダーシニタクナイ!!(このボスでやられると1両目からやり直しなので本当に脱力します。)
音は弱い、だからこそ美しいハーモニーを聴かせる18面。ベルのイントロからメロディ、高いサビ、全てが泣けるの一言。勇ましいとかかっこいいだけが戦いの側面ではない。切なく悲しい側面を切り取った曲。18面も曲をゆっくり聴きながらやりたいんですが、殺し要素だらけで余裕がないですね…
速いギターの19面、やるかやられるかという緊迫した戦いを描いています。
ボーナスステージ20面は下村陽子氏作曲です。
ボスラッシュを経て、「最後の闘いの局面」というイメージの27面。そしてラスボスへ…
本当に色とりどりのステージ、色とりどりの曲たち。
万人に認められる名曲ではないかもしれない、でも、音が弱い中で「ここにかっこいい曲があるんだ!」と強く存在する楽曲だと、筆者は強く信じています。
2021年2月、ようやくSwitchのカプコンアーケードスタジアムに、本作の国内版が移植されます。(待ってたよ、ずっと…PSPに北米版は移植されていましたが、海外版だとその場復活なんです、国内版は戻り復活です、マゾい!!)
当時の気持ちを忘れないままで、この作品と、この作品の曲と、向き合い続けることができればと願います。
【スト2ダッシュ】
アレンジ1曲とオリジナル曲(追加曲2曲のみ収録)。
アレンジは元気の出る歌!知られていないアレンジだと思うけれど素直に聞けるいい曲。
【The Knights of the Round】
アレンジ2曲、オリジナルを収録。阿部功氏作曲。
初期のカプコンのファンタジー作品は「音の弱さ」に泣かされてきたとライナー等で拝見できます。本作もファンタジーものですが、「ファンタジー」の持つオシャレさを生かしたまま、アクションのノリの良さを両立させて、曲が成立しています。ライナーの阿部氏のコメントにあるように、「どこかの神経をチクチクと刺し、後からジワジワと効いてくる」、それがまさに本作の楽曲だと思います。
筆者のお気に入りはstage3。そして、stage5が特に好きですね。
アレンジはエンディング曲のほうがとにかくオシャレ!そして泣かせる!
間奏のベースが美しくかっこいい、こういうしっとりしたゲーム曲も(当時のカプコンにしては珍しいけど)いいですね。
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