BORDER BREAK SOUNDTRACK COMPLETE CD-BOX
フロンティアワークス 2018年8月2日発売(廃盤)
8枚組のbox。ボダのサウンドを扱うにあたって、たくさんサントラが出ているので、どのサントラを題材にするか迷ったのですが、全ての曲が入っているこちらのboxを挙げることにしました。10年に渡って稼働した、アーケード版ボーダーブレイクのサウンドを楽しむことが出来ます!
試合開始時にEUSTかGRF、どちらかの陣営に所属して戦う本作、EUSTは「かっこいい」「近未来的」「シンセサイザー、ギター」「ロック、トランス系」というイメージの曲、それに対して、GRFは「泣かせる」「壮大」「オーケストラ」という曲が多いです。また、ライナーノーツ(というか、小冊子)に記載されていた「(サウンドチームの曲から)全ての曲がコンペで選ばれている」という一文も印象に残っています。
そして、どの曲も「戦いの曲」でありながら、メロディが力強く明快で、それが本作の曲の長所だと思っています。
ボダの曲の好きなところを語りだすときりがないんですが、試合開始時(自軍ベース~敵ベース)~「兵装を選択してください」~出撃まであと10秒~出撃~自軍からカタパルトでぴょーん、という一連の流れが曲の流れ(イントロ1~イントロ2~Aメロ1~Aメロ2~Bメロ~サビ)と完全に一致して、ちょうど激戦区で曲のサビにさしかかるのがどのマップでも同じというのが本当に素晴らしいです。
【DISC 1】ver1.0~1.5
ここからすべては始まった<スカービ渓谷>の「MIRAGE」「揺曳(ようえい)」。最初のマップから媚びていない、戦場の乾いた風を思わせる曲です。
マップ<第3採掘島>では、どちらかというと近代的なのはEUSTの「Urban Crusher」。稼働初期から人気なのはGRFの「火蛾(かが)」。
<トラザ山岳基地>EUSTの「Devil’s Mountain」、ギターサウンドが良い!筆者にとってはこのマップがデビューだったので、とても思い出深い曲です。
【DISC 2】ver2.0~2.7
「Airburst」で開幕した、version2.0。<放棄区画D51>の曲はどちらも寒々しいイメージ、氷に閉ざされた近代都市をイメージしたEUST「Rush Tactics」、対してGRF「光環(こうかん)」はオーケストラで氷の山奥を描きます。後者は特に「放棄された」というイメージですね。
イントロの早いピアノが印象的な<ウーハイ産業港>EUST「Beginning of the End」。夜景の港湾が浮かんできます。
<極洋基地ベルスク>では、ピアノとシンセのハーモニーが美しいEUST「Pole Shift」、オーケストラで「強固な基地」のイメージが展開されるGRF「襲(かさね)」の2曲が展開。どちらも捨てがたい…
そして、<デネブラ大落片>。雷を思わせるギターとシンセサウンドのEUST「Curved Dimensions」。
本作で最も人気が高い曲(と思われる)なのは、GRF「弩(いしゆみ)」です。「エイオースの落ちた、争いの根源の地」をオーケストラで壮大に表現していて、イントロから鳥肌もので泣けるの一言です。(メロディももちろんいいのですが、実は低音がとても良い…)また、サントラには効果音は入っていませんが、ゲームをやりながら聴くと雷雨の音が入っているのも素晴らしいです。(このマップは雨が降っているバージョンと晴れているバージョンがあります。)
さらに、本boxでは、オーケストラアレンジ「弩・即妙(いしゆみ そくみょう)」を聴くことができます!こちらも素晴らしいアレンジです。
【DISC 3】ver1.0~2.7
DISC3は、メニュー画面の曲や、イベントマップの曲、そして、各試合の残り180秒以降の曲が収録されています。筆者のお気に入りはクラン演習の「Dense Population」「集簇(しゅうぞく)」。知っている仲間と戦う試合は特別なもので、この2曲は特に思い出深いです。
【DISC 4】ver3.0~3.5
version3.0の始まりを思わせる近未来感のある、<第19号高層サイト>EUST「Z.Z.E」
そして<ナヴァル岩石砂漠>EUST「Illusory Perception」。高いキーのギターとシンセが砂漠の風を思わせます。
<マデルロンド大空洞>、EUST「Hollow Out」、GRF「纏(まとい)」、どちらも静かな洞窟を思わせるメロディ。GRFは涙腺を刺激する切ない曲です。
そして、本作の人気曲、<ロンシャ深山>GRF「叢濃(むらご)」。雄大なオーケストラです。弦楽器が中国を思わせます。オーケストラなんですがロボットものの本作に合っているのは本当にすごいと思います。
それから、3.0から実装された「ユニオンバトル」の曲も人気ですね。
巨大な敵に立ち向かうという感じの「Loose walker」。サビで入るコーラスは、リアル人の声ではなく、打ち込みだそうです。こちらの曲は悲壮感、絶望感が描かれています。
そして、「巨大な敵に勝つぞ」という、「Eradication」。ギターが力強く、勝利に向かって勢いづけてくれます!ノリノリです!
【DISC 5】ver4.0~4.7
<ホープサイド市街地>EUST、「Organs」。シンセサイザーのメロディが近未来的。サビのピアノが美しいです。
個人的に大好きな<マリナセドナ大雪山>GRF、「颪(おろし)」。キラキラした雪原のイメージで、サビが壮大です。パーカッションも軽快ですね。
<ネソス島実験ドーム>では、けだるさ、悲しみを描いている感じのEUST「Tectorium」、そしてGRF「息壌(そくじょう)」は壮大ですがどこか切ないメロディが聴けます。本作では全国大会なども実施されていたのですが、その全国大会のマップのひとつがネソスだったので、盛り上がりを思い出します。
【DISC 6】ver3.0~4.7
印象に残っているのはEUST僅差でかかる「Bravado」です。この曲がかかるとハラハラします。
ギターサウンドでノリの良い「Hum An Air」、力強い「優曇華(うどんげ)」も稼働当時人気でした。
また、ver4.0で実装された「スクランブルバトル」の「Extreme Pirates」も良いです。ギターとベースがかっこよく、こちらもノリのいい1曲です!
DISC6にはアレンジ曲の「叢濃・凱(むらご がい)」「Eradication/Arr」が収録されています。どちらも原曲のいいところを残して、さらに力強くさせたアレンジだと思います。
【DISC 7】ver5.0~5.71
<第5再開発島ラナクア>EUST陣営「Epicurean pleasures」が印象に残っています。「第3採掘島」EUST「Urban Crusher」のフレーズが使われているのが憎いです。
また、僅差でかかる「On the Horizon」も好きです。やっぱりハラハラする1曲です。
【DISC 8】アレンジとか限定曲とか
ver5.0のオープニングのアレンジ「STAIRWAY TO GENERATION」のそれぞれの陣営の2曲がお気に入りです。EUSTとGRFでそれぞれ変わるものだなあと、アレンジの巧みさが素晴らしいと思います。また、ギターサウンドをさらにパワーアップさせた「Extreme pirates/Arr」も好きです。原曲もいいけどアレンジもさらに美味しくなっています!
改めて振り返ってみると、「こんなに曲がたくさんあったんだなあ」と驚くとともに、どの曲にもそれぞれのマップや場面の思い出があり、どの曲もすぐにフレーズを「思い出せる」ことに気づかされます。
個人の意見ですが、ゲーム音楽は「場面に合った曲ありき」で、それには「メロディが伝わりやすいことが必要ではないか」と思っています。
そして、ボーダーブレイクの曲は、どの曲にもその両方を兼ね備えている、「ゲーム音楽であり」、「ゲーム音楽の境界に挑戦する」力を持っていると、思います。
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