Final Fight -G.S.M. CAPCOM 3-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1990年5月21日発売(廃盤)
こちらのファイナルファイトに関しても、サントラが2種類出ています。
このページではサイトロン版に関して記述させて頂きます。
「ファイナルファイト」「1941」「戦場の狼Ⅱ」「クイズカプコンワールド」「ハテナはてなの大冒険」(以上、全てアーケード版)のオリジナルとアレンジを収録。(カプコンワールドとハテナはてなは2作品で1曲のアレンジ)
CPシステムの3作品(ファイナルファイト、1941、狼Ⅱ)に関して共通事項となるのは「音、特にドラムのサンプリングレートが非常に悪く、曲の良さが伝わりづらい」という残念な事実です。後述のファイナルファイトクラリス版サントラのライナーに「ドラムに限ってはサンプリングして鳴らすことができたが、容量もあるのでレートを落としたり、サンプリングタイムを短くしたりとかしなくてはならなかった、いま改めて聴くと、とても変な音だなと、今からでもサンプリングし直したいです」と記載されているほどです。私的には好きなアルバムなので、そこから曲の良さを拾い上げていきたいです。
【ファイナルファイト】
オリジナルは全編通して漢が戦うロック系の曲だらけなんですが、当アレンジ収録のアレンジが、なんと1面の曲を和風にアレンジしたもので、「戦いを静かに待つ男の曲」という感じで、良アレンジだと思います。笛のメロディからドラムソロで締めるアウトロがものすごく渋くてかっこいい。
オリジナルで有名なのは、ナムコクロスカプコンでも(そして後述のストⅡサントラでも)アレンジされている、5面の曲だと思いますが、個人的に推したいのは3面West Side1(サイトロン版ではBGM5と記載されていますね)と、4面の2曲。3面はメロディとドラムが合っていて淡々と盛り上げてくれます。そして4面はかっこいいの一言。ロレント戦のギターが渋い。最後に、素直に心を打つエンディング曲。演出と相まって泣かせてくれます。
【1941】
アレンジがですね、名曲なんですよ。1面曲を当時のフュージョン風にアレンジしたものですが、爽やかで心が洗われるような良さ。すごく「空を飛んでいる」曲。メロディもいいしノリもいい。本当に今でも気持ちよく聴ける素晴らしいアレンジです。
オリジナルも、作品自体がマイナーですし、音が劣悪だと当時から言われていましたし、賛否両論あると思いますが、筆者はこれの曲好きです。爽やかな空中戦から始まる1面曲、巨大ロケットと数画面に及ぶ戦いをする3面ボス曲(緊張感があって盛り上がります)、夜景の中で終わらない戦いをする4面曲、戦闘が激化する5面曲、そしてラスボスの2曲は激しい曲ではなく、静かなメロディとドラムソロが逆に「指令機を追う」緊張感を高めてくれます。そして泣かせるエンディング。(ファイナルファイトエンディングと作曲者様は同じです)収録されている未使用曲も密かに名曲。今の音源で聴くことができたら…と願いたい曲たちです。
【戦場の狼Ⅱ】
アレンジは1面曲、静かに戦闘を待っているイントロから、管楽器中心のメロディに移り、乾いた風の吹く戦場を表現しています。あと(打ち込みだと思うんですが)ベースかっこいい、ベース。ベースだけ永遠に聞き入っていたいくらい。
アーケード版オリジナル曲に関しては、「戦場の狼&トップシークレット」のページでも後述しますが、暑苦しく男しかいない中、ひたすら戦い、ひたすら前に進み、そんな中でたまに戦場にキラキラした爽やかな風が吹く、という曲たちが好きです。これも1941同様好みは分かれると思いますが。アレンジ同様乾いた戦場を表現した1面、一陣の爽やかな風を表現した2面(他が暑苦しい曲調なのに対し、2面だけ明らかに曲調が切ない系なのもいい)、敵陣に乗り込んでいく最終面。どれもメロディの渋さが際立っています。戦いが終わった後のランキング曲も好きです。
【クイズカプコンワールド&ハテナはてなの大冒険】
アレンジはカプコンワールドとハテナはてなの各マップ曲を順番にメドレーした曲です。このアルバムでは他作品がひたすら戦いの曲なので、明るさや楽しさを添えてくれています。
オリジナルは、正直このアルバムのCPS作品より聴きやすいです(音の良し悪し的な意味で)。開発者様or作曲者様のものと思われるvoiceに時代を感じます(笑)。ひたすら明るい曲たちなんですが、最終面が近づくとそれなりに緊迫した曲になるのも楽しいです。
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