Misaki’s Game Music Box vol.39 STREET FIGHTER II -G.S.M. CAPCOM 4-

STREET FIGHTER Ⅱ -G.S.M. CAPCOM 4-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1991年3月21日発売(廃盤)

筆者の人生を変えたサントラ。このサントラを皮切りに筆者はアーケードSTGをやり始め、本格的にゲームサントラを集め始め、そして今に至ります。それほど衝撃的な出会いでした。
ストⅡ、U.S.ネイビー、マジックソードのアレンジ&オリジナル収録、ファイナルファイトのアレンジ1曲収録、チキチキボーイズのオリジナル収録。
CPシステムの発売順に記述させて頂きます。

【チキチキボーイズ】
これ…名曲だと当時からずっと思ってるんですが、作品があまりにもマイナーすぎたのでしょうか。作曲者様は1941と同じ方です。ゲーム的にはほとんど共通点がないのですが、曲は1941とやはりドラムやベースなどが似ています。
ファイナルファイトの頃より音が改善されて、チキチキ~マジックソード~ネイビー~ニモ~ストⅡ~ワンダー3あたりのCPS作品はとても聴きやすくなったと思います。曲のテーマは「冒険、そして希望」だと思っています。どの曲も「前を向いて戦おう、前に進もう」という気持ちが描かれている。1面2面3面の流れるようなメロディがとても気持ちいい。後半面のおどろおどろしい曲でも勇敢さを感じます(打楽器の音が良い)。そして、筆者が一番推したいのが、ラスボス後、エンディング~スタッフロール~チキチキボーイズ・メインテーマと流れる構成です。スタッフロールで泣かせて、最後のメインテーマで「希望」を持ってきているのは素晴らしいの一言。埋もれるのは本当に惜しい曲が揃っています!

【マジックソード】
耳に残るゼニーの音。「戦うファンタジー」という、昔のカプコンの王道ジャンルですが、「オーケストラの曲は聞こえにくいので、アクションのイメージをっ優先して作曲した」とライナーに記載されています。ファンタジーアクションでもチキチキが明るい曲調だったのに対し、こちらは戦いの悲壮感、塔の不気味さ、不思議さを表した曲を多く聴くことができます。始まりの面、決意を表す1面。ブラスが良い。塔に入ってからは神秘的な曲の背後で鳴っているベースとドラムがかっこ良い。「竜の塔3」、キラキラしていながらメロディで泣かせてでもアクションだからノリは良くて、とても作曲者様(松前真奈美氏)らしい曲。水のフロアの流れるピアノも良い。「竜の塔5」、ついに来てしまった、だが退かないという勇気の曲。いよいよドラムが盛り上げてくれます。
アレンジは数曲を繋ぎ合わせたメドレーです。途中にSEが入っていたりして、不思議な感じのイメージに仕上がっています。

【U.S.ネイビー】
筆者が主観でしか書けない作品…これの曲と出会ってしまったので、行ったことのないゲームセンターに行き、やったことのないアーケードSTGを始めました。本当に、アレンジにもオリジナルにも、そのかっこよさに心を撃ち抜かれたのです。作品としては地味だし、時間でエネルギーが減るという欠点もあります。それでも筆者はこの作品が、この作品の楽曲が本当に大好きです。
作曲者様はエリア88に引き続き、松前真奈美氏。
オリジナルに関して。エリア88より音が良くなった分、曲の表現もかなり広がっています。エリア88が戦いの切なさを表現していた一方、ネイビーは男の戦いの渋さが表現されています。筆者は1面冒頭のベルの音を聴いてもう完全に惚れていました。8面イントロのベルでも惚れて、当初は8面ばかり擦り切れるくらい聴いていました。戦闘の曲なのに砂漠の面を背景にベルとメロディで泣かせる8面ほんとずるい(褒め言葉)(そしてこの8面が全ステージで一番難しいのがまた泣ける)。また、戦いのカプコンらしく、可愛げなんて1mmたりともない、ギターとメタル系ロックで直球勝負してくる2面、4面、5面、9面。5面のベースがかっこいい。海の面らしく、海風をメロディで物悲しくかっこよく感じさせる3面。そして、イントロのベルと、激しい盛り上がりではなく、静かにしっかりと泣きのメロディで盛り上げる最終面。
あと、全体的に、ギターだけでなく、ブラス系が効いているところもすごく好きです。2ボス、4ボス、7面、最終面。
アレンジに関して。人気の高い最終面曲をギター中心にアレンジ。オリジナルはブラスがいい仕事してたんですが、ギターとシンセの仕事量が増えて、かっこよさが増しています。途中のギターソロ~ピアノソロ~ギターソロの繋ぎがまた泣ける。”The Stratosphere Flight”(成層圏の飛行)の曲名にふさわしい内容に仕上がっています。

【ストリートファイターⅡ】
長く続いているシリーズですが、現在のキャラクターたちを見ても、この作品の曲に気持ちが辿り着くのは本当に不思議だなと思います。そのくらい、今に至るまで、全ての原点であり始まりの曲たちなのだと。ライナーノーツで、作曲者様(下村陽子氏)が「戦いの曲というより、各々のテーマ曲みたいになった」と仰っていますが、テーマ曲でありそれぞれの曲の根底にはしっかり「1対1で戦う」という概念が在ると思います。
アレンジは各キャラのメドレー。最後にリュウのED曲をピアノソロで演奏するのが泣けます。オリジナルはもうどの曲も有名だと思いますが、筆者のお気に入りはガイルとケン、そしてバイソン。ケンの曲のイントロは、エリア88の項で触れた、トップガンサントラに入っている曲に似たフレーズがあるので、ここからヒントが来たのかなあと。そしてラスボスのベガ。「ものすごく激しいラスボスの曲」ではなく、鐘の音で静かにしかししっかりと、「もう後に引けない最後の戦い」を演出しているのが本当に素敵だと思います。
この作品の曲は、今でも様々な別作品でアレンジを聴ける、25年以上経っても曲がずっと生き続けているのは、本当に素晴らしいことだなと思います。これからもずっとたくさんの人の心に届き続けてほしい曲たちです。

【ファイナルファイトアレンジ】
5面BGMのアレンジです。”Lose in Twilight”という曲名から、黄昏のけだるい雰囲気をイメージさせるアレンジ。個人的には日没後を想像しています。原曲から大きく変わってアレンジされているのではないのですが、強く激しいアレンジではなく、管楽器とシンセを中心とした、けだるくもおしゃれな仕上がりになっています。繋ぎのピアノソロが良い…クラリス版ファイナルファイトサントラに収録されていますので、ぜひいろんな方に聴いてほしいアレンジです。

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