ラグランジュポイント
キングレコード 1991年5月21日発売(廃盤)
ラグランジュポイント サウンドトラックスリターンズ
EGG MUSIC RECORDS 2015年5月22日発売(廃盤)
ファミコンのRPG。と書くと、ドラクエやFFのような世界観で、ピコピコした音で…と連想するかもしれません。ですが、ドラクエにもFFにも似ていないこの作品。ファミコンのピコピコ音、PSG音源ではなく、「VRC-VII」というFM音源チップを搭載し、厚みのある音で、そのSF的な世界観を表現しています。(特にパーカッションとベースがファミコンの他作品と明らかに異なりますね。)
サントラは2種類出ています。キングレコード盤にはアレンジ6曲と、オリジナル全曲が収録。後者のEGG MUSIC RECORDS盤には、「Relaxed atmosphere」「光の泡」「深い闇の中へ」の3曲が、著作権の関係で入っていません。ですがEGG MUSIC RECORDS盤には、オリジナル音源のステレオ・エンハンスド・バージョンが収録されています。
さて、アレンジは当時のコナミっぽく、フュージョンっぽい仕上がりです。
「悲しみのオルゴール」のサビのピアノがとても美しいです。
また、「THE RESURRECTION OF SABBATH」のゆったりとした優しいアレンジがいいですね。美しくもかっこいいエンディング曲です。
オリジナルは、アルバム前半に、悲しみの暗い「もや」のようなものがかかっていると思っています。なので、アルバム前半のテーマは「悲しみ」だと思っているのですが、後半に向けて、そこから「復活」(Resurrection)を目指していくのが、このアルバムだなあと。
「THEME OF ISIS」「シュトルテを探せ」「Wandering journey」「悲しみのオルゴール」そして「光の泡」、序盤のあるキャラクターの死までは(ネタバレ防止のため明言は避けます)悲しい曲が多いのが特徴です。
そんな流れが希望に向かい始めるのが「プロミストランドを探して」ではないかと思います。
後半になってくると明るい曲もあります。「Orange Party」はコミカルで楽しい曲ですね。
また、個人的には戦闘曲が好きで…通常戦闘曲の「戦士への覚醒」はかっこよくてノリノリになれます!(パーカッションが楽しい!)そして中ボスの「悲しみの戦士達」ラスボス1つ手前の「Broken Replicaizer」は、異形の敵との戦いを表している、かっこいい曲です。
エンディング曲「THE RESURRECTION OF SABBATH」は、ストーリー前半の悲しみを昇華させたところにこの曲があるのではないかと思っています。悲しみから立ち直った時に在る曲、そんなイメージです。
ファンタジーやオーケストラではない、RPGの曲。ひとつの表現の結果として、この作品はあると思います。この作品も埋もれてほしくないと個人的に願っています。
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