カプコン ミュージック ジェネレーション ファミコン音楽全集 ロックマン1~6
カプコン・セルピュータレーベル 2002年9月20日発売(廃盤)
自分にとって向き合うのが(略)シリーズその3。筆者はドラクエで育ったので、最初は「ゲーム音楽=ドラクエ大好き」だったのです。そこに現れたロックマン。メロディの良さと、ノリの良さ。あっという間にハートを掴まれました。ロックマンに出会わなかったら、今、STGやゲーム音楽を追求することもない人生でした。ロックマンという人物と、彼の世界には、深く感謝しています。そして、シリーズの世界観と曲たちが、今でも大好きです。
【初代】
ロックマン サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/mega-man-sound-collection/1086908313
https://mora.jp/package/43000033/A44562/
筆者の敬愛する、松前真奈美氏のデビュー作。すぎやまこういち先生が、「ドラクエソード」で松前真奈美氏に一部楽曲の作曲を任せるにあたり、「メロディがちゃんと作れる人」を指名したというエピソードがあります。その「メロディがちゃんと作れる」技術は、デビュー作にして既に確立されています。本作のテーマはメロディの「harmony」だと、思っています。
一度聴いたら忘れられないカットマンステージ。(ベースラインいいな)
メロディもさることながら、機械的なノイズ音の使い方が秀逸なファイヤーマンステージ。
切ない系の曲が多いロックマンシリーズにおいて、優しくのどかなエレキマンステージ。(やはりベースラインいいな)
逃げられない、ただひたすら恐ろしいボスの曲。(シリーズで一番恐怖感のあるボス曲だと思っています)
そして、「ワイリー面に外れなし」、初代にして恐ろしくもどこか哀愁感のあるワイリー1面。ワイリー2面は松前氏らしい曲の運び方ですね。ドラム(ノイズ)とかものすごく初期の松前氏らしいです。
【2】
ロックマン2 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-2-sound-collection/1086913350
https://mora.jp/package/43000033/A44563/
作曲担当は立石孝氏。後にコナミでときメモを担当されています。初代のエンディングで2のOPが始まるところから既にエモい。
さて、「大魔界村」のサントラに、ロックマン2のアレンジが1曲入っているのですが、その解説で、立石氏はこう書いています。
「開発当初僕の「かわいいロックマン」といった感じの曲はすべてボツ、とにかくボツ、企画マンA.K.氏が「カックイイ ロックマン」というイメージの曲をほしがっていることに気づくまでボツの嵐は吹きあれた。」
その結果、世代を超えて多くのplayerたちの心を掴む、「かっこいい」曲たちがたくさん生まれたのは周知の事実だと思います。前作を受け継ぎながらも、前作と明らかに違うのは、それは、ロックマン2は「ROCK」がテーマなんじゃないかという点です。曲たちが「攻めて」いるのを感じます。
もう解説を書くというか全曲好きなんですけどね…特に好きなのがメタルマンステージ。ひたすらかっこいい。ドラムの使い方が既に前作と異なり、ロックしています。
エアーマンステージの一部phraseは、松前真奈美氏が作曲されたそうです。それと交換で、アーケード版エリア88の3面森林要塞の曲を立石氏が作曲しています。
泣きのバブルマンステージ。メロディが切ない!!サビで表メロディと裏メロがクロスするところが美しいです。あとスネア頑張って鳴ってる。
クイックマンステージも、背景で鳴っているチキチキ音が印象的です。2のドラム(ノイズ音)は、面でそれぞれ違う音なのがすごい工夫だと思います。
フラッシュマンステージもメロディかっこいいですね!洞窟を抜ける、どこか不可思議なイメージが込められている気がします。
イントロのドラムがボスの体格を表しているウッドマンステージ。ベースかっこいい。
そして、言わずと知れた名曲、ワイリーステージ1。なんでこんなかっこいい曲を作れてしまったのか…ベース、メロディ、ドラム、そしてメロディの重なり、全てが完璧です。「ひとりで基地に向かっていく」ロックマンの戦いが表現されています。
エンディングは、これまでの「攻めた」曲から一転して、暖かく泣ける曲。四季を表した演出から、ロックマンのヘルメットが置かれている演出がまた泣けるんです…
スタッフロールもいいですね!オープニングからメロディが派生していって、武器get画面のドラムphraseが入り、ギターソロ?のメロディに移っていくのが本当にかっこいいです。
「これでもか」という工夫と、曲に込められたギミックの数々、そして攻めの姿勢。捨て曲なしの名作です。
(追記、迷ったけどやっぱり取り上げます…上記のセルピュータ盤と、itunes, mora各種にはFC版音源しか入っていませんが…PS1版のアレンジ曲は、2が一番いいと思います。ワイリー1面、熱いですよ!!バブルマンもいい!!)
【3】
ロックマン3 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-3-sound-collection/1086916641
https://mora.jp/package/43000033/A44564/
3が実は初ロックマンの筆者。故に書くのが難しいです。思い入れがありすぎて。
初代、2と、ワイリーと戦うのみだったロックマンに、深くストーリーが展開されます。
兄のブルースの存在。3はかっこいいと同時に切なさを追求した曲もあり、そこが大好きです。作曲担当は藤田靖明氏です。(一部曲を藤田晴美氏が担当されています。)
だってOPからもう暗く切ないところから始まってそこからかっこいい疾走感。好きです。
当時から滅茶苦茶好きなのがステージセレクト。ずっと曲だけ聴いていました。かっこいい…
マグネットマンステージ。切なさとはちょっと切り離された曲ですが、滅茶苦茶好き…表と裏のメロディの重なりがとても好きです。
一番好きなのはタップマンステージ。かっこよすぎか…ギターで鳴らすとかっこいいんだろうなあと思わせる原曲です。
スネークマンもイントロから攻めてますね!メロディはギターでも管楽器でもかっこいいと思います。ベースも熱い。
「ワイリー面に外れなし」、1面2面はメロディが悪の基地って感じでかっこいいです。
そして3面4面!!!もうこれぞワイリー面!!イントロから既にやばいですね!!こういう切なくかっこいい曲に弱いです…とても「ヒーローらしい」曲だと思います。
で、エンディングがまた泣かせるんです…サントラではフルで聴けるのも嬉しいですね。そしてスタッフロール。ロックマンのスタッフロールは明るく締めてくれるのがいいと思います!
【4】
ロックマン4 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-4-sound-collection/1087266605
https://mora.jp/package/43000033/A44565/
作曲は藤井美苗氏。ロックマン10でコマンドマンステージも作曲されています。
4は、優しく、でも悲しそうに始まるOPから、かっこいいOPへ。当時は演出に感動しました。また、物語が始まるという近未来的なタイトル画面の曲もいいですね。
「そんなこんなで色々できた中でBright Manのステージで流れるこの曲が1番好きです。ちょっとラテンのリズムになってしまいましたが、結構気にいってます。」(Captain Commando ライナーより抜粋。)…と仰っているブライトマンステージ。メロディが秀逸です。
筆者のお気に入りはドリルマンステージとスカルマンステージ。前者はメロディの重なりがきれいにハモっています。後者はロックマンらしい、かっこいい曲ですね!パーカッションが気持ちいいです。また、リングマンステージには、初代のファイヤーマンステージのphraseが使われている点も注目です。
また、切ない系で攻めるトードマンステージ、ダストマンステージも捨てがたいです。
後半のコサック面、ワイリー面にももちろんいい曲が揃っています。コサック面後半の3,4面を初めて聴いたときは衝撃でした。メロディが美しく、忘れられません。ノイズとベースもいい仕事してるなあ…
そして、ワイリー面最終面は、歴代のワイリー面でも屈指の名曲だと思います。サビの盛り上がり方が半端ない!!その盛り上がりのままラスボス曲も燃えます!!
そしてエンディングへ。泣けます…サビが特にいいですね。(列車に乗って始まるOPから、列車に乗って帰るEDなのがまたいいんです…)そして、スタッフロールは恒例により明るく締めてくれます!2のOPのアレンジです!
【5】
ロックマン5 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B35-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/1087272414
https://mora.jp/package/43000033/A44566/
作曲は山口真理氏。SFC版エリア88を担当されています。
何かが始まる「予感」を感じさせるOP。そして使命感さえ伝えるようなかっこいいメロディのタイトル画面。
ステージセレクト、滅茶苦茶好きです…このステージセレクトもずっと聴いていたい…
グラビティマンステージの曲は、サビが秀逸ですね。サビからループさせるのがとても上手いです。
本作で人気が高いナパームマンステージ、ロックマン得意のかっこいい曲!!発売当時はCMに使われていて嬉しかったですね。
同様に人気が高いのはダークマンステージです。イントロの、どんどん高くなっていく低音(伝われ)がかっこいいです。アルバム「We are ROCK-MEN!」のアレンジもgood!(いつかブログで取り上げます)
5のスタッフロールも、希望を感じさせるのがいいですね。表メロと裏メロのharmonyが美しいです。
また、5はPS版アレンジも、原曲を大切にしてまとまっていると思います。原曲同様ナパームマンとダークマンがお気に入りです。
【6】
ロックマン6 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B36-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82
https://mora.jp/package/43000033/A44567/
作曲担当は竹原裕子氏。ファミコン最後のロックマンです。
6は、これまで作られてきた「ロックマン」の世界観に加えて、各ボスが世界の国からの出身ということで、「国」のイメージも曲に落とし込めているなあと感じます。
イントロのharmonyが心地よいフレイムマンステージ。サビでは「熱」を感じさせます。
人気が高いのはウインドマンステージですね。メロディとリズムが心地よさを感じさせます。
筆者のお気に入りはトマホークマンステージとMr.Xステージです。前者はアメリカの荒野を感じさせるメロディが好きです。後者はFC版もいいのですが、PS版で本気で惚れました…メロディの物哀しさ、なんとなく寂しさもいいし、裏で鳴ってるギターもいい…
スタッフロールがまた巧い。前半8ステージのメドレーになっています!
【まとめ】
FCの3音プラスノイズだからこそ生まれた、美しく、どこかコミカルで、そしてかっこいい名曲たち。
作曲者様方が、それぞれの個性を「ロックマン」の世界において発揮させているなあと思います。
今でも、「アレンジしてみた」「演奏してみた」などで、受け手から受け手へと聴き継がれる曲、これからも無限に広がっていってほしいと思います。
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