Misaki’s Game Music Box vol.54 天地を喰らう2 -G.S.M. CAPCOM 7-

天地を喰らう2 -G.S.M. CAPCOM 7-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年8月20日発売(廃盤)

Qsound、ですよ。
それまで音の弱さで作曲者も聴く側も困惑させてきたカプコンでしたが、(その音の弱さが逆に個性だったという見方もできます)このアルバムを聞いた時には、その音の良さに驚きました。迫力!特にパーカッション系が強化されたのは嬉しかったですね!
当時の店でも、キャラクターのvoiceが力強く響いていたのが印象的です。

【天地2】
アレンジ2曲とオリジナル音源収録。
戦いの幕開けとして盛大に響くROUND1-1と1-2。アクションらしく派手な曲に仕上がっています!舞台である中国を思わせる曲風なのも、音楽を通して作品に感情移入できます。
また、ボス曲も緊迫感のある仕上がりです。
アレンジにもなっているROUND6がいいですね。疾走感を感じさせます。
密かに好きなのがROUND8-1、そしてROUND9です。後者は最終面にふさわしい盛り上がりを聴かせてくれます。
1面から最終面まで、音の華やかさが曲に生きている作品です。

【キャディラックス】
アレンジ1曲とオリジナル音源収録。
個人的には、本アルバムの主役だと思って聴いてきました。かっこよさで胸を打つ直球ロックです!!
のっけからノリノリのStage1-1。スネアが強化されているのが嬉しい…!「4人のヒーロー達」というタイトル通り、ヒーローらしい曲です!
Stage1-3は「追撃」、スピード感のある曲です。シンセがかっこいいメロディを聴かせてくれます。
BOSS1もスピード感のある曲。メロディにギターが登場します。ベルトアクションらしく、走って殴って…に似合う曲です。
本作で最初に惚れたのはStage3-1「爆走」でした。ギターをバックにシンセのメロディで走れ走れ!!やはりスネアの強化が嬉しいですね。
また、Stage3-2「疾風のごとく」はギター中心で攻めてきます!
BOSS3、パーカッションがノリノリです。サビで出てくるギターがかっこいい。
4面はスピード感というより緊張感のある曲が連なります。Stage4-2「乱射・乱闘」が滅茶苦茶好き、イントロと、後半のメロディとギターがたまらん!
BOSS4も好き…こちらもギターが前面になってボス戦を演出します!やはりスネアが(略)。
そして、本作で一番好きな曲は、Stage5-1「恐竜たちの荒野」です。イントロのドラムからギター、スネア、そしてAメロギター、サビ…全てかっこいい…だまされたと思って一度聴いて頂きたいです!!オススメ!!
ここまでひたすら「かっこいい」で攻めてきたのですが、カプコンの得意要素には「泣かせる、哀愁」があると思っています。それが表れているのがStage8-1「悪の正体」です。表のギターと重なった、裏メロのキラキラしたシンセが泣けます。
版権が理由か、本作は「カプコンアーケードスタジアム」には(今のところ)未収録です。でも埋もれてほしくない名曲だと思います。

【パニッシャー】
アレンジ1曲、オリジナル音源収録。
「スト2」の、下村陽子氏が作曲。ベルトスクロールアクションですが、オーケストラ中心で、ドラマチックな曲展開を聴かせてくれます。さながら、復讐で敵を追い詰めていく映画のように。
アレンジはめちゃくちゃロックで、賛否両論ありそうだが筆者は好きです。(推測ですが、下村さんのアレンジではないと思います)
お気に入りは、アレンジにもなっている5面、そしてキングピンを追い詰めていく6面です。後者はどんどん曲が上り詰めていって、サビが泣けます。
疾走感、攻めのキャディラックスとは対照的に、「攻めている」曲ではないのですが、ひたすらに「復讐」という説得力、演出力のある曲だと思っています。

このアルバムと、1500のマッスルボマーを最後に、カプコンのアルバムはサイトロンから移籍します。アルフライラも表立った活動はしなくなり、バンドなのかサウンドチームなのか曖昧な時期に入ります。
Qsoundになった点でも、活動的な意味でも、本作は節目のアルバムだと思います。

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