FINAL FANTASY Vocal Collections I -祈り-
NTT出版 1994年6月25日発売(廃盤)
(再販版)スクウェア・エニックス 2004年10月01日発売
FINAL FANTASY Vocal Collections II -Love will grow-
NTT出版 1995年11月25日発売(廃盤)
(再販版)スクウェア・エニックス 2004年10月01日発売
完成度の高いヴォーカルアルバム。初めて聴いたのは、FF6が発売したころだったと記憶しています。2枚に共通するテーマは、やはり「愛」ではないかと感じました。ファイナルファンタジーというシリーズの根源でもあるテーマを扱っています。初めて聴いたころから「英語」に大きく影響されていた筆者にとって、英語で(日本語もフランス語もありますが)ここまでゲームの世界を広げて歌うことが出来るのだと、驚きと同時に感動をもたらしたアルバムです。
透明感のあるchorusを聴かせてくれる「Prelude」。
「The Promised Land」では、「約束の地」に焦がれる思いを歌い上げています。英語詞がFF2の世界にもマッチしていてとてもいいです。あと英語歌唱がめっちゃ上手い!!
「時の放浪者」は、FF6ティナのテーマのアレンジ。あえて表メロディではなく、裏メロに歌詞を乗せて、力強く歌っています。
「光の中へ」はFF4愛のテーマ。囁くように、しかし思いを込めて、愛を歌っています。
「Voyage」はFF3より「果てしなき大海原」、「Once You Meet Her」は同じく3から「水の巫女エリア」のアレンジです。どちらも原作のイメージ通りなのが素晴らしい。後者のエリアのテーマは、ひとりの女性の美しさ、素晴らしさを英語詞に乗せています。
「Au Palais De Verre」は、FF1マトーヤの洞窟より。フランス語なので歌唱はわからないのですが(筆者はフランス語学習挫折組です)、おとぎ話のような物語を歌っています。イントロが切なく泣けます。
そして10曲目、「Pray」。FFという作品全体に流れる「生命」「愛」といった内容を、シリーズのテーマ曲でもある「ファイナルファンタジー」に乗せ、壮大に歌い上げています。後半に向かうにつれての盛り上がりが素晴らしいです。
さて、2枚目のLove will growについて。根底に流れるテーマは同じく「愛」なのですが、こちらのアルバムでは「孤独な魂が焦がれる愛」を歌った曲もある点に注目です。
まず1曲目の「Long Distance」がそれにあたります。ひとり残ったコンピューターに生まれた「感情」を、「ああ、この時を、伝えたい」と、力強く歌っています。
FF3「小人の村トーザス」より、「Have you ever seen me?」は歌のうまさが光る1曲です。筆者は英語脳なので、この曲の速さに「よく発音が回るなあ…」と、ただただ感嘆します。そのちょこちょこした速さも、小人たちから「僕を見たことある?」というメッセージの表れだと思います。
「GAIA」はFF1メインテーマのアレンジです。こちらも「生命」「愛」という内容を力強く歌っています。サビの歌唱の力強さ、伸びの広がりがすごいです。
「遠い日々の名残り」は、先に挙げた「孤独な魂が焦がれる気持ち」を歌っていますね。夕焼けを背に、思い出を振り返るような切ない曲です。
「神の揺り籠」は、FF6リルムのテーマ。短い中にどこまでも優しく、しかし力強く。後半のchorusも美しいですね。
そして、2枚のアルバムを通じて一番好きなのは、「Love will grow」、FF2エンディング曲です。英語も聴きやすくリスニングに最適?「愛は大きくなるよ」と、シリーズの普遍的なテーマを歌い上げています。
トリを締めるのは、Prelude。1枚目の「祈り」とは違ったアレンジで、違った表情を見せてくれます。オシャレなイメージです。
ヴォーカルものって書くの難しいですね…残念なことに、itunes等では流通していないのですが、アルバムは中古で安く流通しているので、FF好きな方にはぜひお勧めしたいアルバムです。古いアルバムですが、内容は古くない、これからもずっと在り続ける歌だと思います。
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