Misaki’s Game Music Box vol.59 パワードギア

パワード ギア/アーケード ゲームトラック
ソニーミュージックエンターテイメント 1994年12月1日発売(廃盤)

メカものベルトアクションである本作。サウンドの特徴は「ギター」バリバリである点です。エレキギター、エレキベース、ちょっぴりシンセとオケヒット。後述するサイバーボッツとの違いは、本作は(協力プレイもできますが)「戦うときはひとり、孤高」というサウンド展開がされていることだと思います。Qサウンドになったあとのカプコン曲ですが、「ギターの音がええのなくて自分で弾いたんや」「ギターをかっこよくリアルに再現してくれ!」(ライナーより)という点にも、作曲者の岩井孝之氏とサウンド担当の本気がうかがえます。
唯一、アルバムに注文をつけたいとするならば、曲の並び順がおかしい(と思う)点です。ゲームの展開順にしてほしい…今はパソコンで曲順を並べ替えるのも簡単にできるので、動画等を参照して、ゲームの登場順に曲を並べ替えることをお勧めします。

そんなギターサウンドがのっけから展開される1面。荒廃した大地と都市に似合うサウンドです。Bメロ(かな?)のツインギターがかっこいいです。
人気の高いライバル、ワーロックとの最初の対峙が繰り広げられる1面ボス。シンセなしの武骨なギターサウンドが、ボスとの戦いを彩ります。こちらもサビのツインギターがかっこいいですね。
shooting areaを経て、地球に降下した敵を追い詰める3面。イントロのギターが印象的です。曲に合わせてレーザーブレードを振れる、サビも印象に残っています。
5面は、本作では珍しく、シンセがメロディです。後ろではギターがギシギシ鳴っていますが。(この表現好きなのでブログで多用しています→)大地に吹く乾いた風をイメージした曲です。この辺からストーリーも激化していきます。
そして5-1ボスでワーロックMk2との再戦です。筆者は本作ではこの曲が一番好きです。イントロにオケヒットが入り、曲に臨場感が増しています。
さらに、列車内から出てくる5面ボスへリオンの曲もめちゃくちゃ好きです。こちらは本作らしい直球のギターサウンド、しかも弾きが速い!熱い一曲です!
ストーリーが”Truth”に直面する6面ボスnewワーロックとの1戦も熱い曲です。ワーロックという機体は、進化するごとにデザインが機械的から有機的になり、曲もギター中心からオケヒットを絡めたdramaticalなものになっていきます。まさに「宿敵」の1曲です。(個人的な想いなんですが、6面で明らかになる”Truth”で、果たしてアズラエル(ワーロックのパイロット)は「絶対悪」なのかという疑問が残ります。こういう、「絶対悪になり切れない」登場人物の描き方がものすごく好みです。)
そして最終面「STARRY OCEAN」。これまでの熱い曲を浄化するかのように、カプコン得意の泣きの要素で攻めてきます。イントロのシンセがずっと鳴っているのがめちゃくちゃ好き…いっぱいの星が瞬く夜空が目に浮かぶような、名曲です。

ゲーム音楽としてはかなり「尖って」いる本作。ですが、当時のカプコンの、「映画音楽的な」、臨場感ある展開を聴くことが出来ます。このくらい「作曲者の趣味」と、画面のイメージが一致した状態で自己主張していても、いいのではないかと思っています。

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