Misaki’s Game Music Box vol.69 ファイアーエムブレム 風花雪月

ファイアーエムブレム 風花雪月 オリジナル・サウンドトラック
ポニーキャニオン 2021年2月17日発売

約3カ月ぶりのブログ更新になります…サントラ6枚組プラスBonus Discで、聴きこむのに時間を要し、執筆にとりかかるまで遅々として追究が進みませんでした。非常に壮大で難解なお題の本作、音楽的にも多彩な仕掛けが含まれています。筆者は長年のFEファンなので、(下手ですが…)バッチリ4ルートと追加ストーリーをクリアしてからこのサントラを聴きました。そして、どの曲も「playした時の記憶や思い出を思い出せる」、「聴くと、どの場面で流れていたか、明確に思い出せる」ことに気づきました。演出面、そもそも「作品」という全体像において、とても楽曲が大きなimpactを持って流れていて、しかし「主張はするけど、主張しすぎない、受け取り手であるplayerの気持ちを汲むように流れている」曲たちだと思います。2021年12月に、テレビ朝日系列で放映された「テレビゲーム総選挙」では、本作が見事23位にランクイン!!多くのplayerの心を掴んだ作品だと言えるでしょう。
以下、筆者は音楽的、専門的な知識は一切持たないので、筆者なりに聴いて感じたこと、追究できたことを述べていきます。「私もこの曲好き!」が見つかれば幸いです。

メニュー画面で流れるのは「炎の紋章」。これまでのシリーズで使用されてきた「ファイアーエムブレムのテーマ」を、静かなパイプオルガンが奏でます。ここからどんな物語が始まるのか、今までのFEとどう違うのか、曲の奏で方が「ここから先に進みますか?」と問いかけているような演出です。
オープニングで流れる、本作の主題歌「フレスベルグの少女~風花雪月~」。本作の楽曲には、この主題歌で流れているphraseを巧みにアレンジして組み込ませた曲が多数使用されています。そのアレンジの上手さ、「この曲のphrase、なんか聴いたことあると思ったら、主題歌で使われてる部分じゃーん」というさりげなさに、曲作りの上手さを感じます。

「どの曲が好き」というのは、本当に皆さん人それぞれだと思いますが、最初にplayerの心を掴んだであろう、初期マップで流れる「フォドラの暁風」。 「学校」が舞台の本作、生徒同士、そして教師であるplayerと生徒との交流を楽しむこともできます…が、やはり本筋に在るのは「戦い」なのだと説きかけるような、切なく真剣なメロディ。サビは「フレスベルグの少女」のphraseです。ループ直前のピアノがお気に入りです。
散策タイムで流れる「ガルグ=マク大修道院の日常」。チャイムが「ファイアーエムブレム♪」なのが好きです。戦いがメインの本作で、癒し曲として、心のよりどころにしていた方も多いのではないでしょうか。3拍子で、優しく軽やかに日常を描きます。
「その疾きこと風の如く」は第1部の、「侵掠すること火の如く」は第2部の戦闘準備画面の曲です。どちらもお気に入りですが、前者が「若さ」や「これからの成長」を感じるのに対し、後者は(何度も記述しているのですが)「もう戻れない」という印象を受けます。

「鷲獅子たちの蒼穹」は、3学級が戦う「グロンダーズ鷲獅子戦」マップの曲。イントロはこれから始まる壮大な戦いを表し、そしてAメロからは、戦いは避けて通れないというイメージのメロディが流れます。サビの広がりがとても力強いです。
「嵐は巡る」は、キャラクターの外伝マップで流れる曲。疾走感があり、気に入っています。サビのヴァイオリン(かな?)が素敵。パーカッションも印象的ですね。
「約束」は、舞踏会の夜、クラスメイトみんなで交わす、ある「約束」の場面で流れます。「フレスベルグの少女」の軽やかなピアノアレンジです。「約束」の場面が好きなので、この曲も短いですがとても好きです。
「壊された日常」は、散策タイムの曲なんですが、ある人物の死を境に流れるようになります。めちゃくちゃ好きな曲(筆者は、前述の「~日常」よりこっちのほうが好きです)…泣けるのに弱い…ピアノが美しいですね。
「天裂く流星」はstory前半の中盤(ややこしい)マップで流れる曲。めちゃくちゃ好き…この曲が流れると、曲に合わせてカーソルを動かしてしまいます。この曲が流れるあたりから、物語も前半の核心に向かって動いていくので、とても強く印象に残っています。

「女神の天秤」は第2部の散策曲。5年が経ち、少し大人になった生徒たちと交流することが出来ます。ですが、舞台が大きな戦争になってしまっているので、やはり第一部のような優しさや穏やかさではなく、悲壮感を感じさせる日常を描いています。
「野望の地平」は、第2部前半マップで流れます。この曲をマップで聴くといつも、「もう戻れないところまで来てしまった、でも前に進むんだ」という、悲壮めいた気持ちになります。それでもplayerの背中を押してくれる、力強い曲です。
第2部後半マップで流れる「遠き道」も、切ない曲ですね。なんというか、「これでよかったのかわからない、でも進むしかない」という曲。サビのオーケストラが「もう戻れない」感じを強くしています。ループ直前が泣ける。
「天と地の境界」は、蒼月の章と翠風の章、後半マップの「グロンダーズの会戦」専用曲です。前半の同じマップで流れた「鷲獅子たちの蒼穹」のアレンジです。ネタバレになるので詳細は記載しませんが、playerの心臓をリアルに鷲掴みにするマップなので、曲も悲壮感漂う、しかし「後には戻れない」という曲になっています。chorusが印象的。

「この世界の頂で」は、紅花の章と蒼月の章、最終マップの曲。「フレスベルグの少女」のアレンジです。最終面らしく、とても美しく力強いアレンジになっています。(筆者は青獅子推しなので、大好きなんですが、紅花で聴くととても辛い曲でもあります…)たくさん傷つけたしたくさん殺した、でも自分の信じた道を進む、そんなエーデルガルトとディミトリを象徴するような曲です。
「神を屠る星」は翠風の章最終マップの曲です。男性chorusがとても印象に残っています。この曲も、このchorusを聴くと、あの最終マップの記憶がよみがえりますね。
「花片の葬列」は銀雪の章最終マップの曲。こちらは女性chorusが悲壮感を漂わせています。storyが最後にあんなことになってしまうので、混沌としたものも感じさせます。

サントラ単体で聴くのももちろんいいのですが、機会があれば、ぜひ作品をplayしてから曲を楽しんでいただきたいと思います。皆さんの「心の実家(=推し学級)」はどこですか?推しキャラは、推し支援は、そして推しルートはどこですか?印象に残っているイベントはどれでしょうか?そんな思い出と思い入れを大切にしてくれる、曲たちです。

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