星のカービィ Wii ミュージックセレクション
任天堂 非売品(クラブニンテンドーポイント交換品)
カービィ作品を最近よくplayしています。playして、そしてサントラを聴いていて感じるのは、アクションゲームで、textは少ないけれど、サントラが最初から最後まで「ひとつのstory」を表現しているという点です。筆者はWiiを持っていないので、本作未playですが、この作品は特に「story性」が強いと感じています。(トリデラのstory性も捨てがたい…)
そんな「4人の仲間の、だいぼうけんの物語」が、本作の曲のテーマではないかと思います。
また、ライナーにコメントが記載されていますが、「『星のカービィ Wii』の曲では、まずいくつかのテーマとなるメロディを作り、それらを随所に使っていく、というコンセプトが今まで以上に意識されています。」このサウンド作りの巧みさを本当に感じることが出来る作品です。
タイトル画面の「4人の仲間と:クッキーカントリー」から既に泣きそう…「だいぼうけん」の始まりです。この作品内でphraseが多く使われている、テーマ曲のひとつでもあります。
「ぼうけんのはじまり」も泣きそう…スターアライズで初めて聴きましたが、本当に大好きな曲です。管楽器のBメロ~サビの盛り上がりがとてもいい。
「森をぬけて」は、最初は気付かなかったのですが、スターアライズ「ハニーヒル」でアレンジされて生まれ変わっています。スタアラ版のサビでこの曲のphraseが使用され、さらに優しい曲になっています。
「白熱!ボスバトル」はカービィらしいボス曲です。アクションゲームらしいノリの良さと緊迫感、盛り上がりのある曲です。サビでスネアが3拍だけ入るのがカービィっぽい。
「ホワイトウェハース」「ゆきがっせん」は、音色が特徴的です。「雪」「寒さ」を感じられる2曲に仕上がっています。後者はカービィらしい、かわいらしい曲ですね。
カービィの曲は「優しさ」もキーワードに挙げられると思っていますが、「ナッツヌーン」はまさしく「優しい」曲です。スローテンポで、包み込むようなサビが印象的です。
筆者のお気に入りその1、「空のワルツ」。かわいらしい前半から、弦楽器で踊るような後半。空中散歩しているような曲ですね。
本作でとても人気が高いのは「スカイタワー」。これもカービィらしいメロディがとても良い曲です。ライナーを読むまで全く気付かなかったのですが、「たとえば『スカイタワー』と『勝利への道』は、雰囲気は正反対ですが、実は”同じ曲の明るい版と暗い版”という”対になる曲”として同時期に作られました。」…本当に気づきませんでした。匠の技、です。
筆者は夢の泉推しなので、「雲の夢」が大好きです。Grape Garden(少しだけRainbow Resortも)のピアノアレンジ…というだけで泣けます。後ろで鳴っているピアノがとても美しく響いています。
本作での筆者のイチオシは「デンジャラスディナー」です。低音のピアノと管楽器に重なり合うようにたたみかけるシンセのメロディ。「熱」と、後半面の緊迫感を感じさせる曲です。
本作のラストボスの曲も、とても人気が高いですね。(「『支配してアゲルヨォ』と『CROWNED』は、別々の作曲者が担当することで、ボス戦というひとつのクライマックスシーンに大きな変化を生み、それらは『カービィサウンド』の醍醐味にもつながっています。」←ライナーより引用)
前半戦の「支配してアゲルヨォ」は石川淳氏作曲。石川氏の曲ではテンポが速く、ギターが効いたサビが最終決戦らしい1曲。こちらは、ラスボスであるマホロアの「不可思議さ」を表した曲ではないかと思っています。カービィがスーパー能力でラスボスと立ち向かうシーンにふさわしい1曲です。
そして、現在進行形で筆者がドハマりしているのが、ラスボス最終段階「CROWNED」。作曲は安藤浩和氏。えっ…めちゃくちゃ名曲では…?弦楽器のイントロとAメロ、管楽器が重なるBメロ。2拍鳴るパーカッション。「彼方からの旅人マホロア」のphraseが使われ、「目の前にいる恐ろしい敵は、マホロアなんだ」と感じさせる工夫がなされています。サビがどんどん盛り上がって、最高潮でループに戻るのがめちゃくちゃ好きです。
最後にアレンジ3曲が収録されています。「空の夢と、虹の泉で」は、タイトル通り、「空の夢」のアレンジ。ピアノやフルート、ヴァイオリンを中心とした、優しいアレンジです。後半、「虹の泉」の、Rainbow Resortのphraseに流れていくのが、とても泣けます。
「サイゴノタタカイ」は、「飛べ!星のカービィ」から「支配してアゲルヨォ」「CROWNED」のメドレー、オーケストラアレンジ。「支配してアゲルヨォ」のオーケストラ版が聴ける、貴重なアレンジです。
そして「4人の仲間と彼方からの旅人」はエンディング曲のアレンジ。アルバムの締め、そして「物語の締め」に、ふさわしい曲です。
カービィって、「泣かない」「悲しまない」んですよね。(アニカビは除く)終わりの見えない冒険があっても、裏切りのシーンがあっても、どんなに強大で恐ろしい敵を目の前にしても、能力と仲間の力で立ち向かっていく。そんなカービィの「優しさ」「強さ」「冒険」が、曲に強く表れている作品だと思います。サントラは入手困難ですが、ぜひ聴いて頂きたい作品です。ディスカバリー楽しみ!!
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