THE BLACK MAGES
デジキューブ 2003年2月19日発売
再販版 スクウェア・エニックス 2004年5月10日発売
https://music.apple.com/jp/album/the-black-mages/62440616
https://mora.jp/package/43000021/SQEX-10019/
THE BLACK MAGES II The Skies Above
ユニバーサル 2004年12月22日発売
再販版 スクウェア・エニックス 2008年3月19日発売
THE BLACK MAGES III Darkness and Starlight
DOG EAR RECORDS 2008年3月26日発売
THE BLACK MAGES III Darkness and Starlight LIVE (ライヴDVD)
DOG EAR RECORDS 2009年3月25日発売
2003年、2004年、そして2008年。今でこそ、こういった「ゲーム音楽のバンドアレンジ」をお手軽に動画などで聴ける時代になりましたが(そして、そういった演奏が、公式ではなく一般の方による演奏であるというのも、珍しくない時代になりましたが)、2000年代は、ゲーム音楽初期のレコードやCDが復刻したり、それぞれのメーカーから様々な形で「公式アレンジ」が出たり、過去のゲーム音楽のreproduction(再生産)が盛んだったように思います。
筆者はこの頃、「ゲーム音楽の情報を入手する、ゲーム音楽のサントラを入手する」という行為から離れていました。(元来持っていたサントラこそ手放しはしませんでしたが…手放さなくてよかった…)筆者が地方在住で、どんどん「CDショップからゲーム音楽サントラが売っていない」状態になり、単純に入手がしづらくなったというのも一因です。ですが、Amazonが普及し、「ネット販売でなら、ゲーム音楽のサントラを入手できる」ということを覚えてから、時を遡るかのように、2000年代に復刻された盤を購入していきました。
あとは大きめの中古ショップなら、ゲーム音楽CDが流通するようになったという要因もありました。今回取り上げる3枚は、筆者の記憶が定かなら、全て中古で購入したものです。
少し調べたのは調べたのですが、デジタルで音源が売っているのはIだけなのは、やはりレーベルがそれぞれ異なる(少なくとも、IIとIIIはスクエニから出た盤ではない)からなのかなあと思ったり。ですが先に述べたように中古市場にかなり出回っているので、入手はしやすいのではないかと思います。
THE BLACK MAGESは、当時スクウェア(ギリギリでスクエニに合併する直前)に在籍していた、植松伸夫氏を中心に結成されたバンドです。この3枚のアルバムは、「FFの曲をロックアレンジする」というconceptでアレンジ・演奏されています。arranger様は、関戸剛さま、福井健一郎さま、岡宮道生さまが中心です。個人的には3枚とも捨て曲なし、捨てアレンジなしだと思っております。3枚とも「原曲を壊していない」のが共通要素であるのも好きポイントです。
【I】
捨て曲なし!!!!!!!!!1曲目Battle Scene(FF1)でとりあえずエンジンをかけて、2曲目Clash on the Big Bridgeでギコギコしたギターでノリノリになりたいときに聴きます。最高です。2曲目は、先日発売された、switch版シアトリズムファイナルにも、アレンジがそのまま収録されていて熱いです!(ビッグブリッヂだけで何曲収録されているんだろうかあの作品(数えてないです))お気に入りはThe Decisive Battle(FF6「決戦」)、Those Who Fight Further(FF7「更に戦う者達」)。ボス曲好きなんかな…好きだったわ…あと、筆者は実はFF8未playなんですが、このアルバムのForce Your Wayが良かったので、原曲も聴いてみたいなと思いました!
Dancing Mad(FF6「妖星乱舞」)…長いやつだ…相変わらず組曲だ…ロックで組曲…でもやってるバンドもあるから不思議じゃない。ロックなのに「妖しい」。
【II】
捨て曲なし!!!!!!!!!(2回目)Zeromus(FF4ラスボス曲)が好き。原曲はシンセがメロディというイメージだったんですが、ギターになったらこんなにかっこよくなるんだなあと。原曲も大好きなMatoya’s Cave。「ロックアルバム」ですが、しっとりと、acoustic調に…ラストのギターの重なり合いを聴くと、「さっさかさ」と喋っていたホウキを思い出して涙が出ます。そしてロックになっても変拍子が熱いBattle With The Four Fiends(FF4「ゴルベーザ四天王とのバトル」)。ボス曲が…好きだ…
今回はvocal曲も収録されています。Otherworld、The Skies Above(「ザナルカンドにて」)は、それぞれFF10からのヴォーカルアレンジです。筆者は「ザナルカンドにて」は、いたストでしか聴いたことがないのですが、The Skies Aboveは結構大胆にアレンジされていますね。
【III】
捨て曲なし!!!!!!!!!(3回目)ボス曲が好きなので、Neo EXDEATHとKURAYAMINOKUMOが熱くて泣く。前者はライヴで聴きたいアレンジですね。(冒頭にて触れたDVDにライヴ版が収録されています)KURAYAMINOKUMOは、原曲のパーカッションが非常に好きなので、そこを捨てないで生かしてくれて嬉しいです。
驚きなのは、なんといっても9曲目のDarkness and Starlightでしょう。FF6のオペラを、セリフとナレーション入りで演奏しています。オペラでロック…?でもちゃんとオペラだし、間奏にギター入ってるのはロックだよなあ…不思議…
公式から出るアレンジ盤について。あるゲームの、公式のとあるアレンジ盤(FFのアレンジではありませんし、その盤がどのCDだったのか、最早筆者は記憶しておりません)の、どこかに載っていたレビューで、「この演奏とアレンジなら『演奏してみた』のほうがいい」といいう言葉が載っていました。その言葉がずっと胸の中に残っています。
どちらが優越か、比べるものではないと思っています。(「どちらが『好き』か」という概念は、それぞれの聞き手の中に存在すると思います。)
現代において、ネット上で、一般の方が演奏や打ち込みアレンジをされた曲を聴き、お気に入りがあればそれをマイリストに入れて何度も聴く筆者自身がいます。だからそれを否定はしませんし、するつもりもありません。一般の方々がupする演奏や打ち込みも、私たちがゲーム音楽を聴き始めた当時からは信じられないくらいレベルの高いものがたくさん存在します。
でも、筆者は公式から出るアレンジにも価値があると思うと同時に、大好きです。公式だからできるメンバー編成、演奏、そのarranger様だからできるアレンジの解釈がそれぞれ存在するから。
だから、今回取り上げた3枚は、中古でたくさん出回っている=手放した方が多いのかもしれないけれど、「公式がアレンジを出す意味はある、存在し続ける」と、筆者は思っていますし、これからも公式からそうしたアレンジをproduce(生産)してもらうことに、期待するのを辞めたくないです。
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