デススマイルズ オリジナルサウンドトラック
ケイブ 2008年5月26日発売(廃盤)
https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA/1059730216
https://mora.jp/package/43000074/TCJPR0000281103/
デススマイルズ アレンジアルバム
ケイブ 2010年5月15日発売(廃盤)
並木学セレクション デススマイルズ プレミアムアレンジ
ケイブ(xbox360版初回限定版にサントラ同梱) 2009年4月23日発売
https://music.apple.com/jp/album/%E4%B8%A6%E6%9C%A8%E5%AD%A6%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8/1290211720
https://mora.jp/package/43000074/TCJPR0000397876/
デススマイルズ ドラマCD 第1章
ケイブ 2009年4月18日発売(廃盤)
デススマイルズ ドラマCD 第2章
ケイブ 2009年8月15日発売(廃盤)
デススマイルズ ドラマCD 第3章
ケイブ 2010年2月20日発売(廃盤)
その昔、某アーケード専門誌(バレバレや)の増刊号の、とあるゲーム音楽の記事にて、これまたとあるメーカーの(ケイブではない、そもそもその記事はケイブ創立以前のものでした)サウンド担当の方が、このように語っていらっしゃったのを記憶しています。
「うちの作品に、他社の音楽を当ててみたことがおありだろうか。見事に合わないのである。」(←うろ覚えですがこのような内容でした)
ゲーム音楽は、そもそも、「その作品のために」「その作品に、画面に合うように」作られるものですが、その中でも、「この作品のためにはこの曲たちしかない」、そして、「この曲は他の作品の画面には絶対に合わないな」という要素が本当に強いのが、本作品のサウンドだなと思っています。
ゴスロリで女子で魔物でファンタジーでSTG。そんな要素を見事にまとめ上げて作曲をご担当されたのは、当時「ベイシスケイプ」に所属されていた、並木学氏です。ガレッガと同じ方がこの曲たちを作ったという事実がすごいなあと思います。あまりに世界観も曲も違いすぎるから。要所要所に入る、上倉紀行氏のギターも、「かわいい世界」だけではない、曲にかっこよさという味を与えています。(最近は上倉氏はスクエニ系のお仕事でお名前を拝見することが多いので、ケイブとデスマに繋がりもあったのだなあと、驚いております)
ここで筆者の話をさせていただきます。筆者はシューターですが、弾幕STGが苦手です。大量の弾に囲まれると、視界が敵弾で埋まって(隙間とか見えない)「あ、無理だわ」と思って諦めて結局避けられなくて自機がやられます。東亜プランのBATSUGUNの4面が抜けられない程度の腕前です。
デススマイルズが稼働していた頃、ケイブは多くの弾幕STGを出していました。そのどれもが、自分には「無理」と思えました。でも、デスマMBLは、何故か「やってみたい」という気持ちになり、100円を投入しました。fantasticな世界観や、かわいらしいキャラクター、美しい画面に惹かれたのかもしれません。
案の定、攻略は困難を極めましたが、それ以上に「あれ、自分、意外とやれてる、進めてるんじゃね」という感覚がありました。ものすごい弾幕ではない。ルート選択やボムの使い方を工夫し、稼いでextendを狙えばもっと先に進める。「自分で頑張れている」楽しさがありました。(当時は攻略動画とかあったかなかったか…攻略wikiには大変お世話になりました。)
そうして、本作(MBL)は、筆者が初めて、そして唯一クリアできたケイブ作品になります。初めてクリアできた自機のフォレットには本当に思い入れがあります。MBLは全体的に火力が底上げされているので、脳筋の筆者にもやりやすく、その他の自機でもどんどんクリアできました。ごめんなさいキャスパーだけクリアできていません。レベル999とかできません。峡谷と神殿も無理です。
クリアを支えてくれた要素の一つに、曲の力があります。美しい画面にマッチしている、「ゴシックホラー並木節」。この言葉はサントラのライナーからお借りしました。ゲーセンの騒音の中でも強烈に耳に響いてきました。また、STGとして、岩や大型敵を炙りながら「ウオオ撃ち込んでて楽しいイイイイイ」となる要素があるのも大きな特徴です。
(余談:筆者は女性シューター(レア種)なので、playしていると背後にギャラリーがつくのは昔からよくあるので別に気にしない…のですが、フォレットでplayして最終面あたりに来ると、ギャラリーが増えます。筆者は女性なので、クリア時にあえて「現世界に帰る」を選びます。だって「ジルバラードに残る」エンディングを背後で不特定多数に見られたら恥ずかしいじゃないですか!!!)
サントラについて。オリジナルはオリジナル音源のサントラですが、MBLの、水晶神殿の曲のみ収録されていません。名曲なんだけどなあ。
アレンジは、1曲につき1名のarranger様がご担当されたアレンジ盤。多数のarranger様が参加されています。お気に入りは伊藤賢治様の「燃えるハロウィンタウン」、渡部恭久様の「湖畔の村の騒動」、山田一法様の「彷徨える愛しき魂へ」ですね。
並木学プレミアムアレンジは、xbox360版同梱のアレンジ盤。今ではitunes等で配信で購入できます。
ドラマCD…あの頃のケイブオンラインショップは本当に争奪戦だった…(だからこそ、デスマのオリジナルサントラを購入できた時は本当に嬉しかったですね)1はウィンディア、2はキャスパー、3はフォレットがメインです。4まで出る予定だったらしいので、ずっと待っています。待ってるから…ローザとサキュラのドラマCDも出して…(涙)
曲について。一番有名なのが、「燃えるハロウィンタウン」かと思います。パイプオルガン、ピアノ、そしてサビのギター。サントラももちろんいいんですが、「ゲーセンでplayしながら聞いていてとても印象に残る曲」。昼間の面(街、森、湖畔)の曲は、面のちょっとしたオープニングが終わると曲のイントロも終わるようになっていて、そのように展開が合っている工夫がとても好きです。
ボス曲も、昼と夜の面で微妙に異なります。そして、「昼のボスに夜の曲を当てても合わない」、その逆も然りなのが、曲の力ってすごいなと感じます。個人的には夜ボスのほうが好きです。
走っている列車が魔物に襲われる、高速スクロールの面で流れるのが「湖畔の村の騒動」。煽るようなオケヒットに、こちらも急かされているような気持ちになります。この曲も後半のギターが狂っているようで、でもちゃんと鳴っていて。
他の曲よりすこしスピードを落として、そこで「熱」を感じさせるのが「目覚めた巨獣」。横シューなんですが縦スクロールの面です。稼ぎの重要pointの面なので、「撃ち込んでいて脳汁が出るようなサウンド」に仕上がっています。
「デスマの曲で1曲選べ」と言われたら、筆者は最終面の「冥界城」を上げます。「燃えるハロウィンタウン」が、開幕の、みんなが耳にする、看板になる曲であるとするならば、「冥界城」は「最終面まで来れた人が味わうことのできる、storyの盛り上がる中での曲、最終決戦の曲」です。イントロに合わせて左右の死神を倒す、曲のサビに合わせてパワーアップして敵を炙る、巨大一角獣を炙る…「曲に合わせて操作する、敵を処理する」のが本当に楽しく、盛り上がるんです。サビがピアノ、それからギターなのも、個人的好きポイントですね。あとサビが泣きのポイントも高い。
筆者がこの作品を好きな理由はいろいろありますが、そのひとつに、エンディングの存在があります。父を止めようとするサキュラの表情は、何度見ても涙が出ます。そして…「あなたも信じられるのなら、自分の望む選択をして」。
エンディングは、1キャラにつき2種類あり、playerに「選択」が委ねられます。
クリアした当時は何も思わなかったのですが…
「選択をする」ということ。それは当たり前かもしれないし、日常的な小さな選択、人生の岐路を決める大きな選択、いろいろあるけれど、大切なのは、「自分の選択したことと結果を、自分が認めること、否定しないこと」、そして、「それを認め、否定しない他者が存在すること」ではないかと、最近思います。
サキュラはどの選択肢でも、「そう、それがよく考えた結果なのね。(それがあなたの決断なのね。)」と、それを受け入れ、肯定してくれます。そして、画面の中のエンジェルたち、player characterたちは、どのエンディングでも、選んだ結末を受け入れています。
筆者はこの作品の曲が、そしてこの作品が大好きです。「選ぶ」という行動を通じて、前に進む気持ちになれるから。思えば、「弾幕は苦手だけど、やってみようかな」と100円を入れた「選択」から、始まっていたのかもしれません。
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