カプコン・ゲーム・ミュージック VOL.3
アルファレコード G.M.O.レーベル / 1988年4月25日発売(廃盤)
再販版 ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 2002年8月21日発売(廃盤)
【虎への道】
昔からカプコンが得意としていた「アクション→ノリがいい曲」と「中華」なイメージ。その中でも4面の曲が特にノリが良く好きです。音が弱いけどパーカッション頑張ってる。そして5面は最終面らしく盛り上がりを聴かせてくれます。後半のメロディがいいですね。
【1943】
本アルバムの主役だと思っています。根底に流れる「出撃する哀しみ、離陸する哀しみ」を聴かせてくれます。それでも「戦いの曲」として、まったく手加減せず表現されています。
有名どころは「対空戦A」でしょうか。1面の曲であり、最終面の曲でもあります。(この曲で最終ボスに「健闘ヲ祈ル」が出る演出はとても熱い!!)また、人気が高い(と思われる)のは「対空戦B」ですね。どちらも「戦いの哀しみ、切なさ」の曲です。
亜也虎の曲は、1942以上に「でかいボスがやってきた」という緊迫感を表しています。曲に合わせてレーザーで焼くのがたまらない!
アルバムでは曲順がゲームの進行通りになっていないのですが、「対空戦D」も大空を飛んで、勇ましいけど、どこか哀愁を感じさせる曲です。そこから大飛龍戦への流れはゲームでも曲でも熱い!!燃えます!!
1943の曲は、今でも同人アレンジなどで使われているようですね。埋もれてほしくない名曲だと思います。
【魔界島アレンジ】
「機械的にはやりたくなかった、暖かみが欲しかった」というライナーのコメント通り、(打ち込みですが)暖かく明るく、元気の出るアレンジです。
【ブラックドラゴン】
この作品は特殊な位置づけだと思っています。というのも、BGM1の曲があって、それ以降ステージの曲は全てBGM1のアレンジです(BGM7と8はオリジナル)。それでも「同じ曲ではなく、違う曲として聴かせる」技術がすごい…BGM1の曲の、メロディの裏で鳴ってるチキチキ音がとても不思議。BGM3は別の角度でまた神秘的ですね。それぞれの曲がしっかり個性を発揮しながら「BGM1」をそれぞれのやり方で奏でているのがとても美しいです。こういうゲーム曲の聴かせ方が80年代にすでに実践されていたことに、素直に驚きを感じます。素晴らしいです。
このアルバムを区切りに、カプコンのレーベルはサイトロンに移籍し、また、サウンド面でもゲーム面でもCPシステムに移行します。ここまでの3枚のアルバムは、(まあCPシステムに移行した後も音の弱さはしばらく変わらないままなんですが)音が弱いからそこであきらめるのではなく、与えられた音を、ゲーセンという環境でどうやって聴かせるかという挑戦と工夫がアルバムにたくさん詰まっています。既に廃盤になって久しいですが(そして多少はプレミアが付いているようですが)これからも残り続けてほしいアルバムたちです。
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