Misaki’s Game Music Box vol.47.5 Appendix OSAKA SHION WIND ORCHESTRA ドラゴンクエストコンサート

1年ぶりのブログ更新です…この1年、仕事が激務かつあまりに多忙、そして体調を崩すことが多々あり、1年前から「次のブログ記事はこれにしよう」というのは決まっているのですが、PCに向かう精神的余裕もなく、そして書こうとしても文章にならないまま、1年が過ぎました。
今回のお題であるこのコンサート、実は2024年8月に開催予定でした。ですが公演前日と当日に、台風が直撃。中止からの払い戻しか、それとも延期になるのか、かなりハラハラしましたが、結果として延期になり、先日、公演に行ってまいりました!(当日は今度は雪と路面凍結に見舞われましたが、公演が始まる頃には交通機関も動き、公演は予定通り実施されました。)
今回の演奏のお題は「ドラクエ1、2、3」ということで、筆者のゲーム音楽人生にとってはなくてはならない存在であり、原点でもあります。行くしかないだろ。現時点で、ドラクエ3のリメイク版が発売されており、筆者は発売日当日にDL版を購入する気満々だったのですが、発売当時やはり仕事が多忙で、「これ今買っても確実に積むわ(←筆者は積みゲーが多い)」と判断し、まだ購入・playできておりません。リメイク版3をやれていれば、当日の筆者の涙腺崩壊に拍車がかかると思われましたが、やれておりませんので(そして最後にやったのはSFC版の3なので)通常の涙腺崩壊で行こうと、公演に臨みました。

以下画像、当日の演奏曲になります。

まず、聴いて「今までとなんとなく違う」と感じた点があります。筆者がこれまでサントラやコンサートで聴いてきたのは「交響組曲版」であり、今回の演奏は「吹奏楽」でした。ですので、演奏に組み込まれている楽器も異なり、曲のアレンジも、交響組曲版に近いながらも、吹奏楽版として独自のアレンジとなっていました。全体を通して感じたのは、「メインとなる管楽器の暖かみ、やさしさ」です。弦楽器パートが少ないと、このような演奏になるのかと、長年ゲーム音楽を聴いていながらも、また新たな発見がありました。

最初の「序曲」は、もう本当に久しぶりに聴いたのですが…(そして筆者の「序曲」は、ドラクエ2が初だったのですが)「ああ、ここからすべてが始まったんだ」と、懐かしくもあり、しかし古くなく、今も筆者の、そして多くの方々の心に流れている曲なのだと改めて思いました。
「ラダトーム城」は、まず筆者が今回「管楽器の暖かみ」を感じた曲でもあります。もともと原曲が上品で、城の高貴さを表しているのですが、そこに管楽器によるやさしさ、神聖さすらも感じました。
ドラクエ1の演奏曲は「フィナーレ」で終わりでしたが、指揮者様の解説によると、(当日聞きはしましたがうろ覚えです、認識に間違いがありましたら申し訳ありません)「吹奏楽によるドラクエ1のアレンジは、そもそもこの3曲しかない」そうです。

筆者にとっての本日の主役、ドラクエ2。いやもう最初から「遥かなる旅路~広野を行く(アレフガルド)~果てしなき世界」ですよ。もう泣くしかないですよこんなん。
「遥かなる旅路」は、ドラクエ2を初めてやったとき、いったいどこを目指せばいいのかわからず、ローレシアの王子ひとりでマップをさまよい、敵もろくに倒せず全滅してばかり、という思い出が蘇ってきました。ですが、筆者の「旅」は、確かにこの曲から始まったことを思い出しました。
筆者のゲーム音楽人生で絶対に外せない曲が「果てしなき世界」です。この曲がなかったらドラクエを好きになることもなかったし、ゲーム音楽を好きになり、その後何十年も聴き続けるということはなかったでしょう。仲間3人で、広い世界に向かって歩き出していく曲。FC版では、この曲をただずっと聴きたくて、でも歩くと戦闘が始まり曲が切り替わるので、ただただ歩かずにこの曲をずっと聴いていました。永遠に聴いていられる曲でした。それは今も変わりません。今回の演奏の話をすると、交響組曲版もそうですが、1ループ目はやさしく、しかしこれから広がる世界への希望を表すかのような演奏、そして2ループ目はそれに力強さが加わるのが、本当に大好きです。
「ドラクエの塔の曲って、不思議な曲が多いな」と思ったのが、今回の「魔の塔」の演奏。最初に「管楽器の暖かみ」と書きましたが、このあたりから「力強さ」の表現もあり、また、「塔=謎」の表現も伝わり、すぎやまこういち先生の原曲の力はもちろん、演奏者様の表現力に驚きました。
ドラクエ2締めの曲は、エンディング「この道わが旅」。いやもう泣くしかないだろ(2回目)。「旅は終わった。世界は平和になった。それでも人生は続いていく」という曲。筆者はFC版ドラクエ2をクリアしていません。原因:復活の呪文。あとサマルが弱い。(SFC版はクリアしました)それでも、筆者にとっては「初めてplayしたドラクエ」であり、ゲームの世界、ゲーム音楽の世界を「果てしなき世界」としてくれた作品です。演奏を聴いて、「いつかFC版を自力でクリアしてこの曲を聴きたいなあ」と、本当に思いました。
おそらくドラクエ2の演奏中、会場内で一番目から汗を流していたのは筆者だと思います。もちろんタオル(ハンカチなど生ぬるいものでは足りない)は事前に用意しておきました。そしてアイメイクは全て落ちました。

ドラクエ3の演奏を聴いて強く感じたのは、「さっきまで『暖かい』と感じていた、同じ楽器で、『力強さ』を表現している」ことです。「冒険の旅」「戦闘のテーマ」など、本当に同じ楽器なのかという力強さを前面に出しての演奏でした。また、演奏の合間に指揮者様の解説にありましたが、例えばジパングの曲にて使われる和太鼓の代わりに、別の打楽器で「和太鼓っぽい音を出す」など、吹奏楽だから楽器は限られている、だからこその工夫も聴けて、とても興味深かったし、演奏でそういった音を再現できる、演奏者の皆様の技術力をすごいと思いました。
「アレフガルドにて」は、ハープが入っているドラクエ3版が筆者は一番好きです。FC版で原曲を初めて聴いたときの驚きと、地底に新たな世界があり、そこに勇者は初めて行ったはずなのに、「かえってきた」というような印象を受けたことを覚えています。
今回の演奏で一番の力強さの曲は、もちろん「勇者の挑戦」。FC版もSFC版も、ゾーマと戦うときは、毎回気が抜けないし、必死になるし、それはこの曲が背中を押してくれるからだと思います。細かいですが、演奏中、マリンバ?(木琴?)の方の素早い、しかし緊張感を煽る演奏がすごくて、本当にすごいと思いました。
「そして伝説へ」。88年の曲でこんな「今も生きている」曲ってすごいよ…本当に。イントロの「そして伝説が始まった!」が終わった直後の、スタッフロールとともに各地の城や街が出てくる、あの始まり方が当時から大好きで、曲においてもそれは同じで、「伝説が始まるまでにこれまでいろんなことがあった。」と語り掛けるような演奏、そして演奏のラストになるにつれて「これからもこの伝説は続いていく、生きていくんだ」と力強く演奏していき、「To be continued to DRAGON QUEST I」となるあの終わり方…泣くしかないだろ(3回目)。

アンコール曲は、この日の演奏の翌日に「ドラクエ4・5・6」の公演が控えているとのことで、ドラクエ4から「インテルメッツォ」、そして締めは「ドラクエ4version・序曲」でした。ドラクエ4版序曲も、若干phraseが加わっていて、1・2・3の序曲とはまた違った力強さがあり、大好きです。

今回の演奏で知ることが出来たのは、「吹奏楽の演奏の良さ」。交響組曲版とは少し異なるけれども、それでもまた違った良さを堪能することが出来ました。
そして、今回の演奏で、「やっぱり、ドラクエの曲は、人の心を動かす力を持っているんだな」と、本当に感じました。というのも、筆者はリメイク版ドラクエ3を購入していませんが、担当編集Rheud氏から「ピラミッドなのにかえんムカデが2回攻撃してくる」「武闘家は3発でやられる」「FC版・SFC版は最大4体だった敵が、画面内に6体出てくる」など、「今回のリメイクは難易度が高い」という話を聞いており、実は「いやそれ私の知ってるドラクエ3と違うやつや…やるのやめようかな…」と、内心諦め気味だったのです。そして、FC版ドラクエ3には、筆者には全く歯が立たず、RPGで初めて「全滅」を経験させられたボスがいます。やまたのおろちっていうんですけど。(Rheud氏には、やまたのおろちの強さについてだけはネタバレしないでとお願いしていました)筆者はRPGのやり込み・レベル上げが苦手ですが、やまたのおろちに対してだけは、毎回ガルナの塔にてメタルスライムを倒しまくって、賢者レベル20になってから挑むようにしていました。が、その、やまたのおろちもFC版・SFC版以上に強くなっているのか…と、本気で萎えておりました。
ですが、今回の演奏を聴いて、「しょうがねえな、リメイク版ドラクエ3、やるか…」と、思いました。演奏が素晴らしかったことと、なにより、現代によみがえった、今後発売予定のリメイク版ドラクエ2をやりたいと思ったから。2をやるなら3を飛ばすわけにはいきません。内心、「この流れだと、リメイク版ドラクエ2だと、ドラゴン6体とか、ブリザード6体とか、アークデーモン2体3体とかあり得る話だよな…」と、恐れておりますが。

筆者のゲーム音楽の世界を広げてくれたドラクエ123の曲たち。それが40年近く経った今でも演奏され、聴き続けられていること、そして自分の中にも生き続けていること、それを改めて実感できる演奏会でした。楽団の皆様、寒い中、公演にいらして頂き、素晴らしい演奏を聞かせてくださって、本当にありがとうございました。「また吹奏楽でも聴いてみたいな」と思える、素晴らしい演奏会でした!

Misaki’s Game Music Box vol.89 ROCKMANX5

ロックマンX5 サウンドコレクション
https://amazon.co.jp/music/player/albums/B07FCPC2Q8?marketplaceId=A1VC38T7YXB528&musicTerritory=JP&ref=dm_sh_8QU89CCJA8awIhIXXhJBEdqNP

X初代から飛んでX5なの…?曲が好きだから。(ゲーム本編は難しすぎて未playです)
X5でシリーズが終わると思っていたんですけどね…そんなことを思わせる、「終末感」が本作のkeyだと思っています。あと、発売当時、ダンスっぽい曲が流行っていたのもあるのか、本作も、ロックというよりテクノっぽい?側面も持っているかと思います。
使用可能キャラがXとゼロ、2人から選べるので、OPステージも2種類曲があります。Xで始めると、「近未来感」「疾走感」という、Xシリーズのサウンドらしさを感じさせるのですが、ゼロで始めると…うーん、終末感。
「CRESCENT GRIZZLY STAGE」は、いわゆる「氷の面」ですが、「冷たい=繊細さ」というより、寒々しさも感じさせながらも、「グリズリー=でかい、力強さ」を前面に押し出した曲です。オケヒットと打楽器の合わせが力強いですね。
筆者のお気に入りその1、「VOLT KRAKEN STAGE」、メロディの良さ、ノリの良さと、バックでギシギシ鳴っているギター(?)が好き。
筆者のお気に入りその2、「TIDAL MAKKOEEN STAGE」は、X2の「BUBLLY CRABLOS STAGE」のアレンジです。本作は、こういう「過去作から持ってきたオマージュ」が多数見られます。ボスとか。本曲はギターのメロディが泣かせます。後半のドラムも良し。
新規キャラ「DYNAMO」のテーマ。何を考えているのかわからない、しかし暴れると止まらない「じゃじゃ馬」な感じが曲に表れている、ノリノリの曲です。Xシリーズらしいロックですね。
「BOSS」は、Xシリーズらしくない、ロックではない、激しくない静かめのテクノ調の曲。なのになんでだろう、これが「合っている」と思えるから本当に曲の力は大きいなあと思います。
筆者のお気に入りNo.1は「ZERO STAGE 1」。初聴き以来一番好きな曲です。このけだるさ、終末感!!!!!泣ける要素もあり!!!!!どことなく、X初代のシグマステージ1面を思わせます。
そして、本作、シリーズ中でも屈指の人気曲が「X vs ZERO」。かっこいい曲なんですが、やっぱり終末感…「なぜ戦わなければならないのか」という本作のテーマを曲が表しています。メロディのかっこよさももちろん、バックギターとオケヒもかっこいい。
そして、本作で一番異彩を放っているのが、最終面の曲「ZERO STAGE 2」です。(この曲も筆者のお気に入り)なんでロックマンXでこのダンス曲…?と当時は思ったんですが、不思議と合っているから本当に不思議。サビのギターメロディは泣かせる、かっこいい、ずるい、良い。
久しぶりに本作のサントラを聴いたら「やっぱええやん」と思ったので、2023年の最後に書くことにしました。Xシリーズは、根底である「かっこよさ、ノリの良さ」を貫いている一方で、作曲者の趣味、好きな曲風が表れていると思うんですが、それが顕著であり、そして良い意味で表れているのが、X5だと思っています。

Misaki’s Game Music Box vol.88 カプコン・ゲーム・ミュージック VOL. 3

カプコン・ゲーム・ミュージック VOL.3
アルファレコード G.M.O.レーベル / 1988年4月25日発売(廃盤)
再販版 ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 2002年8月21日発売(廃盤)

【虎への道】
昔からカプコンが得意としていた「アクション→ノリがいい曲」と「中華」なイメージ。その中でも4面の曲が特にノリが良く好きです。音が弱いけどパーカッション頑張ってる。そして5面は最終面らしく盛り上がりを聴かせてくれます。後半のメロディがいいですね。

【1943】
本アルバムの主役だと思っています。根底に流れる「出撃する哀しみ、離陸する哀しみ」を聴かせてくれます。それでも「戦いの曲」として、まったく手加減せず表現されています。
有名どころは「対空戦A」でしょうか。1面の曲であり、最終面の曲でもあります。(この曲で最終ボスに「健闘ヲ祈ル」が出る演出はとても熱い!!)また、人気が高い(と思われる)のは「対空戦B」ですね。どちらも「戦いの哀しみ、切なさ」の曲です。
亜也虎の曲は、1942以上に「でかいボスがやってきた」という緊迫感を表しています。曲に合わせてレーザーで焼くのがたまらない!
アルバムでは曲順がゲームの進行通りになっていないのですが、「対空戦D」も大空を飛んで、勇ましいけど、どこか哀愁を感じさせる曲です。そこから大飛龍戦への流れはゲームでも曲でも熱い!!燃えます!!
1943の曲は、今でも同人アレンジなどで使われているようですね。埋もれてほしくない名曲だと思います。

【魔界島アレンジ】
「機械的にはやりたくなかった、暖かみが欲しかった」というライナーのコメント通り、(打ち込みですが)暖かく明るく、元気の出るアレンジです。

【ブラックドラゴン】
この作品は特殊な位置づけだと思っています。というのも、BGM1の曲があって、それ以降ステージの曲は全てBGM1のアレンジです(BGM7と8はオリジナル)。それでも「同じ曲ではなく、違う曲として聴かせる」技術がすごい…BGM1の曲の、メロディの裏で鳴ってるチキチキ音がとても不思議。BGM3は別の角度でまた神秘的ですね。それぞれの曲がしっかり個性を発揮しながら「BGM1」をそれぞれのやり方で奏でているのがとても美しいです。こういうゲーム曲の聴かせ方が80年代にすでに実践されていたことに、素直に驚きを感じます。素晴らしいです。

このアルバムを区切りに、カプコンのレーベルはサイトロンに移籍し、また、サウンド面でもゲーム面でもCPシステムに移行します。ここまでの3枚のアルバムは、(まあCPシステムに移行した後も音の弱さはしばらく変わらないままなんですが)音が弱いからそこであきらめるのではなく、与えられた音を、ゲーセンという環境でどうやって聴かせるかという挑戦と工夫がアルバムにたくさん詰まっています。既に廃盤になって久しいですが(そして多少はプレミアが付いているようですが)これからも残り続けてほしいアルバムたちです。

Misaki’s Game Music Box vol.87 カプコン・ゲーム・ミュージック VOL. 2

カプコン・ゲーム・ミュージック VOL.2
アルファレコード G.M.O.レーベル / 1988年3月25日発売(廃盤)
再販版 ポニーキャニオンサイトロンレーベル / 2002年7月24日発売(廃盤)

相変わらずの音の弱さで泣きそうになりながらも、「じゃあどうやって聴かせるか」を追求したアルバムです。vol.1より表現の幅も広がっていると思います。

【ストリートファイター】
カプコン得意の「戦いの曲」に、各ステージの「国」のイメージをプラスしたやり方で聴かせてくれます。日本の曲はメロディにどこか和風な感じが表れています。「激」の曲が好きです。ボーナスステージ1はエレキギターとホーンセクション(だと思われる)が重なって、オシャレな印象です。中国ステージも伝わりやすいイメージですね。

【トップシークレット】
作曲は藤田晴美氏。本作収録の作品の中で一番聴きやすい音を出していると思います。全体的にメロディの重なりが美しいです。「最前線」の明るく冒険的なメロディがいいですね。また、「悪魔の塔」も好きです。「最前線」より敵の要塞に踏み込んだという感じが伝わります。音の重なりが緊迫感を出しています。密かに好きなのがランキング曲。いい味を出しています。

【ロックマンアレンジ】
筆者の敬愛する、松前真奈美氏のデビュー作。(アレンジはご本人が担当されたか定かではないですが…)メドレーになっているのがとても初期のロックマンらしいと思います。ちょっと変則的なパーカッションが印象的です。

【ラッシュ&クラッシュ】
作曲は河本圭代氏。「1930年代風→ジャズ」。(ライナーより)そういうわけでスウィング風味の「SHARP SHOOTING」がとてもオシャレ。(1986年の曲でジャズ風!センスがすごい!)ちょっと緊迫感を増した「CHASER」もいいですね。

【サイドアームズ】
森安也子氏のカプコン在籍最後の作品。「戦いの曲」。本アルバム収録の作品の中では一番シリアスだと感じています。緊迫感のある「BATTLE SHIP A」「BATTLE SHIP C」「BIG BATTLE SHIP」が好きです。ステージ曲では4面の何とも言えない神秘的な感じがとてもいいです。3音しか出てないのが逆にすごい!また、8面の後半に向かうにつれての盛り上がりもいいなと思います。

PSGからFM音源に変わって、作曲者たちの当時の工夫とharmonyがたくさん詰まっているアルバムです。

Misaki’s Game Music Box vol.86 カプコン・ゲーム・ミュージック

カプコン・ゲーム・ミュージック
アルファレコード G.M.O.レーベル / 1986年8月25日発売(廃盤)
再販版 ポニーキャニオンサイトロンレーベル / 2002年6月19日発売(廃盤)

(今回のvol.86~88は、このブログを本にした時用の書き下ろし部分として取っていたのですが、
あまりにブログを更新できていないため、今回放流することにします…)

カプコン初のサントラ。当時の「3音しか出せない」制約の中で、では、どのように「聴かせるか」を最大限に工夫したアルバムだと思っています。音は確かに弱いです。ですが、それにも増して、美しいharmonyを聴かせてくれます。
1ループしか入っていなかったり、曲の合間にSEが入っていたりする昔のGMOの仕様ですが、それでも貴重な音源です。

【魔界村】
「平地BGM」は言わずと知れたあのテーマ曲。全編通して、ピアノで弾けそうな感じのharmonyが不気味であり恐ろしく、同時に美しいです。「洞窟BGM」も好き。そして、このアルバム全体に言えることなのですが、ネームレジストが本当にきれい…恐るべき完成度です。。特に2位以下のほうが好きです。
アレンジ1曲入り。打ち込みでノリのいい魔界が聴けます。ピアノがいいですね。

【ソンソン】
河本圭代氏デビュー曲。「メインBGM」は、しっかりとしたメロディで、中国っぽい、そしてコミカルな曲を聴かせてくれます。音遣いがかわいらしいです。

【1942】
「ガッ」「ピー」で構成された曲(曲なのか?)。そんな中で、「亜也虎BGM」は、巨大な敵に対峙する不気味さが描かれています。やはりネームレジストが名曲です。

【ひげ丸】
こちらもかわいらしい音遣い。「Deck BGM」はゲームに飽きさせない曲だと思います。やはりネームレジストが略。

【闘いの挽歌】
かわいくコミカルな曲が多い中でのシリアス系。1面と2面が好き。30年前の曲ですが、既にメロディはしっかりしています。また、低音とノイズだけで構成された「剣王BGM」は不気味で、最強の敵を描いています。やはりネームレジストが略。2位以下ネームレジストが好きです。

【戦場の狼】
「BGM1」「BGM2」は、カプコン得意の「戦いの曲」。「戦いながら前に進んでいく」というゲーム性が表れています。やはりネームレジストが略。
アレンジ1曲入り。当時はこのアレンジの音で聴けるのは嬉しかっただろうなあと推測します。

【ガン・スモーク】
こちらも戦いの曲ですね。西部劇風のゲームを表した曲が多い中、ちょっと異色の3ボスBGMが好きです。

【エグゼドエグゼス】
不思議な曲…それでもメロディはしっかりしています。やはりネームレジストが略。音遣いが巧いとしか言いようがないです。

【セクションZ】
どこか哀愁、神秘性のある曲たち。1面BGMは低音が効いています。そしてメロディがオシャレな3面BGMが好きです。やはりネームレジストが略。美しく優しいネームレジストです。

そう、闘いだったり、かわいかったり、様々なゲームの曲が収録されていますが、根底に在るのは「美しさ」ではないかと、改めて感じました。
当時の作曲者様たちの工夫が存分に詰まったアルバムです。

Misaki’s Game Music Box vol.29.5 Appendix ボーダーブレイク 全曲総選挙

Appendix ボーダーブレイク 全曲総選挙

2023年5月15日。ボーダーブレイクPS4版公式から、「2023/9/9、ボダ14周年の日に、サービス終了する」という告知がなされました。アケもPS4版もとうに引退していた筆者ですが、(PS4版は、タッチパネルでプラントリスポンできない、榴弾が撃てない、チャットが撃てないという仕様にどうしても慣れることができませんでした)やはり長年playしたゲームが終焉を迎えるというのは寂しいもの。そして、マップ追加やverupでこれまでたくさんの新曲が聴けて、わくわくしていたのに、新曲ももうボダには来ないということになります。
そのときの、担当編集Rheud氏との筆者の会話です。
Misaki「今、アケもPS4も全部含めたベスト曲を1曲選ぶとすれば、どれを選びますか?自分はやっぱりデネブラGRFかなあ」
Rheud氏「モードとしては苦手だったけど、スクランブルのExtreme piratesかなあ」
Misaki(いつも通りただの思い付きと興味本位で、何も考えていない発言です)「今、アケもPS4も全曲含めた総選挙とかやってみたいですね。私は引退しているので、もうやりませんが。」
Rheud氏「(Dio様の画像を投げて)関係ない、行け」

…Rheud氏に背中を押してもらい、その日のうちにFormsで全179曲の回答ページを作った自分でした。仕事速いんです。

「今、また総選挙やってみたい」と発言したのには理由があります。筆者は2014年に、アーケード版1.0~4.0、ホープサイドまでの曲を対象に、同じように投票を主催して実施し、人気曲の順位を出したことがあるのです。当時はTwitter内に投票機能がなく、外部サイトの「Twitter選挙」というものを使ってやりました。1Twitterアカウントにつき1票限り。以下、当時のデータです。(投票結果については、当時ニコニコに動画を投稿しましたが、現在は削除しています)

【2014/05/14~2014/05/28実施
対象曲:1.0~4.0 メニュー、マップ、リザルト、OP等89曲
投票数:149】

1位 弩(いしゆみ)(デネブラGRF)18票
2位 叢濃(むらご)(ロンシャGRF陣営)14票
3位 Last Brave ~ go to zero(1.0&1.5 OP)13票
4位 Eradication(ユニオンバトル、優勢)10票
5位 優曇華(うどんげ)(3.0以降マップ GRF優勢)8票
5位 Loose walker(ユニオン、シャウラ登場&戦闘時)8票
7位 火蛾(かが)(第3採掘島GRF)7票
8位 Extreme pirates(スクランブルバトル通常時)6票
9位 Organs(ホープサイドEUST)5票
10位 Curved Dimensions(デネブラEUST)4票
10位 Hum An Air (3.0以降マップ EUST優勢)4票
10位 纏(まとい)(マデルロンドGRF)4票

…で、ホープサイド以降の曲も実装されている今、曲の人気投票をしたらどうなるのか?1.0や1.5の曲はもう14年、13年前の曲になるが、まだ我々ボダ勢の思い出に残っているのだろうか。そして、PS4版の曲は今やったらどのくらい人気なんだろうか?
個人的には、前回投票後に実装された、ネソスEUST、ネソスGRF、マリナセドナGRF、またPS4ではメムノスなどが上位に入るのではないか?(筆者の個人的推しは、マウナエレβなので、それの動向も気になっていました)と考えながら、投票ページを公開し、Twitterから投票を呼びかけました。

今回は、サービス終了直前の投票実施だったのもあり、ひとり1曲の制限を設けず、「複数曲選択可、ただしGoogleアカウント1つにつき投票は1回限り」としました。思い入れのある曲はたくさんあるでしょうから、最後にたくさんの曲に投票してほしいと思ったからです。
そして、筆者は既にボダを完全引退してからかなり長いので、どのくらいの票が集まるか全くの未知数でした。Rheud氏にも協力してもらいましたが、最初はなかなか票が集まりませんでした…が、#BBPS4タグに気づいてくれたボダ勢の皆さんが拡散・いいね・回答くださるようになり、結果、前回投票(2014年)よりたくさんの票を頂くことが出来ました。皆様、本当にありがとうございました!!

それでは、以下、今回結果になります。

【結 果 発 表】
【14年間ありがとう】ボーダーブレイク アーケード版&PS4版 全曲総選挙
実施期間:2023/08/10~2023/09/09 23:59
曲数:1.0~PS4版(アレンジ曲は含まない)179曲(複数選択可)
回答数:173

1位:弩(いしゆみ)(デネブラGRF/β)99票
2位:叢濃(むらご)(ロンシャGRF/β)96票
3位:STAIRWAY TO GENERATION (X以降OP)95票
4位:Catch The Future (3.0~3.5 OP)93票
5位:Eradication (AC版ユニオンバトル 優勢)81票
6位:Extreme pirates (スクランブルバトル通常時)77票
7位:Amazing Trees(PS4版OP)74票
8位:Last Brave ~ go to zero (ver1.0&1.5OP)72票
9位:優曇華(うどんげ) (AC版3.0以降マップ バトル終盤GRF優勢)70票
10位:Distorted Prospect (エイオースEUST/α)66票
11位:滅紫(けしむらさき) (エイオースGRF/β)61票
12位:火蛾(かが) (第3採掘島GRF/β)60票
12位:Loose walker(AC版ユニオンバトル アルド・シャウラ出現)60票
14位:颪(おろし) (マリナセドナGRF/β)58票
15位:Crystal Works(メムノス α)56票
16位:琅玕(ろうかん) (メムノスβ)54票
17位:Organs (ホープサイドEUST / α)53票
18位:AirBurst (2.0~2.7 OP)50票
19位:Bless you (AC版ユニオンバトル アルド・シャウラ機能停止)47票
19位:Brutal Walker (AC版ユニオンバトル EX BOSSアルド・シャウラ出現)47票
19位:開闢(かいびゃく)(ナローレイβ)47票

【まとめ、全体順位 and version別順位
https://drive.google.com/file/d/1eYki7BQu0eOQ5M34TtpeHFLhGVQTCse2/view?usp=drive_link

(以下、筆者の個人的感想)
1位と2位。知ってた。…のですが、2位のロンシャGRFは実は中盤伸び悩み、7位くらいまで落ちていました。そこからの追い上げがすさまじかったのですが。(3位の勢いも強すぎた、いつ順位が入れ替わるかとハラハラしていました)
3位と4位がここで上位に来るのはかなり意外でした。(マップ曲のほうが強いのかなと予想していました)OPかっこいいですしね!
OP曲が強い一方で、PS4版では流れないにも関わらず、強さを見せた5位、6位、9位。また、「前回投票時以降の曲」として上位に入った10位11位、そして14位も、皆さんからの思い入れの強さが伝わってきました。
PS4ではメムノス2曲が強かったのですが、中盤までかなり押していたのが、バイオドームの2曲でした。
筆者の予想していなかった曲が上位に入っていたり、また、昔から人気の曲がやはり強かったりして、結果が分かってとても興味深く、楽しかったです。
(PS4版のサービス規約に、「自分でplayした動画なら投稿可」(→筆者は自分でplayした動画の録画データを持っていない、引退していたので)、そして、「私的利用を超える範囲で音声データを流してはならない」との記載があったので、今回は動画にはしていません。)

投票実施のアカウントは近日中に削除するつもりなので、結果をここに残しておくことにします。
投票にご協力くださった皆様、回答・拡散・いいねくださった皆様、そして作るのが大変なExcelの表を全て作ってくださったRheud氏、全ての皆様に感謝いたします。ありがとうございました!!
ボダは2023/9/9にサービスを終えました。ですが、サービス終了後も、ボダ曲が皆さんの思い出と心に残っていくことを願っております。

Misaki’s Game Music Box vol.85 グラディウスIV

グラディウス4~復活 オリジナル・ゲーム・サントラ
キングレコード 1999年3月5日発売(廃盤)

初代→「伝説の始まり」「美しいメロディライン」、II→「ロック、フュージョン」、III→「フュージョン、神秘的」、
そしてIVはというと「1周回って、さわやか!」だと思っています。
早々たるナンバリングタイトルだけに、作曲者様はものすごいプレッシャーだったと推測しますが、「グラディウスらしい、でも自分の曲を作ろう」という想いが表現されていると思います。筆者はIVの曲好きです。ちょうどゲームから離れていた時期なので、作品はやったことがありませんが。
筆者が初めてIVの曲に触れたのは「グラディウス アーケードサウンドトラック」でしたが、アレンジが2曲入っている「オリジナル・ゲーム・サントラ」のほうをおすすめします。あと、「GRADIUS ULTIMATE BOX」にもそのアレンジは収録されています。後者は入手しづらいですが。

とにかく空中戦1「APOLLON」が大好きで、それでIVの曲にドハマりしました。どこまでも伸びやかなメロディ。青い空の下で何ループでも聴いていたい…IVをplayして「最初に没入する曲」としては、最高の出だしかと思います。筆者に楽器が弾けたなら、シンセサイザーを気持ち良く弾きたくなる、そんなメロディです。(実際は筆者は一切楽器を弾けないです)
出だしの空中戦が終わって、1面「HYDRA」はグラシリーズらしい曲だなと思います。打楽器ノリノリ。バスとスネアが効いていますね。
どこまでも迫るようなボス曲「TITANS」。同じphraseが少しずつ上がっていくんですが…ずんずんボスに追い詰められるような、緊張感が増していくのを表現しています。
空中戦2「FEITON」、爽やかな中にすこしだけ哀愁が効いているのがgood。「APOLLON」とは違った空中戦を聴かせてくれます。
人気なのは2面「DEMETER」。今回バスとスネアの組み合わせが良いですね。後半のシンセと相まって、ノリノリで聴けます。
メチャクチャ普通で申し訳ないくらい普通なのですが、10面前半「PROMETHEUS」、10面後半「ATHENA」がメチャクチャ好きです。自分はゲーム音楽のメロディが好きな人だと思っていたのですが、実は今回はノリノリのドラムが好きな人だったのか…?「PROMETHEUS」はイントロが終わる時の「タカタカタン」が好き。ハマる。あとオケヒットも効いています。「ATHENA」は前半も好きなんですが、やっぱりサビ以降がノれますね!一緒に歌いたくなります。

アレンジは「ATHENA」と、7面高速ステージの「DUPON」。前者はフュージョン風、コナミらしく。後者はオケヒットを前面に出しています。

グラIIIの項でも書いたんですが、聴いていると、「自分も曲を聴きながら実機で上手くplayしたいなあ」と、本当に感じさせる曲たちです。復活ゲーに抵抗があるので、全く触れていないんですが。ですが、実際にplayされていた皆さんは、playしながらこの曲たちを聴いて、「心地よい!STG楽しい!」と思えたのではないでしょうか。そういう点では、「ゲーム音楽」として素敵な曲たちなのではないかと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.84 グラディウスIII

グラディウスIII/コナミ矩形波倶楽部
キングレコード 1990年2月21日発売(廃盤)

交響詩グラディウスIII
キングレコード 1990年6月5日発売(廃盤)

「あまりに難易度が高い」と、当時某アーケード専門誌で散々目にしていたので、STG初心者だった筆者は、台に近寄りはしても絶対に手を出さなかったのを覚えています。それは今でも続いています。(未playです。そもそも筆者は復活ゲーが絶望的に下手です)
しかし、曲は、当時から constantに聴いています。聴きやすいんです。曲としても、音がいいという意味でも。1989年稼働開始の作品ですが、当時の総力を尽くした音の良さ。アーケードでは、音楽という面で、コナミとタイトーが当時は力の入れ方が違っていたなあと、しみじみ思いだします。筆者は当ブログを書くために他作品の曲を聴いて、考えるのに行き詰まると、グラ3あたりの「何も考えずに聴いていて心地よく聴きやすい」曲に戻ります。

音がいいのも特徴的なんですが、もうひとつ、本作品の曲は、「フゥーッ」という女性の声のようなChorusが印象的です。その神秘的なChorusも曲の一部として成立していて、聴く側の印象に刻み込まれると思います。あとスネア。スネアが心地よい。コナミのスネア好き。

オリジナルサントラはアレンジ3曲入り。コナミらしくフュージョン風味の3面アレンジが好きです。また、3曲目は、タイトルにふさわしく、オーケストラ調でOPの曲を奏でます。
そして、レアでマニアックな?「開発者たちが喋る」ボイスドラマ入り。今、少しだけ自分が今まで聴いてきたサントラを思い浮かべてみましたが、「開発が声優として喋るドラマCDのトラック」は、これくらいしか思い浮かびません…そもそも当時は「開発者が表に出る機会」は限られていたので、このtracksは貴重ではないかと思います。ちょっとした未使用曲2曲も聴けたりします。

「交響詩」は、文字通りオーケストラ版アレンジ。タイトルは「交響詩グラディウスIII」
なんですが、グラ1やグラII、沙羅曼蛇の曲も編曲されています。

どれが好きかと言われると全部好きなんですが…前述のChorusで始まる空中戦1「Departure for Space」。当時、リアルタイムでこの作品をplayされた方は、この曲からグラ3という扉を開けて、本当にわくわくしただろうなあと伝わる、「始まり」の曲です。
そこから1面「Sand Storm」に繋がっていくとか完璧な始まり方かよ…メロディにChorusが重なるのが本当に心地よく美しい。オケヒットも盛り上がり気持ちいいです。
人気と思われるのは3面「In the Wind」。Aメロ後半で、ベースが半音?上がるのがメチャクチャ好き。聴いていて嫌味がない曲。
オケヒットがノリノリな空中戦2「Try to Star」。オケヒットとリズムがノリノリで好き。
マイナーかもしれませんが、当時から筆者の個人的推し曲は6面「Dead End Cell」です。メロディかっこよすぎだろ!!!最近になるまで、グラ1の作曲者様である、東野美紀さまがこの曲の作曲ご担当だと知りませんでした…グラシリーズのベストアルバム的な「グラディウス アーケードサウンドトラック」には、この曲のアレンジが収録されています。
(今回グラ3を取り扱うにあたり、「グラシリーズ1~4が収録されているこの『アーケードサウンドトラック』を紹介するか否か」で結構悩んだのですが、「いやいやグラディウスを4つまとめて一つの記事に書いたらすごい長さになるだろ」と思い、グラ3から書くことにしました…「アーケードサウンドトラック」は、1から4まで入っていてお得なんですが、曲の収録順と、各曲1.5ループしか収録されていないのが個人的によくわからないです)
熱い7面「Fire Scramble」。熱い。このへんから、単に「さわやか」なだけでなく、「謎、神秘」に向かっていく曲たち。ギターが熱いんですが、後半のChorusが邪魔していないのがすごい。
「神秘的」は8面「Cosmo Plant」、9面「Crystal Labyrinth」でも続きます。9面曲は特に、トラウマになった(トラウマになるまで聴きまくった)方も多いのではと推察します。曲はすごく良いんですけれどね。
グラシリーズの最終面は、「よーし、最後だ、盛り上がるぞ!」という要素より、「やっとここまで来れた、あと少しだ、よーし頑張るぞ」という感じのほうが強いなあと思います。グラ3の10面前半「Mechanical Base」、Bメロ~サビが好き。オケヒットとChorusがいいですね。

本当に、個人的に復活ゲーが苦手で、大変敷居の高い作品ではあるのですが…曲は本当に好きで、「曲のためにPS2版(3と4のセット)買おうかな」と思うくらいには好きです。思うだけで買わないうちにアケアカでPS4に来てしまいましたが。またいつか、店で、上手い方のplayを拝見したい作品です。

Misaki’s Game Music Box vol.83 デススマイルズ

デススマイルズ オリジナルサウンドトラック
ケイブ 2008年5月26日発売(廃盤)

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA/1059730216
https://mora.jp/package/43000074/TCJPR0000281103/

デススマイルズ アレンジアルバム
ケイブ 2010年5月15日発売(廃盤)

並木学セレクション デススマイルズ プレミアムアレンジ
ケイブ(xbox360版初回限定版にサントラ同梱) 2009年4月23日発売

https://music.apple.com/jp/album/%E4%B8%A6%E6%9C%A8%E5%AD%A6%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8/1290211720
https://mora.jp/package/43000074/TCJPR0000397876/

デススマイルズ ドラマCD 第1章
ケイブ 2009年4月18日発売(廃盤)

デススマイルズ ドラマCD 第2章
ケイブ 2009年8月15日発売(廃盤)

デススマイルズ ドラマCD 第3章
ケイブ 2010年2月20日発売(廃盤)

その昔、某アーケード専門誌(バレバレや)の増刊号の、とあるゲーム音楽の記事にて、これまたとあるメーカーの(ケイブではない、そもそもその記事はケイブ創立以前のものでした)サウンド担当の方が、このように語っていらっしゃったのを記憶しています。
「うちの作品に、他社の音楽を当ててみたことがおありだろうか。見事に合わないのである。」(←うろ覚えですがこのような内容でした)
ゲーム音楽は、そもそも、「その作品のために」「その作品に、画面に合うように」作られるものですが、その中でも、「この作品のためにはこの曲たちしかない」、そして、「この曲は他の作品の画面には絶対に合わないな」という要素が本当に強いのが、本作品のサウンドだなと思っています。
ゴスロリで女子で魔物でファンタジーでSTG。そんな要素を見事にまとめ上げて作曲をご担当されたのは、当時「ベイシスケイプ」に所属されていた、並木学氏です。ガレッガと同じ方がこの曲たちを作ったという事実がすごいなあと思います。あまりに世界観も曲も違いすぎるから。要所要所に入る、上倉紀行氏のギターも、「かわいい世界」だけではない、曲にかっこよさという味を与えています。(最近は上倉氏はスクエニ系のお仕事でお名前を拝見することが多いので、ケイブとデスマに繋がりもあったのだなあと、驚いております)

ここで筆者の話をさせていただきます。筆者はシューターですが、弾幕STGが苦手です。大量の弾に囲まれると、視界が敵弾で埋まって(隙間とか見えない)「あ、無理だわ」と思って諦めて結局避けられなくて自機がやられます。東亜プランのBATSUGUNの4面が抜けられない程度の腕前です。
デススマイルズが稼働していた頃、ケイブは多くの弾幕STGを出していました。そのどれもが、自分には「無理」と思えました。でも、デスマMBLは、何故か「やってみたい」という気持ちになり、100円を投入しました。fantasticな世界観や、かわいらしいキャラクター、美しい画面に惹かれたのかもしれません。
案の定、攻略は困難を極めましたが、それ以上に「あれ、自分、意外とやれてる、進めてるんじゃね」という感覚がありました。ものすごい弾幕ではない。ルート選択やボムの使い方を工夫し、稼いでextendを狙えばもっと先に進める。「自分で頑張れている」楽しさがありました。(当時は攻略動画とかあったかなかったか…攻略wikiには大変お世話になりました。)
そうして、本作(MBL)は、筆者が初めて、そして唯一クリアできたケイブ作品になります。初めてクリアできた自機のフォレットには本当に思い入れがあります。MBLは全体的に火力が底上げされているので、脳筋の筆者にもやりやすく、その他の自機でもどんどんクリアできました。ごめんなさいキャスパーだけクリアできていません。レベル999とかできません。峡谷と神殿も無理です。
クリアを支えてくれた要素の一つに、曲の力があります。美しい画面にマッチしている、「ゴシックホラー並木節」。この言葉はサントラのライナーからお借りしました。ゲーセンの騒音の中でも強烈に耳に響いてきました。また、STGとして、岩や大型敵を炙りながら「ウオオ撃ち込んでて楽しいイイイイイ」となる要素があるのも大きな特徴です。

(余談:筆者は女性シューター(レア種)なので、playしていると背後にギャラリーがつくのは昔からよくあるので別に気にしない…のですが、フォレットでplayして最終面あたりに来ると、ギャラリーが増えます。筆者は女性なので、クリア時にあえて「現世界に帰る」を選びます。だって「ジルバラードに残る」エンディングを背後で不特定多数に見られたら恥ずかしいじゃないですか!!!)

サントラについて。オリジナルはオリジナル音源のサントラですが、MBLの、水晶神殿の曲のみ収録されていません。名曲なんだけどなあ。
アレンジは、1曲につき1名のarranger様がご担当されたアレンジ盤。多数のarranger様が参加されています。お気に入りは伊藤賢治様の「燃えるハロウィンタウン」、渡部恭久様の「湖畔の村の騒動」、山田一法様の「彷徨える愛しき魂へ」ですね。
並木学プレミアムアレンジは、xbox360版同梱のアレンジ盤。今ではitunes等で配信で購入できます。
ドラマCD…あの頃のケイブオンラインショップは本当に争奪戦だった…(だからこそ、デスマのオリジナルサントラを購入できた時は本当に嬉しかったですね)1はウィンディア、2はキャスパー、3はフォレットがメインです。4まで出る予定だったらしいので、ずっと待っています。待ってるから…ローザとサキュラのドラマCDも出して…(涙)

曲について。一番有名なのが、「燃えるハロウィンタウン」かと思います。パイプオルガン、ピアノ、そしてサビのギター。サントラももちろんいいんですが、「ゲーセンでplayしながら聞いていてとても印象に残る曲」。昼間の面(街、森、湖畔)の曲は、面のちょっとしたオープニングが終わると曲のイントロも終わるようになっていて、そのように展開が合っている工夫がとても好きです。
ボス曲も、昼と夜の面で微妙に異なります。そして、「昼のボスに夜の曲を当てても合わない」、その逆も然りなのが、曲の力ってすごいなと感じます。個人的には夜ボスのほうが好きです。
走っている列車が魔物に襲われる、高速スクロールの面で流れるのが「湖畔の村の騒動」。煽るようなオケヒットに、こちらも急かされているような気持ちになります。この曲も後半のギターが狂っているようで、でもちゃんと鳴っていて。
他の曲よりすこしスピードを落として、そこで「熱」を感じさせるのが「目覚めた巨獣」。横シューなんですが縦スクロールの面です。稼ぎの重要pointの面なので、「撃ち込んでいて脳汁が出るようなサウンド」に仕上がっています。
「デスマの曲で1曲選べ」と言われたら、筆者は最終面の「冥界城」を上げます。「燃えるハロウィンタウン」が、開幕の、みんなが耳にする、看板になる曲であるとするならば、「冥界城」は「最終面まで来れた人が味わうことのできる、storyの盛り上がる中での曲、最終決戦の曲」です。イントロに合わせて左右の死神を倒す、曲のサビに合わせてパワーアップして敵を炙る、巨大一角獣を炙る…「曲に合わせて操作する、敵を処理する」のが本当に楽しく、盛り上がるんです。サビがピアノ、それからギターなのも、個人的好きポイントですね。あとサビが泣きのポイントも高い。

筆者がこの作品を好きな理由はいろいろありますが、そのひとつに、エンディングの存在があります。父を止めようとするサキュラの表情は、何度見ても涙が出ます。そして…「あなたも信じられるのなら、自分の望む選択をして」。
エンディングは、1キャラにつき2種類あり、playerに「選択」が委ねられます。
クリアした当時は何も思わなかったのですが…
「選択をする」ということ。それは当たり前かもしれないし、日常的な小さな選択、人生の岐路を決める大きな選択、いろいろあるけれど、大切なのは、「自分の選択したことと結果を、自分が認めること、否定しないこと」、そして、「それを認め、否定しない他者が存在すること」ではないかと、最近思います。
サキュラはどの選択肢でも、「そう、それがよく考えた結果なのね。(それがあなたの決断なのね。)」と、それを受け入れ、肯定してくれます。そして、画面の中のエンジェルたち、player characterたちは、どのエンディングでも、選んだ結末を受け入れています。
筆者はこの作品の曲が、そしてこの作品が大好きです。「選ぶ」という行動を通じて、前に進む気持ちになれるから。思えば、「弾幕は苦手だけど、やってみようかな」と100円を入れた「選択」から、始まっていたのかもしれません。

Contents of POP BOX (もくじ)

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