Misaki’s Game Music Box vol.4 旋光の輪舞

旋光の輪舞 -Sound Tracks-
SuperSweep / 2005年9月17日発売

自己解釈では、テーマは「世界」かなと。
センコロという、広くて大きな「世界」の中に、各キャラそれぞれの「世界」が色濃く存在していて、
そして、各キャラの「外から見た世界」がphase1で、「内側から見た世界」がphase2なのかな、と。
個性はあるのに非常に抽象的な曲たちで、「これって一体何のジャンルの曲なんだろう…」と聴きながら考えて、センコロDuoのサントラの帯に「ジャンル渡部」との言葉が。納得。
いい意味で、言語化するのに時間がかかる曲たちでした。Duoに関してはまた後日書きます。

【ミカ】主役なだけあって一番「主張してないようで存在している(←褒めてます)」曲のassemble。とても従順な曲。
それに対し、phase2のcharge!は、イントロが終わってものすごく速くて抽象的なAメロがあるんですが、「は?マジで色々ありえないんだけど(キレ)」というミカの内なる反抗が表れていると思います。
【チャンポ】筆者の、曲のお気に入り。元気系熱血娘、でもチャラチャラしてないし浮いていない曲。サビ以降、チャンポがくるくる回って踊っているかのようなNorth Star、そして内から力を放っている(メロディが好き)Crossshine。
【ツィーラン】Lucky Charmのしょっぱなからメロディのシンセの音が、「生」を表していると思うのですが、それに対して後ろで鳴っている機械的なパーカッションやスネアが「人工的、でも生きている」ってことかなと。
ツキノロンドも綺麗な曲ですね。ゲーム音楽で3拍子、たまにありますが、曲として「立たせる」のは難しいだろうなと思っています。ツィーランの、「もう傷つかなくていい優しい世界で、ずっと踊っていたい」という想いの曲だと感じています。
【ファビアン】phase1、Inner Fireは、表に出した反抗を描いた曲かなと。中から外へと燃える心を表す曲。
それに対してphase2は、内に秘めている思い、ミカへの複雑な感情だったり、リリへの思いだったりを表しているのかなと思います。ギターフレーズが印象的ですね。
【リリ】「恋する乙女の曲」。phase1は表から見たリリのいう女性の「お嬢様」「おとなしい」的な面を描いているのかなと。すごく夢のようなやさしい曲ですね。(褒めてます)
phase2は人格が分裂してしまった面、激しさを表していると思っています。
【櫻子】筆者の、曲のお気に入りその2。「女性性」を強く表す2曲。phase1、Remember first rendez-vous、女性的ではあると同時に、繊細な想いを抱え、自分の足と意思で生きているという主張をしています。
Grey Lipsは本当にいい曲ですね。やはり女性的と同時に、とてもゲームミュージックしている曲です。ピアノのキラキラ美しい感じがとても素敵。作曲者様のコメントで、「櫻子だけ、phase2が過去に遡っている」とありますが、「過去に対するどうしてという思い、悲しみ、それでも生きていく」という曲だと思います。
【カレル】すいませんこのお兄さんの2曲が一番普通の曲で、だからこそ一番難解だと思います。どういう背景のキャラなのかも、詳細は理解しておりません。(資料が少ない…)phase1は、外見的で、slenderでかっこいいお兄さんの曲!管楽器がいい仕事をしています。
phase2もかっこいい曲なのですが、曲タイトル通り、どこまでもBrave(勇敢、恐れをなさない)に生きるという姿勢の曲なのでしょうか。メロディがとてもオシャレです。
【ペルナ】phase1は表から見たペルナ、かわいい、能天気、明るい、元気な曲。
でも本当は…?という面を表しているのがphase2。オープニングの優しいイントロから、曲中に複数のvoiceが入り乱れます。それから後半にかけて、ずっと「私は誰?」と問いかけているように聞こえます。

旋光の輪舞 -Carpe Diem – sound tracks vol.2
SuperSweep / 2007年3月22日発売

https://sweeprecord.shop-pro.jp/?pid=3210598

xbox移植時の追加曲を収録したアルバム。
導入が美しい1曲目Link。前アルバム(前作、アーケード版)と、本アルバムを「繋げて」くれています。
筆者のお気に入りはTrack7のMy delightful spec.。戦闘というより日常に沿った曲なのでしょうか。また、この曲のphraseがDuoのチャンポ曲にも使われているのが印象に残っています。
強烈なのはTrack8。「わかんねー!!」ファビアンvsペルナ専用曲だそうです。どっちも人の話を聞かない、どっちも引かない!というのが表れています。
お気に入りその2、Track19のYou and I。筆者はファビアンが好きなのですが、彼というキャラを好きになったのは、この曲と、Duoのファビアン曲が好きだからです。ミカに対する様々な感情を「やり過ごす」のではなく、ぶつけていく曲。
印象的なTrack21、Carpe Diem。優しく包み込むような終わり方が素晴らしいです。

Misaki’s Game Music Box vol.3 METAL BLACK

メタルブラック
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1992年1月21日発売(廃盤)

聴きながら真面目に考えて、テーマは「生と終末、無」「0から1へ、1から0へ」ということかなあと。
「これから始まる」という感じのOP曲、Red & Yellow。
そして、1面Born to be free。砂漠という無になった太平洋。そこから、なんという穏やかで優しい始まりなのでしょうか。「始まり」は「自由になるための生」。
1面ボーナスステージDancing Homing、曲のタイミングに合わせて踊るホーミングと敵撃墜の演出が入るのが大好きです。
人気の高い2面Dual Moon、印象的な3面AREA 26-10(筆者、密かに気に入っている曲。)3面の面タイトルはDREAM LAND(夢の島)、3面ボーナスステージの曲タイトルはnon fiction。(3面ボーナスステージもやはり曲に合わせて進行するのがいいですね。撃墜タイミングが難しい!)これは夢か?いや、現実(ノンフィクション)であると伝える曲。
一番好きなのは4面Waste days。初めて聴いたときは、STGとしての「世界」は確かにそこにあるのに、あまりに静かに佇む曲に、何度も聞き入りました。(筆者にとっては、この曲は「恋をして相手を想っているときの心理状態の曲」。異論は認めます。)
「無駄だった日々」…ここまでの過程が?地球が?この戦いが?その結果がこの静かな曲だとしたら、生は確実に終末に向かっているのではないか?
その結論が、最終面Time。静かなイントロが終わり、Aメロが始まると「やっとここまで来れた」と、迎えてくれる曲です。
確かに進んできた、おぞましいボスたちを無に還してきた、そしてplayerを包む曲。自由になるために生まれて、そこから成長する曲ではないと思います。「終末に還る曲」だと筆者は思っています。

エンディングのmessage。
Was its phantasm the last attacking or its last moments. And was this for real or was I dreaming. Nobody knows yet.
(敵の幻は、最後の攻撃だったのか、敵の最後の瞬間だったのか。これは現実だったのか、それとも俺は夢を見ていたのか。誰にもわからない。)
ノンフィクションとしてここまで来たはずの戦いは幻だったのか、夢だったのか。
生まれ、戦い、そして、無に還る…そんな曲たちだと解釈しております。

余談:自分、クリアできないんですよ、これ。いつもラスボス止まりで負けてBad Ending。
地球側が敵に総攻撃を仕掛け、Bad Endingの曲が流れる…いつも本当に後味が悪いです。(苦笑)

METAL BLACK -The First-
ZUNTATA RECORDS /1997年6月21日発売
(CD版は廃盤)
https://music.apple.com/jp/album/331541368

作曲者様ご自身によるアレンジ盤。購入した当時は、「全曲、原曲から割と離れたアレンジだなあ」と思っておりました。でも今はしみじみ好きな1枚です。テーマはやはり、タイトルの通り「始まり」「0から1へ」かなあ、と。
最初のExposeで、とても穏やかな「始まり」を感じさせます。始まった先はBorn to be free。穏やかなアレンジのまま、アルバムが紡がれていきます。(曲の終わり方がすごく好き)。割と原曲に近いのは2面ですね。
印象に残っているのは、Dawn。戦闘の音を背景に、ホーミングのロック音、発射音、爆発音、そして、おそらく地球側の「拍手」。「破壊を喜んでいる存在がいる」、それだけで、何のための戦いなのかと考えさせられる演出です。
そしてWaste days。まさかの歌モノ。何語で歌っているのかわかりませんが(少なくとも英語ではない)とてもとても静かに歌い上げています。
ピアノが美しく印象的なGame is over、メタルブラックには珍しいギター中心の(ロックではないです)5面Doubtと続き、
最終面Time…オリジナル版は「穏やかな終末」を感じさせる曲でしたが、こちらのアレンジは”First”、「始まり」だと思っています。ゆっくりとしたリズムで紡がれていく「時」が、とても心地良いです。

[GUN FRONRTIER / METAL BLACK / DINO REX]
Sound Tracks for Digital Generation -GameMusic Discovery Series-
SuperSweep / 2012年12月21日発売

https://sweeprecord.biz/?pid=52064482

ガンフロンティア、ダイノレックスも入っている盤ですが、この項ではメタルブラックに関してのみ記述します。
オリジナル曲に追加して、新規アレンジが1曲入っていますが、ひじょ~に、解釈が難しい1曲です。
作曲者の渡部恭久氏は、「ネメシスサイドでの視点で今回の楽曲を紡んでみた。」と仰っています(ライナーより抜粋)。
いつもの「静かな」とか「安らかな」アレンジではありません。導入はドンドコとパーカッションが鳴って、いかにも「敵が攻めてきたぞー」という感じ。
それから緊迫感は高まっていき、いつの間にかBorn to be freeにメドレーしていくのですが、
なんというか…「敵(ネメシス)の側にも言い分と大義はあったんじゃないか?」と思わせられる、そんなアレンジです。
どちらが「正しかった」のか、結論は出ないまま曲は終わります。

Misaki’s Game Music Box vol.2 Grid Seeker

グリッドシーカー
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年7月21日発売(廃盤)

https://music.apple.com/jp/album/grid-seeker-original-sound/543533299
↑itunes版は、「タイトーレトロゲームミュージックコレクション1シューティングクラスタ」収録音源と同じ。サイトロン版よりギター音がクリアになっています。

テーマは「What is the definition of “justice”?」(正義の定義とは何ぞや?)だと思っています。
どこまでも透明な1面曲Grid Seeker。シンセのイントロは、これから始まる戦いが悲しく美しく、それでも「正義のため」であると物語っているようです。そして、後ろで鳴っているギターとベース。「正義の裏にあるものはなにか」を同時に語っているように思えます。サビの広がり、そして最高潮でループするのが本当に大好きで、何度も何度も聞き入ってしまいます。
他にもお気に入りなのは3面。ノリがよい、STGらしい曲ですね。眼下に広がる珊瑚礁の海。後述のアレンジ盤のライナーでは、こう述べられています。「この戦闘の後、美しい海は失われてしまうのでしょうか…」
夜景が美しい4面。ピアノとシンセの旋律が彩ります。美しい一方で、戦闘で儚く消えていく命の光。
最も印象的に聞こえるのは5面のSo highです。戦闘が激化するはずの後半面なんですが、ノリがよく明るいのです。なので、筆者にはこう聞こえるのです(以下意訳)。
「ゲームだからほーら楽しいでしょう!爽快!でも!あんたのやってることは!殺戮!destroy!!!!それを楽しくやっていいんですか!?!?!?」
…という哲学に問いかけてくるサントラだと思っています。大好きです。
エンディングのGrid Seeker ~Over There~で聞こえるのは、見えてくるものは、勝利なのか、正義なのか、それとも破壊と殺戮の果ての無なのか、知りたいです。

Grid Seeker The Dictator of Justice
ZUNTATA RECORDS / 1999年4月21日発売
(CD版は廃盤)
https://music.apple.com/jp/album/332169704

透明感が売りだったはずのオリジナルから一転、まさかのギターで攻めるロックアレンジ。
やはり「正義とはなんぞや」というテーマを、強力な音でさらに押し出していると思います。賛否両論分かれると思いますが、筆者は好きです。Grid Seekerのイントロのぐちゃぐちゃした(褒めてる)ギターで一気に心を掴まれます。
正義遂行のはずのSTGなのに、破壊的なサウンド。正義と表裏一体の破壊。最終面のGrid Seeker~Wings of Darkness~では、「敵の立場から見たプレイヤー」「私(作曲者様の、なかやまらいでん氏)の中ではこれがメインテーマ」と語られています。「漆黒の翼」の敵を表すギターと硬いパーカッション。正義、正義ってなんだ。というかもうどっちが悪なんだ。やっていることは同じ「破壊」じゃないか。

オリジナルもアレンジもitunesで試聴できますので、聞いてみて頂ければ幸いです。答えの出ない問いをしてくる曲たちです。もちろんいい意味で。

Misaki’s Game Music Box vol.1 エリア88

エリア88
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1990年1月21日発売(廃盤)

カプコン ミュージック ジェネレーション エリア88 オリジナル・サウンドトラック
カプコン セルピュータレーベル / 2006年9月30日発売(廃盤)

この作品に関しては、サントラが2種類出ています。
まず、サイトロンから発売された1500シリーズ。こちらにはアーケード版のみ収録、アケ5面のアレンジが1曲収録されています。
また、こちらで「1面曲」として収録されているのは実際にはゲームで使用されていない未使用曲で、本来の1面曲は収録されていません。
そして「たのみこむ」で発売された2006年版。INHさんがレコーディングを担当し、アーケード版とSFC版の全曲が収録され(前述の1面曲と未使用曲に関しても正しく収録されています)、アレンジはアーケード2面の曲が1曲収録されています。
(サイトロン版の5面アレンジは、たのみこむ版には収録されていません)
今回の執筆に当たって両方のサントラを聴き比べてみましたが、やはりたのみこむ版のほうが音がクリアになっていて聴きやすくなっていますね。
作曲者様は松前真奈美氏。氏はオリジナルアルバム「Three Movements」のライナー内で、
「自分の代表作にはエリア88やU.S.NAVYといったシューティングゲームがあります、エリア88等作った当時は、トップガンとか映画をよく見て、どんな感じの曲がどういう映像に合うのか研究しました」と仰っています。
映画トップガンのサウンドトラックは、エリア88やネイビー、ストⅡなど、当時のカプコン曲のルーツとなる曲、フレーズをたくさん探し当てることができます。

アーケード版の曲に関して。音の弱さは改善されていないので、メロディとノリの良さで勝負する曲が揃っています。
アレンジにもなった2面や5面の疾走感、コードが半音ずつ上がっていくサビが上昇するスクロールとぴったり合っている7面、
そして最終決戦の切なさ、もう戻れない悲壮感すら表した9面。
筆者がこの作品に挑戦したのは21世紀に入ってからでしたが、どうしてもplayしながらこれらの曲が聴きたくて、それでクリアまで頑張れました。
SFC版の楽曲担当は山口真理氏(ロックマン5作曲者様)。アーケード版からSFC移植にあたってアレンジされた曲と、SFC版用に新規に作曲された曲が入っています。
アケ6面の切ない曲が、SFC最終面で起用される演出がとても好きです。

Introduction


Misakiと申します。
本家のRheud氏から間借りして、ブログを始めさせて頂くことになりました。
当ブログでは、ゲーム音楽サントラに関する語りを展開していこうかと思います。
で、メジャーなゲーム音楽の話題も拾って返せないことはないのですが、
当方はどちらかというと、あまりメジャーでない楽曲に陽の光を浴びさせてやりたいブログになります。
(新旧メジャーマイナー問わず、いろんな作品の曲を取り扱いたいと思っていますが)
ゲーム音楽のほうは、ブログがたまったら、本にするのが夢…!
それまで担当編集(Rheud氏)に見てもらいながら、コツコツ書いていきたいです。
あとは、自分が好きな本をpickupして語る、読書コーナーを作ったり、やっているゲームのお話など語れたらいいなと思っています。
以上が当ブログ「POP BOX」のIntroductionです。

続きまして、自分という人間に関してIntroduction。
https://popbox.blog.jdno.org/2023/05/20/self-introduction/

ゲーム歴=実年齢マイナス7歳。実年齢は妖精です。性別は女性ですがみみずです。
ゲーム音楽歴はどこから指せばいいのか迷いましたが、最初にゲーム音楽を意識したのは8歳。
それから音楽的な専門知識をほぼ持たず、感性のみで曲を聴き続けております。
(ちなみに読書面でも、感性のみで本を読んでおります)
この投稿を書いている時点で、自宅にゲームサントラ614枚(itunesで物理でないものも含む)。
はい…まだまだ精進いたします…
それでは、これからいろんなサントラを取り扱うのを楽しみに、続けていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

P.S. I can read and write English, English comments (not spams) are welcome!
Let’s talk about Game Music, Shumps, or Old Games in English!

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