Misaki’s Game Music Box vol.44 コットン and コットン リブート!

「コットン リブート!」 オリジナルサウンドトラック
BEEP / サクセス 2021年2月25日発売(非売品、ゲームソフト同梱サントラ)

コットン
ポニーキャニオン・サイトロンレーベル 1991年8月21日発売(廃盤)

原曲とリブート版、一緒に語らせて頂きます。
テーマは「終わらない夜」。
魔法少女でSTGで「夜」というと、デススマイルズがあるんですが、あちらは「少女たち」に側面が当たっている一方で、こちらはコットンひとりが直面した(と言っていいのか、あんなノリで)「夜の世界」が側面なのではないかなと思いました。メロディと曲展開がとてもゲーム音楽しています。
原曲は2面が好きです。ゲームはあんなノリなんですが、面が進むにつれて曲がどんどんシリアスになっていくところもいいと思います。(筆者は連付きでやるのですが、連付きだとバリアが出しづらいんだ…)

Rebootは大胆にアレンジしてきたなあというのが感想です。
川田宏行氏の2面と松本大輔氏の4面は原曲重視。他の曲はarrangerの個性を前面に出したアレンジだなあと思いました。WASI303氏の3面はギターがアカとブルーっぽいですね。それもアカブル4面っぽい。6面の並木晃一氏のアレンジもギターバリバリです。
X68000版は原曲に近い作りだと思います。

一通り聴きましたが、平田健一氏の原曲が一番好きです。FM音源の良さが生きていて、聴きやすいと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.43 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス

星のカービィ ウルトラスーパーデラックス オリジナルサウンドトラック
任天堂 非売品(クラブニンテンドーポイント交換品)

SFCのスパデラのサントラ出ないかな~と願っていたら、こっちはサントラが出ていました。やったぜ。全曲収録ではないですが、それでも素晴らしく美味しいボリュームです。
テーマは「デラックス」ということではないかなと。シリーズのいいところ、おいしい部分を詰めた曲たちです。
「はるかぜとともに」で聴けるGreen Greens。メロディに合わせて、ベースラインが上がったり下がったりするのがいいです。
「ボスとの戦い」は緊迫していながらもノリがよく、カービィのボス戦を演出してくれます。パーカッションが熱いですね。
「ピーナツ平野」「キャンディ山」もコミカルで、カービィがちょこちょこと進む速度に合わせて聴けます。どちらもメロディが秀逸です。
オケヒットが印象的な「戦艦ハルバード:甲板」「戦艦ハルバード:艦内」。この曲が好きで好きで(特に前者)。どちらも盛り上がります!(原曲がSFCだったとはとても信じられない…素晴らしすぎて…)
また、違う角度から盛り上げてくれるのがラスボス戦。「16分音符を一つ減らして、4拍子を15/16にするというような実験」(←「ゲーム音楽ディスクガイド2」より引用。)がSFCの時代になされていたという…変拍子なのに「おかしい」と思わせないのがすごいと思います。
「銀河にねがいを:スタッフロール」はメロディが大団円という感じですね。間奏でGreen Greensのフレーズが入るのもいいです。
やっぱりサントラbox出てほしいな~。いい曲たちなので埋もれさせるのはもったいないです。最近スパデラを(switchで)クリアした自分は、ステージの難所や演出を思い出しながら楽しく聴くことができました。もちろん、playしたことのない方も楽しめる名曲だと思います!

Misaki’s Game Music Box vol.42 ファイナルファンタジータクティクス オリジナル・サウンドトラック

ファイナルファンタジータクティクス オリジナル・サウンドトラック
ソニーミュージック 1997年6月21日発売(廃盤)
スクウェア・エニックス 2006年3月24日発売

https://mora.jp/package/43000021/SQEX-10066/
https://music.apple.com/jp/album/final-fantasy-tactics-original-soundtrack/255190011

作曲は崎元仁氏と岩田匡治氏。筆者は本作をスマホ買い切り版で初めてplayして、それからサントラを購入しました。テーマは「宿命」だと思っています。オーケストラサウンドですが、華やかさより、それぞれの登場人物の立場や思いを表す重厚さが印象的です。
サントラを購入するきっかけになったお気に入り曲は「Trisection」。戦いのどうしようもない運命、避けられなさが表されていると思います。人間のボスが出る面で使用されているというのも、とても重いです。
「アタックチーム」は面が始まる前、戦闘準備時に毎回聴いていた、印象深い曲ですね。この時点では「よーし、頑張るぞ!」と思わせてくれるのですが、戦闘が始まると「Unavoidable Battle」「Decisive Battle」など、どの曲も重いという。
「A Chapel」は弦楽器のシンフォニーが印象的な1曲です。曲名の通り、神秘的なイメージを思い起こさせます。
「Apoplexy」は戦いの勇ましさを表していますね。曲に合わせてカーソルを動かすのが楽しかった曲です。
「オヴェリアのテーマ」「オヴェリアの不安」は、彼女の美しさ、優しさの中にも凛とした芯を感じさせます。
ラストバトルの2曲、「Ultema The Nice Body」「Ultema The Perfect Body!」は、重厚さと同時にボスの不気味さ、不可解さを表していると思います。
ディシディアなどで本作のアレンジ曲も聴けるということだったので、そちらも聴いてみたいです!

Misaki’s Game Music Box vol.41 RAIDEN IV original sound tracks -Ultimate of Raiden- x MIKADO remix

RAIDEN IV original sound tracks -Ultimate of Raiden- x MIKADO remix
2021年4月22日発売(非売品、ゲームソフト同梱サントラ)

↑2021年5月13日発売のサントラのみバージョンもあり(限定300枚)

購入→開封→iphoneに落として、翌日から通勤時に流しております。
テーマは「ギター」、そして「爆音」ということかなと。
これだけ様々なartist、arrangerが集まっているのに、アルバムの方向性が多角的にならず、ひとつに定まっている。曲のひとつひとつを繋ぐのが、メインである「ギター」、そして、「爆音で聴いてね」という、制作側の意図ではないかと思います。
アルバムは2枚組で、1枚目は「雷電4」オリジナル音源と、過去のアレンジが入っています。こちらに関しては、アルバム「雷電 The Lightning Strikes Back レトロゲームミュージックコレクションEX」の項で述べさせて頂きます(いつ書くかは筆者にもわからない)。
本アルバムの主役は、MIKADO remix、雷電4各面の楽曲をバンドアレンジした2枚目だと思います。
ガツンと重いベースのイントロで始まる「Lightning Barrett [Fantom iris]」。雷電2の1面、Repeated Tragedyのphraseがチラリと入っているのがいいですね。この曲は販促生放送中にアレンジ・作曲されたそうです。
一切妥協のないギターサウンドを聴かせる「A stormy front [HEAVY METAL RAIDEN]」「Advantageous development [HEAVY METAL RAIDEN]」。とくに後者がむちゃくちゃ好き。(原曲も好き。)
ギター中心と書いていますが、シンセが入って少しフュージョン風味に聴かせるのは、佐藤豪バンドの「Can’t retrace [SATO GO BAND]」「Flap toward the hope [SATO GO BAND]」です。前者はメロディのアンドーさんのEWIがいいです。後者は筆者が本作で一番好きな曲なので、このアレンジで良かったと思わせてくれました。イントロのじんじゃさんシンセが泣けます。(これだけ「男性性」を感じるアルバムで、唯一「女性性」を感じさせるのが、じんじゃさんのシンセだと感じています。もちろん、ご本人は「これが女性です」というおつもりで演奏なさってはいないでしょうけれど。)
「Tragedy flame [COSIO]」は、すごく、COSIOさんです(褒めてる)。それでも曲の締めどころにギターが使われているのが印象的です。
「All or nothing [Fantom iris]」はぱっつんさんのギターとじんじゃさんのシンセが重なっていくのがとてもきれい。そして、「Depression [Fantom iris]」はサビにギターを持ってくるのが憎い!!(褒めてる)すごくかっこいいサビ。
「Tragedy flame [Daisuke Matsumoto[MMDS]]」、今でこそ松本さんは魔法乙女の曲を作っていらっしゃいますが、本職はこういうアレンジとドラムなのではないかと思わせます。熱いです。
「Flap toward the hope [Soshi Hosoi]」は、佐藤豪バンド版とは別の切り口ですが、やはりこちらも良いアレンジでよかったです。打ち込み風ですが、後ろでギターが鳴っているのが印象的ですね。
そして「Go to Blazes [HEAVY METAL RAIDEN]」、ボスとの逃げられない戦いをギター、ベース、ドラムが攻め立てます。逃げ場なしのギターサウンド!!これこそ爆音で聴かなければ!!
筆者はとにかくFlap toward the hopeが好きなので、まずは自力で3面まで進んで曲を聴けるように頑張りたいと思います。オリジナルもいいですが、やはりアレンジを爆音で流してゲームも楽しみたいと思います。

曲目リストまとめ:
https://popbox.blog.jdno.org/2022/03/20/appendix1/

Misaki’s Game Music Box vol.40 電脳戦機バーチャロン(OMG)

電脳戦機バーチャロン(OMG)
東芝EMI 1996年5月29日発売(廃盤)
ウェーブマスター 2007年10月25日発売

記事を書くにあたって振り返ってみると、チャロンシリーズは、1作品につきサントラが複数出ているものばかりだなあと。
原点となった当作品も、サントラが2枚出ています。アーケード稼働当時の東芝EMI盤と、PS2移植時のウェーブマスター盤です。前者にはアレンジが2曲収録。後者には、東芝盤に収録されていたアレンジ、プラス、新規アレンジが2曲、そして未使用曲が入っています。
さて、本作の楽曲のテーマは「始点」 だと思います。シリーズを通じて、作曲者が異なる「とある」を除き、小山健太郎氏作曲のOMG~マーズまで4作品、それぞれが「起」「承」「転」「結」になっていると感じています。
地上面は「色」が印象的、曲にもそれが表れていますね。それから、小山氏が作曲に当たって「つまり、アニソンなんですね」と語っていたそうですが(PS2版OMGライナー参照)、「メロディの力強さ」がシリーズの売りでもあると思います。とても、「ゲーム音楽」です。
シリーズの代名詞でもある「In the Blue Sky」は青空の下、爽やかさとともに、戦闘の中に介在する「希望」「喜び」をうたった曲です。
そこから一転して夕焼けの中、戦闘の一瞬に存在する切なさを描いた曲が、「She’s Lost Control (S.L.C.)」。
Everything Merges with the Nightは濃い宵闇の青の中、視覚に見えている透明性と、闇の中で見えない不透明性を感じさせます。
どの曲にも思い入れが強いんですが、筆者はアファームドの「Earth Light」が一番好きです。個人的には、シリーズ通じて「テムジンとアファームドの曲に外れ無し」だと強く思っています。これぞ男のサウンド、かっこいい!
ライデン曲の「Fade to Black」も、アファームドとは別の切り口でカッコよさを追求した曲ですね。アファームドより「重さ、厚み」のある曲です。
ラスボスの曲は、東芝盤とウェーブマスター盤で音の出し方が違います。(どっちがアーケード実機だったっけ…)具体的にはイントロとBメロ。
そして3種のエンディング。「めでたしめでたし」ではなく、しかしどれもひとつの「結末」を描いた曲。ウェーブマスター盤のライナーで「余韻」だと書かれていますが、曲にもそれが表現されていると思います。
テムジン系はさわやかで明るい、アファームドはかっこよく、ライデンは重く渋くなど、各機体の曲のイメージ作りはすでに確立していた 本作品。シリーズの「すべてのはじまり」だったと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.39 STREET FIGHTER II -G.S.M. CAPCOM 4-

STREET FIGHTER Ⅱ -G.S.M. CAPCOM 4-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1991年3月21日発売(廃盤)

筆者の人生を変えたサントラ。このサントラを皮切りに筆者はアーケードSTGをやり始め、本格的にゲームサントラを集め始め、そして今に至ります。それほど衝撃的な出会いでした。
ストⅡ、U.S.ネイビー、マジックソードのアレンジ&オリジナル収録、ファイナルファイトのアレンジ1曲収録、チキチキボーイズのオリジナル収録。
CPシステムの発売順に記述させて頂きます。

【チキチキボーイズ】
これ…名曲だと当時からずっと思ってるんですが、作品があまりにもマイナーすぎたのでしょうか。作曲者様は1941と同じ方です。ゲーム的にはほとんど共通点がないのですが、曲は1941とやはりドラムやベースなどが似ています。
ファイナルファイトの頃より音が改善されて、チキチキ~マジックソード~ネイビー~ニモ~ストⅡ~ワンダー3あたりのCPS作品はとても聴きやすくなったと思います。曲のテーマは「冒険、そして希望」だと思っています。どの曲も「前を向いて戦おう、前に進もう」という気持ちが描かれている。1面2面3面の流れるようなメロディがとても気持ちいい。後半面のおどろおどろしい曲でも勇敢さを感じます(打楽器の音が良い)。そして、筆者が一番推したいのが、ラスボス後、エンディング~スタッフロール~チキチキボーイズ・メインテーマと流れる構成です。スタッフロールで泣かせて、最後のメインテーマで「希望」を持ってきているのは素晴らしいの一言。埋もれるのは本当に惜しい曲が揃っています!

【マジックソード】
耳に残るゼニーの音。「戦うファンタジー」という、昔のカプコンの王道ジャンルですが、「オーケストラの曲は聞こえにくいので、アクションのイメージをっ優先して作曲した」とライナーに記載されています。ファンタジーアクションでもチキチキが明るい曲調だったのに対し、こちらは戦いの悲壮感、塔の不気味さ、不思議さを表した曲を多く聴くことができます。始まりの面、決意を表す1面。ブラスが良い。塔に入ってからは神秘的な曲の背後で鳴っているベースとドラムがかっこ良い。「竜の塔3」、キラキラしていながらメロディで泣かせてでもアクションだからノリは良くて、とても作曲者様(松前真奈美氏)らしい曲。水のフロアの流れるピアノも良い。「竜の塔5」、ついに来てしまった、だが退かないという勇気の曲。いよいよドラムが盛り上げてくれます。
アレンジは数曲を繋ぎ合わせたメドレーです。途中にSEが入っていたりして、不思議な感じのイメージに仕上がっています。

【U.S.ネイビー】
筆者が主観でしか書けない作品…これの曲と出会ってしまったので、行ったことのないゲームセンターに行き、やったことのないアーケードSTGを始めました。本当に、アレンジにもオリジナルにも、そのかっこよさに心を撃ち抜かれたのです。作品としては地味だし、時間でエネルギーが減るという欠点もあります。それでも筆者はこの作品が、この作品の楽曲が本当に大好きです。
作曲者様はエリア88に引き続き、松前真奈美氏。
オリジナルに関して。エリア88より音が良くなった分、曲の表現もかなり広がっています。エリア88が戦いの切なさを表現していた一方、ネイビーは男の戦いの渋さが表現されています。筆者は1面冒頭のベルの音を聴いてもう完全に惚れていました。8面イントロのベルでも惚れて、当初は8面ばかり擦り切れるくらい聴いていました。戦闘の曲なのに砂漠の面を背景にベルとメロディで泣かせる8面ほんとずるい(褒め言葉)(そしてこの8面が全ステージで一番難しいのがまた泣ける)。また、戦いのカプコンらしく、可愛げなんて1mmたりともない、ギターとメタル系ロックで直球勝負してくる2面、4面、5面、9面。5面のベースがかっこいい。海の面らしく、海風をメロディで物悲しくかっこよく感じさせる3面。そして、イントロのベルと、激しい盛り上がりではなく、静かにしっかりと泣きのメロディで盛り上げる最終面。
あと、全体的に、ギターだけでなく、ブラス系が効いているところもすごく好きです。2ボス、4ボス、7面、最終面。
アレンジに関して。人気の高い最終面曲をギター中心にアレンジ。オリジナルはブラスがいい仕事してたんですが、ギターとシンセの仕事量が増えて、かっこよさが増しています。途中のギターソロ~ピアノソロ~ギターソロの繋ぎがまた泣ける。”The Stratosphere Flight”(成層圏の飛行)の曲名にふさわしい内容に仕上がっています。

【ストリートファイターⅡ】
長く続いているシリーズですが、現在のキャラクターたちを見ても、この作品の曲に気持ちが辿り着くのは本当に不思議だなと思います。そのくらい、今に至るまで、全ての原点であり始まりの曲たちなのだと。ライナーノーツで、作曲者様(下村陽子氏)が「戦いの曲というより、各々のテーマ曲みたいになった」と仰っていますが、テーマ曲でありそれぞれの曲の根底にはしっかり「1対1で戦う」という概念が在ると思います。
アレンジは各キャラのメドレー。最後にリュウのED曲をピアノソロで演奏するのが泣けます。オリジナルはもうどの曲も有名だと思いますが、筆者のお気に入りはガイルとケン、そしてバイソン。ケンの曲のイントロは、エリア88の項で触れた、トップガンサントラに入っている曲に似たフレーズがあるので、ここからヒントが来たのかなあと。そしてラスボスのベガ。「ものすごく激しいラスボスの曲」ではなく、鐘の音で静かにしかししっかりと、「もう後に引けない最後の戦い」を演出しているのが本当に素敵だと思います。
この作品の曲は、今でも様々な別作品でアレンジを聴ける、25年以上経っても曲がずっと生き続けているのは、本当に素晴らしいことだなと思います。これからもずっとたくさんの人の心に届き続けてほしい曲たちです。

【ファイナルファイトアレンジ】
5面BGMのアレンジです。”Lose in Twilight”という曲名から、黄昏のけだるい雰囲気をイメージさせるアレンジ。個人的には日没後を想像しています。原曲から大きく変わってアレンジされているのではないのですが、強く激しいアレンジではなく、管楽器とシンセを中心とした、けだるくもおしゃれな仕上がりになっています。繋ぎのピアノソロが良い…クラリス版ファイナルファイトサントラに収録されていますので、ぜひいろんな方に聴いてほしいアレンジです。

Misaki’s Game Music Box vol.38 Final Fight -G.S.M. CAPCOM 3-

Final Fight -G.S.M. CAPCOM 3-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1990年5月21日発売(廃盤)

こちらのファイナルファイトに関しても、サントラが2種類出ています。
このページではサイトロン版に関して記述させて頂きます。
「ファイナルファイト」「1941」「戦場の狼Ⅱ」「クイズカプコンワールド」「ハテナはてなの大冒険」(以上、全てアーケード版)のオリジナルとアレンジを収録。(カプコンワールドとハテナはてなは2作品で1曲のアレンジ)
CPシステムの3作品(ファイナルファイト、1941、狼Ⅱ)に関して共通事項となるのは「音、特にドラムのサンプリングレートが非常に悪く、曲の良さが伝わりづらい」という残念な事実です。後述のファイナルファイトクラリス版サントラのライナーに「ドラムに限ってはサンプリングして鳴らすことができたが、容量もあるのでレートを落としたり、サンプリングタイムを短くしたりとかしなくてはならなかった、いま改めて聴くと、とても変な音だなと、今からでもサンプリングし直したいです」と記載されているほどです。私的には好きなアルバムなので、そこから曲の良さを拾い上げていきたいです。

【ファイナルファイト】
オリジナルは全編通して漢が戦うロック系の曲だらけなんですが、当アレンジ収録のアレンジが、なんと1面の曲を和風にアレンジしたもので、「戦いを静かに待つ男の曲」という感じで、良アレンジだと思います。笛のメロディからドラムソロで締めるアウトロがものすごく渋くてかっこいい。
オリジナルで有名なのは、ナムコクロスカプコンでも(そして後述のストⅡサントラでも)アレンジされている、5面の曲だと思いますが、個人的に推したいのは3面West Side1(サイトロン版ではBGM5と記載されていますね)と、4面の2曲。3面はメロディとドラムが合っていて淡々と盛り上げてくれます。そして4面はかっこいいの一言。ロレント戦のギターが渋い。最後に、素直に心を打つエンディング曲。演出と相まって泣かせてくれます。

【1941】
アレンジがですね、名曲なんですよ。1面曲を当時のフュージョン風にアレンジしたものですが、爽やかで心が洗われるような良さ。すごく「空を飛んでいる」曲。メロディもいいしノリもいい。本当に今でも気持ちよく聴ける素晴らしいアレンジです。
オリジナルも、作品自体がマイナーですし、音が劣悪だと当時から言われていましたし、賛否両論あると思いますが、筆者はこれの曲好きです。爽やかな空中戦から始まる1面曲、巨大ロケットと数画面に及ぶ戦いをする3面ボス曲(緊張感があって盛り上がります)、夜景の中で終わらない戦いをする4面曲、戦闘が激化する5面曲、そしてラスボスの2曲は激しい曲ではなく、静かなメロディとドラムソロが逆に「指令機を追う」緊張感を高めてくれます。そして泣かせるエンディング。(ファイナルファイトエンディングと作曲者様は同じです)収録されている未使用曲も密かに名曲。今の音源で聴くことができたら…と願いたい曲たちです。

【戦場の狼Ⅱ】
アレンジは1面曲、静かに戦闘を待っているイントロから、管楽器中心のメロディに移り、乾いた風の吹く戦場を表現しています。あと(打ち込みだと思うんですが)ベースかっこいい、ベース。ベースだけ永遠に聞き入っていたいくらい。
アーケード版オリジナル曲に関しては、「戦場の狼&トップシークレット」のページでも後述しますが、暑苦しく男しかいない中、ひたすら戦い、ひたすら前に進み、そんな中でたまに戦場にキラキラした爽やかな風が吹く、という曲たちが好きです。これも1941同様好みは分かれると思いますが。アレンジ同様乾いた戦場を表現した1面、一陣の爽やかな風を表現した2面(他が暑苦しい曲調なのに対し、2面だけ明らかに曲調が切ない系なのもいい)、敵陣に乗り込んでいく最終面。どれもメロディの渋さが際立っています。戦いが終わった後のランキング曲も好きです。

【クイズカプコンワールド&ハテナはてなの大冒険】
アレンジはカプコンワールドとハテナはてなの各マップ曲を順番にメドレーした曲です。このアルバムでは他作品がひたすら戦いの曲なので、明るさや楽しさを添えてくれています。
オリジナルは、正直このアルバムのCPS作品より聴きやすいです(音の良し悪し的な意味で)。開発者様or作曲者様のものと思われるvoiceに時代を感じます(笑)。ひたすら明るい曲たちなんですが、最終面が近づくとそれなりに緊迫した曲になるのも楽しいです。

Misaki’s Game Music Box vol.37 星のカービィ ロボボプラネット オリジナルサウンドトラック

星のカービィ ロボボプラネット オリジナルサウンドトラック
HAL研究所 2016年12月15日発売

筆者は本作品完全に未playで、曲だけ聴いてこの項を記載していることをご了承ください。
テーマは「キカイのせかいのだいぼうけん」だと思います。
この曲がテーマ曲のひとつではないかと思っています。
打ち込み中心で、キカイ的なイメージを出している本作。しかしカービィシリーズの特徴である、メロディの良さは失われていません。
様々な曲の中に、過去作や同じ作品内の違う曲のphraseが使われていて、
アレンジの幅広さを感じさせています。
「回る光はプラネット」からアルバムが始まります。未知なる出会いを思わせる曲、これから始まる冒険の予感をイメージしています。
「桃球発進!ロボボアーマー」は、今回筆者の一番お気に入りの曲、そして、様々な場面でphraseが使われている、テーマ曲の一つでもあると思います。ヒーローものっぽいかっこよさと同時にゲーム音楽らしいメロディの明快さが生きていますね。グィーンと鳴ってるギターがカービィらしくないですが、「だがそれがいい」と思います。
「恋する黄色い☆ぶんぶるルン♪」は、「恋」をイメージしたかわいらしい曲。恋のふわふわしてポップな感じを表現しています。
「空色フライト」はchiptuneっぽさが「キカイ」のイメージ、メロディがカービィらしいですね。
「コンビナート・ラボラトリー」もどこか未知なところがある曲。シリアスな雰囲気です。メロディのピアノがいいですね。
また、「くものうえで」「せんかんハルバード」「スペクタクルスペース」などで過去作のアレンジが聴けるのが嬉しいです。
「シークレットエリア:HAL部屋」、隠し部屋っぽくアンダーグラウンドな雰囲気、スパデラのデデデ戦のアレンジをオシャレにした感じがいいです。
アルバムも終盤に差し掛かって、「この一撃に桃球レボリューション」はかっこよく聴かせてくれます!これもヒーローらしい曲ですね。

作品を未playと書きましたが、アルバムを聴いていて、テーマは「キカイ」と「ココロ」ということなのかなとも思います。だって、本作品のメロディには「ココロ」が詰まっていますから。筆者の3DSはまだ元気なので、ソフトを入手してやってみたい

Misaki’s Game Music Box vol.36 DESTINY 8 SaGa Band Arrangement Album

DESTINY 8 – SaGa Band Arrangement Album –
スクウェア・エニックス 2021年2月17日発売

テーマは「熱」だと思いました。全編バンドサウンドで「熱い」アレンジを聴かせてくれます!所々に、「Thema」「涙を拭いて」が挿入され、しっとりと泣かせる演出もしてくれます。「Thema」の間奏のピアノがまた泣かせてくれます。
GBのSaGa好きとしては、先に挙げた「涙を拭いて」、そして「ステスロス」「必殺の一撃」「怒闘」がアレンジされたのがとても嬉しいですね!特に「必殺の一撃」は大好きな曲なので、これ目当てでアルバムを購入しました。そして、「ステスロス」「必殺の一撃」は、ギターの速弾きがすごい!!それを聴く価値だけでもあるアルバムだと思います。
「怒闘」はとにかく熱いアレンジ、この曲がアルバムに選ばれたのも嬉しいし、曲の構成もかっこいい、サビでギターとシンセが共闘するのがいい、「最上階」のフレーズが間奏で入るアレンジも嬉しいです。ギターはもちろん熱いんですが、ドラムがとにかく熱い!(熱いばっかり連呼してますが本当に熱いです)
Aメロの狂おしいギターがかっこいい「四魔貴族バトル1」、Aメロに入る前のギターとシンセの掛け合いがいい「Battle #4」、そしてすごくイトケン節炸裂している「七英雄バトル」(これも間奏のギター速弾きがすごい)…最後まで熱いので、聴いていると「えっ、もうアルバム終わり???」と思います。推測ですが、絞りに絞り込んで10曲に抑えたアルバムなのでしょうけれど、欲を言えばもう2曲くらい欲しかったですね。
伊藤賢治様、作曲家生活30周年おめでとうございます。これからも素晴らしい楽曲、そして「熱い」楽曲を聞かせていただけるよう、ファンとして楽しみにしております!

Misaki’s Game Music Box vol.35 星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート

星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート
HAL研究所 2017年12月20日発売

Disc1は、カービィ25周年記念コンサートで実際に演奏された、オーケストラアレンジ14曲が収録されています。カービィの曲はゲームで聴くと「ノリの良さ、メロディの良さ」が印象的なのですが、オーケストラでも不思議と心地よく聴けます!アレンジの良さも一役買っていると思います。
夢の泉推しとしては、2曲目の「星のカービィ 夢の泉の物語メドレー」が嬉しいです。始まりのThe Fountain of Dreamから既に泣けます。そして、エンディング曲で締めて、希望へつながる終わり方をしているのがとてもいいです。
また、最近スーパーデラックスを初めてplayしたのですが、原作をやってから改めて聴くとやはりそれぞれの曲への思い入れが深まりますね。3曲目の「デデデ大王&メタナイト・タッグメドレー」、戦艦ハルバードのアレンジが渋く演奏されています。また、「星のカービィ スーパーデラックスメドレー」、タイトル画面の曲でわくわくさせて、グルメレースでドキドキさせて、グリーングリーンズはスパデラバージョン、ラスボス曲(オケで聴くと本当にいい)、どれも捨て所のないメドレーです。
11曲目はロボボプラネットメドレー。ゲーム本編でも強く印象に残っている「桃球発進! ロボボアーマー」がオーケストラアレンジされて、また違ったアレンジで聴かせてくれます。
アルバムの最後は「あしたはあしたのかぜがふく」「銀河にねがいを:スタッフロール」。最後を大団円でばっちり締めてくれます!

Disc2は、『カービィ!メモリアルアレンジ』!オーケストラだけにとどまらない、様々なジャンルのアレンジが収録されています。1曲目は「ビッグバンド!カービィ」、そして最後は「キミたちとの思い出は忘れない」、アルバムの始まりと終わりがビッグバンドなのがとてもいいです。2曲目の「Take Off!!」は戦艦ハルバード曲のボーカルアレンジ!ゲームをやってから聴くととても印象深く残ります。かっこいいです。
「ふわふわまくらをたかくして」は、Disc1の2曲目に収録されていた、夢の泉オーケストラ演奏のRearrange。「ふわふわでやさしい」曲の良さは失われていません。
このアルバムの中でも特に印象に残っているのは、7曲目の「リンゴジュースのうた」。とてもかわいらしい、ワドルディの歌です。リンゴジュース飲みたくなってきた…(笑)歌のうまさ、素直さと、もとのメロディの良さありきだと思います。原曲が聴きたいので、バトデラをやりたいです!
そして、「そうげんのたのしいおしろ」「森と砂漠のその先に」「七つ色の橋架けて」と、明るく希望のあるアレンジが続いているのは25周年ならではだと思います。

来年はカービィ30周年…ぜひ、このようなコンサートがまた開催されてほしいと同時に、こういった企画盤も今後発売されてほしいなと願います。

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