Misaki’s Game Music Box vol.55 マッスルボマー

マッスルボマー
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年9月17日発売(廃盤)

Qsoundアルバム第二弾、そして、サイトロン最後のカプコンアルバム。どうも作曲者様は数名で担当されているようですね。それなのに曲に統一感があるのは、「ヒーロー」というテーマが根底に在るからではないかと、改めて考えました。正義のためのヒーローとは異なり、リングの上で、ただひたすらストイックに戦うヒーローたちの個性とかっこよさが詰まった曲たちです。
本作の曲は、大きく分けて二つに分かれます。ひとつは、各stageで流れる、「国」がイメージの曲。そして、各キャラ入場時に流れる、キャラクターのテーマ曲です。
1面のTokyoは、日本らしく三味線を取り入れたロック。低音のギターとうまくかみ合っています。
2面のMoscowからオケヒットが効果的に取り入れられています。要所要所で入る低音がかっこいい。
本作の筆者のお気に入り、4面London。イントロのオケヒットがかっこいいです。(オケヒットが効果的に入れられるようになったのは、カプコンでは本作が最初ではないかと思いました)
6面Calgaryもメロディがヒーローらしい曲ですね。サビの高音と、重なる低音がかっこいいです。(低音はベースかと思ったんですが、1面の楽譜を見たら、エレキギター?)
最終面(2周目もあるけど…)Sydney、最終面らしく、戦いをメロディと惜しげないパーカッションが彩ります!
各キャラのテーマ曲は、これもカプコン得意分野の、「キャラの個性を曲に落とし込む」やり方が効いています。
ザラゾフ、そしてコルトのテーマは、異なった視点と立場、生き方からの「ヒーロー」の曲です。個人的にはコルトのほうが曲もキャラも好きです。アウトロがいいですね。
ブドーのテーマ曲は、日本人らしく和太鼓と三味線ロック、それでいて「Mysterious」な曲です。和楽器が効果的に使われています。
猪突猛進といったイメージのシープのテーマ曲。ギターが攻めます!
そして最終ボスのアストロ、他のキャラたちとは異なる、彼も「悪の」「ヒーロー」ではないかと、曲を聴いて感じました。
つまるところ、どのキャラも「主役級」な曲たち。熱い名曲です。

Misaki’s Game Music Box vol.54 天地を喰らう2 -G.S.M. CAPCOM 7-

天地を喰らう2 -G.S.M. CAPCOM 7-
ポニーキャニオン サイトロンレーベル / 1993年8月20日発売(廃盤)

Qsound、ですよ。
それまで音の弱さで作曲者も聴く側も困惑させてきたカプコンでしたが、(その音の弱さが逆に個性だったという見方もできます)このアルバムを聞いた時には、その音の良さに驚きました。迫力!特にパーカッション系が強化されたのは嬉しかったですね!
当時の店でも、キャラクターのvoiceが力強く響いていたのが印象的です。

【天地2】
アレンジ2曲とオリジナル音源収録。
戦いの幕開けとして盛大に響くROUND1-1と1-2。アクションらしく派手な曲に仕上がっています!舞台である中国を思わせる曲風なのも、音楽を通して作品に感情移入できます。
また、ボス曲も緊迫感のある仕上がりです。
アレンジにもなっているROUND6がいいですね。疾走感を感じさせます。
密かに好きなのがROUND8-1、そしてROUND9です。後者は最終面にふさわしい盛り上がりを聴かせてくれます。
1面から最終面まで、音の華やかさが曲に生きている作品です。

【キャディラックス】
アレンジ1曲とオリジナル音源収録。
個人的には、本アルバムの主役だと思って聴いてきました。かっこよさで胸を打つ直球ロックです!!
のっけからノリノリのStage1-1。スネアが強化されているのが嬉しい…!「4人のヒーロー達」というタイトル通り、ヒーローらしい曲です!
Stage1-3は「追撃」、スピード感のある曲です。シンセがかっこいいメロディを聴かせてくれます。
BOSS1もスピード感のある曲。メロディにギターが登場します。ベルトアクションらしく、走って殴って…に似合う曲です。
本作で最初に惚れたのはStage3-1「爆走」でした。ギターをバックにシンセのメロディで走れ走れ!!やはりスネアの強化が嬉しいですね。
また、Stage3-2「疾風のごとく」はギター中心で攻めてきます!
BOSS3、パーカッションがノリノリです。サビで出てくるギターがかっこいい。
4面はスピード感というより緊張感のある曲が連なります。Stage4-2「乱射・乱闘」が滅茶苦茶好き、イントロと、後半のメロディとギターがたまらん!
BOSS4も好き…こちらもギターが前面になってボス戦を演出します!やはりスネアが(略)。
そして、本作で一番好きな曲は、Stage5-1「恐竜たちの荒野」です。イントロのドラムからギター、スネア、そしてAメロギター、サビ…全てかっこいい…だまされたと思って一度聴いて頂きたいです!!オススメ!!
ここまでひたすら「かっこいい」で攻めてきたのですが、カプコンの得意要素には「泣かせる、哀愁」があると思っています。それが表れているのがStage8-1「悪の正体」です。表のギターと重なった、裏メロのキラキラしたシンセが泣けます。
版権が理由か、本作は「カプコンアーケードスタジアム」には(今のところ)未収録です。でも埋もれてほしくない名曲だと思います。

【パニッシャー】
アレンジ1曲、オリジナル音源収録。
「スト2」の、下村陽子氏が作曲。ベルトスクロールアクションですが、オーケストラ中心で、ドラマチックな曲展開を聴かせてくれます。さながら、復讐で敵を追い詰めていく映画のように。
アレンジはめちゃくちゃロックで、賛否両論ありそうだが筆者は好きです。(推測ですが、下村さんのアレンジではないと思います)
お気に入りは、アレンジにもなっている5面、そしてキングピンを追い詰めていく6面です。後者はどんどん曲が上り詰めていって、サビが泣けます。
疾走感、攻めのキャディラックスとは対照的に、「攻めている」曲ではないのですが、ひたすらに「復讐」という説得力、演出力のある曲だと思っています。

このアルバムと、1500のマッスルボマーを最後に、カプコンのアルバムはサイトロンから移籍します。アルフライラも表立った活動はしなくなり、バンドなのかサウンドチームなのか曖昧な時期に入ります。
Qsoundになった点でも、活動的な意味でも、本作は節目のアルバムだと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.53 ROCKMAN1~6

カプコン ミュージック ジェネレーション ファミコン音楽全集 ロックマン1~6
カプコン・セルピュータレーベル 2002年9月20日発売(廃盤)

自分にとって向き合うのが(略)シリーズその3。筆者はドラクエで育ったので、最初は「ゲーム音楽=ドラクエ大好き」だったのです。そこに現れたロックマン。メロディの良さと、ノリの良さ。あっという間にハートを掴まれました。ロックマンに出会わなかったら、今、STGやゲーム音楽を追求することもない人生でした。ロックマンという人物と、彼の世界には、深く感謝しています。そして、シリーズの世界観と曲たちが、今でも大好きです。

【初代】
ロックマン サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/mega-man-sound-collection/1086908313
https://mora.jp/package/43000033/A44562/

筆者の敬愛する、松前真奈美氏のデビュー作。すぎやまこういち先生が、「ドラクエソード」で松前真奈美氏に一部楽曲の作曲を任せるにあたり、「メロディがちゃんと作れる人」を指名したというエピソードがあります。その「メロディがちゃんと作れる」技術は、デビュー作にして既に確立されています。本作のテーマはメロディの「harmony」だと、思っています。
一度聴いたら忘れられないカットマンステージ。(ベースラインいいな)
メロディもさることながら、機械的なノイズ音の使い方が秀逸なファイヤーマンステージ。
切ない系の曲が多いロックマンシリーズにおいて、優しくのどかなエレキマンステージ。(やはりベースラインいいな)
逃げられない、ただひたすら恐ろしいボスの曲。(シリーズで一番恐怖感のあるボス曲だと思っています)
そして、「ワイリー面に外れなし」、初代にして恐ろしくもどこか哀愁感のあるワイリー1面。ワイリー2面は松前氏らしい曲の運び方ですね。ドラム(ノイズ)とかものすごく初期の松前氏らしいです。

【2】
ロックマン2 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-2-sound-collection/1086913350
https://mora.jp/package/43000033/A44563/

作曲担当は立石孝氏。後にコナミでときメモを担当されています。初代のエンディングで2のOPが始まるところから既にエモい。
さて、「大魔界村」のサントラに、ロックマン2のアレンジが1曲入っているのですが、その解説で、立石氏はこう書いています。
「開発当初僕の「かわいいロックマン」といった感じの曲はすべてボツ、とにかくボツ、企画マンA.K.氏が「カックイイ ロックマン」というイメージの曲をほしがっていることに気づくまでボツの嵐は吹きあれた。」
その結果、世代を超えて多くのplayerたちの心を掴む、「かっこいい」曲たちがたくさん生まれたのは周知の事実だと思います。前作を受け継ぎながらも、前作と明らかに違うのは、それは、ロックマン2は「ROCK」がテーマなんじゃないかという点です。曲たちが「攻めて」いるのを感じます。
もう解説を書くというか全曲好きなんですけどね…特に好きなのがメタルマンステージ。ひたすらかっこいい。ドラムの使い方が既に前作と異なり、ロックしています。
エアーマンステージの一部phraseは、松前真奈美氏が作曲されたそうです。それと交換で、アーケード版エリア88の3面森林要塞の曲を立石氏が作曲しています。
泣きのバブルマンステージ。メロディが切ない!!サビで表メロディと裏メロがクロスするところが美しいです。あとスネア頑張って鳴ってる。
クイックマンステージも、背景で鳴っているチキチキ音が印象的です。2のドラム(ノイズ音)は、面でそれぞれ違う音なのがすごい工夫だと思います。
フラッシュマンステージもメロディかっこいいですね!洞窟を抜ける、どこか不可思議なイメージが込められている気がします。
イントロのドラムがボスの体格を表しているウッドマンステージ。ベースかっこいい。
そして、言わずと知れた名曲、ワイリーステージ1。なんでこんなかっこいい曲を作れてしまったのか…ベース、メロディ、ドラム、そしてメロディの重なり、全てが完璧です。「ひとりで基地に向かっていく」ロックマンの戦いが表現されています。
エンディングは、これまでの「攻めた」曲から一転して、暖かく泣ける曲。四季を表した演出から、ロックマンのヘルメットが置かれている演出がまた泣けるんです…
スタッフロールもいいですね!オープニングからメロディが派生していって、武器get画面のドラムphraseが入り、ギターソロ?のメロディに移っていくのが本当にかっこいいです。
「これでもか」という工夫と、曲に込められたギミックの数々、そして攻めの姿勢。捨て曲なしの名作です。
(追記、迷ったけどやっぱり取り上げます…上記のセルピュータ盤と、itunes, mora各種にはFC版音源しか入っていませんが…PS1版のアレンジ曲は、2が一番いいと思います。ワイリー1面、熱いですよ!!バブルマンもいい!!)

【3】
ロックマン3 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-3-sound-collection/1086916641
https://mora.jp/package/43000033/A44564/

3が実は初ロックマンの筆者。故に書くのが難しいです。思い入れがありすぎて。
初代、2と、ワイリーと戦うのみだったロックマンに、深くストーリーが展開されます。
兄のブルースの存在。3はかっこいいと同時に切なさを追求した曲もあり、そこが大好きです。作曲担当は藤田靖明氏です。(一部曲を藤田晴美氏が担当されています。)
だってOPからもう暗く切ないところから始まってそこからかっこいい疾走感。好きです。
当時から滅茶苦茶好きなのがステージセレクト。ずっと曲だけ聴いていました。かっこいい…
マグネットマンステージ。切なさとはちょっと切り離された曲ですが、滅茶苦茶好き…表と裏のメロディの重なりがとても好きです。
一番好きなのはタップマンステージ。かっこよすぎか…ギターで鳴らすとかっこいいんだろうなあと思わせる原曲です。
スネークマンもイントロから攻めてますね!メロディはギターでも管楽器でもかっこいいと思います。ベースも熱い。
「ワイリー面に外れなし」、1面2面はメロディが悪の基地って感じでかっこいいです。
そして3面4面!!!もうこれぞワイリー面!!イントロから既にやばいですね!!こういう切なくかっこいい曲に弱いです…とても「ヒーローらしい」曲だと思います。
で、エンディングがまた泣かせるんです…サントラではフルで聴けるのも嬉しいですね。そしてスタッフロール。ロックマンのスタッフロールは明るく締めてくれるのがいいと思います!

【4】
ロックマン4 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/rockman-4-sound-collection/1087266605
https://mora.jp/package/43000033/A44565/

作曲は藤井美苗氏。ロックマン10でコマンドマンステージも作曲されています。
4は、優しく、でも悲しそうに始まるOPから、かっこいいOPへ。当時は演出に感動しました。また、物語が始まるという近未来的なタイトル画面の曲もいいですね。
「そんなこんなで色々できた中でBright Manのステージで流れるこの曲が1番好きです。ちょっとラテンのリズムになってしまいましたが、結構気にいってます。」(Captain Commando ライナーより抜粋。)…と仰っているブライトマンステージ。メロディが秀逸です。
筆者のお気に入りはドリルマンステージとスカルマンステージ。前者はメロディの重なりがきれいにハモっています。後者はロックマンらしい、かっこいい曲ですね!パーカッションが気持ちいいです。また、リングマンステージには、初代のファイヤーマンステージのphraseが使われている点も注目です。
また、切ない系で攻めるトードマンステージ、ダストマンステージも捨てがたいです。
後半のコサック面、ワイリー面にももちろんいい曲が揃っています。コサック面後半の3,4面を初めて聴いたときは衝撃でした。メロディが美しく、忘れられません。ノイズとベースもいい仕事してるなあ…
そして、ワイリー面最終面は、歴代のワイリー面でも屈指の名曲だと思います。サビの盛り上がり方が半端ない!!その盛り上がりのままラスボス曲も燃えます!!
そしてエンディングへ。泣けます…サビが特にいいですね。(列車に乗って始まるOPから、列車に乗って帰るEDなのがまたいいんです…)そして、スタッフロールは恒例により明るく締めてくれます!2のOPのアレンジです!

【5】
ロックマン5 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B35-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/1087272414
https://mora.jp/package/43000033/A44566/

作曲は山口真理氏。SFC版エリア88を担当されています。
何かが始まる「予感」を感じさせるOP。そして使命感さえ伝えるようなかっこいいメロディのタイトル画面。
ステージセレクト、滅茶苦茶好きです…このステージセレクトもずっと聴いていたい…
グラビティマンステージの曲は、サビが秀逸ですね。サビからループさせるのがとても上手いです。
本作で人気が高いナパームマンステージ、ロックマン得意のかっこいい曲!!発売当時はCMに使われていて嬉しかったですね。
同様に人気が高いのはダークマンステージです。イントロの、どんどん高くなっていく低音(伝われ)がかっこいいです。アルバム「We are ROCK-MEN!」のアレンジもgood!(いつかブログで取り上げます)
5のスタッフロールも、希望を感じさせるのがいいですね。表メロと裏メロのharmonyが美しいです。
また、5はPS版アレンジも、原曲を大切にしてまとまっていると思います。原曲同様ナパームマンとダークマンがお気に入りです。

【6】
ロックマン6 サウンドコレクション
https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B36-%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82
https://mora.jp/package/43000033/A44567/

作曲担当は竹原裕子氏。ファミコン最後のロックマンです。
6は、これまで作られてきた「ロックマン」の世界観に加えて、各ボスが世界の国からの出身ということで、「国」のイメージも曲に落とし込めているなあと感じます。
イントロのharmonyが心地よいフレイムマンステージ。サビでは「熱」を感じさせます。
人気が高いのはウインドマンステージですね。メロディとリズムが心地よさを感じさせます。
筆者のお気に入りはトマホークマンステージとMr.Xステージです。前者はアメリカの荒野を感じさせるメロディが好きです。後者はFC版もいいのですが、PS版で本気で惚れました…メロディの物哀しさ、なんとなく寂しさもいいし、裏で鳴ってるギターもいい…
スタッフロールがまた巧い。前半8ステージのメドレーになっています!

【まとめ】
FCの3音プラスノイズだからこそ生まれた、美しく、どこかコミカルで、そしてかっこいい名曲たち。
作曲者様方が、それぞれの個性を「ロックマン」の世界において発揮させているなあと思います。
今でも、「アレンジしてみた」「演奏してみた」などで、受け手から受け手へと聴き継がれる曲、これからも無限に広がっていってほしいと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.52 ファイナルファンタジー1・2

ファイナルファンタジーI・II 全曲集
ポリスター 1988年12月21日発売(廃盤)→再販版1994年3月25日発売(廃盤)

FINAL FANTASY (Original Soundtrack) (FC版)
https://music.apple.com/jp/album/final-fantasy-original-soundtrack/61049814
https://mora.jp/package/43000021/SEMO-00001/

ファイナルファンタジーII オリジナル・サウンドトラック(FC版)
https://music.apple.com/jp/album/final-fantasy-ii-original-soundtrack/61050660
https://mora.jp/package/43000021/SEMO-00002/

ファイナルファンタジーI・II オリジナルサウンドトラック(PS版)
スクウェア・エニックス 2002年10月23日発売→再販版2004年9月23日発売

https://www.amazon.co.jp/dp/B0002T239A/ref=cm_sw_r_tw_dp_E373RYQN9QP5KRHFQWY1

【PS版】FINAL FANTASY I Original Soundtrack
https://music.apple.com/jp/album/final-fantasy-i-ps-version-original-soundtrack/362976679

【PS版】FINAL FANTASY II Original Soundtrack
https://music.apple.com/jp/album/final-fantasy-ii-ps-version-original-soundtrack/362978612

改めて向き合うと言葉にするのがものすごく難しいシリーズ第二弾。
久しぶりに聴いてみて、全体を通して「切なさ」のある曲たちだなあと…その切なさはいったいどこからくるのか追究してみたんですが、「旅」することで生まれる、「未知への不安」が曲にあるなあと。そして、作品の、そして曲たちのなかに、その不安を切り拓いて生まれる「希望」があると感じました。
今回、廃盤になっているポリスター盤を挙げたのには理由があります。こちらに収録されているアレンジ「WELCOME TO F.F. WORLD」「FAREWELL! F.F.WORLD」が本当にいいアレンジだからです。特に後者の、マトーヤがイントロになり、そこからドラムとギターが入り、カオスの神殿が流れるという展開がしぬほど大好きです。どちらも打ち込み、原曲重視のアレンジです。

【FF1】
橋を渡るとオープニングが流れるという演出がとてもいいですよね。音楽と場面が嚙み合った名演出です。
優しく柔らかなコーネリア城のテーマ。PS版は後半にパーカッションが入ります。
メイン・テーマは、先に触れたように、「未知を切り拓く」冒険の曲だと思います。
カオスの神殿、FC版もいいんですが、PS版のメロディの美しさに涙が出ます…冒頭のピアノが本当にきれいです。FF1と2ではこの曲が一番大好きです。
マトーヤの洞窟も色あせない名曲ですね。聴くと懐かしいような気持ちになる曲です。
戦闘シーンは、FC版はどこか不気味なイメージ(特にイントロ)。PS版は音が良くなり、曲も派手になっています!
DQとFFが違うなあと思ったのが、エンディングです。FFのエンディング曲は、旅を終えた若者たちを振り返る、物語の終わりの曲だなあと感じました。

【FF2】
いきなり戦闘シーンの曲で始まるという衝撃的演出。そのせいもあって曲も忘れられません。
メインテーマは、やはり「旅の未知」を感じさせる、切ない曲です。vocal collections “PRAY”のアレンジがとてもいいのです。(こちらのvocal collectionsもいつかブログで取り上げます。)
魔導士の塔、FC版もPS版も不思議さを感じる曲です。PS版のハープシコードがいいですね。
戦闘シーン2はFF初のボス曲!3音しか出てないのに熱い!!
フィナーレは、やはり物語の終わりの曲です。優しい曲に包まれて、旅は終わります。こちらもvocal collections 2 “Love will grow”のアレンジが非常にいいので、いつか取り上げますね。

比較されることが多いDQとFFですが、どちらがいいとか悪いとかではありません。むしろ、どちらもいい。FFにはFFの曲の良さがあって、それはFF1やFF2であっても、今でも生き続けているのだと、改めて感じました。

Misaki’s Game Music Box vol.51 電脳戦機バーチャロン フォース

電脳戦機バーチャロン フォース オフィシャルサウンドデータ ver7.5
マーベラスエンターテイメント 2001年12月21日発売(廃盤)

CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON “FORCE” OFFICIAL SOUND DATA marsinal
ヒットメーカー 2002年4月20日発売(廃盤)
再販版:ウェーブマスター 2005年8月20日発売(廃盤)

ver7.5のサントラは、7.5の曲しか入っていない、言うならば「不完全版」です。会社の事情とかあったのでしょうけれど、何故最初から完全版を出してくれなかったのか…
さて、小山健太郎氏作曲のチャロンシリーズサウンドは、「起承転結」だと書いてきました。
3作目の本作は「転」。「転」の意味は、とあるサイトにこう書かれていました。

『「転」は、「起」「承」で話したことが、「転じる」部分です。メインとして話したいできごとや展開を伝えます。』

「起」のOMG、「承」のオラタンで磨かれてきたサウンドが、さらに新曲もアレンジもそろえて帰ってきた!ギター、ベース、オケヒット、シンセがかみ合った、バーチャロンサウンドの集大成で、特にギターのかっこよさが光っています。

high on hope ‘01、soldier blue ‘01、In the blue sky ‘01、S.L.C. ‘01、the wind is blowing ‘01、随所で過去作のアレンジが聴けるのが嬉しいですね、どの曲もギターがパワーアップしています!In the blue sky ‘01は、OMG版をアレンジした97年サントラ収録アレンジのrearrangeになっていますね(ややこしい。)。最後のシンセ+オケヒットとか。

筆者の推し曲は、なんといっても、最初のtidal blueです!!さわやか!!仕事が大変なとき、爆音でこの曲を流して元気をもらっていました。前半のオケヒットで元気出ます!!フォースには多い曲展開なんですが、後奏のギターがとても気持ちいいです。
マイザーのテーマ、conquista ciela。マイザーらしく、夕焼けをイメージした、力強くも切ない曲です。光吉氏の歌を聴いた後だと(サントラには収録されていませんが)もう「こうてつ~の~せ~ん~し~」にしか聴こえません(笑)
kirisute go-men! は、チャロンには珍しく和風の曲。景清のテーマです。随所に入る和太鼓が心地よく鳴っています。
air timeも、聴けば「vox系統だな」とわかる明るさ。こちらも後半のギターが気持ちよく鳴っています!
I need to some armour for my fleshから、autosuggestionが入って、そこからアファームド系列の曲が3曲連続で来るのが滅茶苦茶熱いです!!3曲とも全部好き!!どれも捨てがたいんですが、推しは515 hoursですね。ギターかっこよすぎか…こちらと、ライデンのCry for your lost rainbow(この曲も推し)は、小山氏作曲の「GUNBLADE NY」からのアレンジです!Cry~もギターがかっこいい曲ですね。
密かに好きなのが、grand fabrication。メロディがしっかりしているところが好きです。(最初はガラヤカの曲かと勘違いしてました…バルですね)
そして、担当編集Rheud氏の推し曲、black minaloushe。これもギターでひたすら押す、熱い曲です。

「転」にして、「飛躍」。シリーズの曲のいいところをぎゅっと詰めているのがフォースだと思います。古さを感じさせない、今でも生き続けている曲たちだと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.50 ネビュラスレイ

ナムコ・ゲームサウンドエクスプレス vol.13 ネビュラスレイ
ビクターエンタテインメント 1994年7月21日発売(廃盤)

テーマは「宇宙に吹く風」、宇宙に風なんか吹かないけれど、確かに一陣の風を思い起こさせる爽やかな曲たちです。シンセサイザーのメロディが心地よく響いています。
1面曲Exeoがとてもいいです。ノリノリのベース、前へ前へと進んでいくメロディ!パーカッションもメロディの良さを後押ししています。
筆者がお気に入りなのはもう1曲あり、それは5面前半のStream Drive。ベースがかっこいい曲です。この曲のベースラインもそうなんですが、ボス曲が3拍子だったり(他の曲との対比を出すため→ライナーより抜粋)、最終面イントロの不気味なピアノ、そこから入るパーカッションだったり、それぞれの曲がすごく工夫されていると思います。

ゲームはマイナー作品ですが、名曲だと思っています。埋もれさせてはならない…!!最近サントラをどうにかして手に入れましたが、それなりに高騰しているので、itunesなどで配信してほしいなと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.49 雷電 The Lightning Strikes Back レトロゲームミュージックコレクションEX

雷電 The Lightning Strikes Back レトロゲームミュージックコレクションEX
ティームエンターテイメント 2011年9月28日発売

http://www.team-e.co.jp/sp/rgmc/kdsd00492-495/
https://www.amazon.co.jp/dp/B005E35J4A/ref=cm_sw_r_tw_dp_BESG9XCBYPQXMAZ3GZXM

雷電1~4のオリジナル音源と、各種アレンジを収録した盤です。5作品(6作品)が収録されていますが、共通するテーマは「鋼鉄」だと思います。まさに鋼鉄のような、金属的な音と、「生きている」泣きのメロディの融合がシリーズの特徴です。

【雷電】
作曲は佐藤亜希羅氏。
シリーズのはじまりの1面曲GALLANTRY。この曲をゲーセンで聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。同様に、「聴いたことがある」かもしれないボス曲のGO TO BLAZES!。熱い!ボスとの一騎打ち、戦いの曲です。
乾いた風を思わせるLIGHTNING WAR、メロディもいいですがスネアとパーカッションがいいですね!
ROUGH AND TUMBLEは1作目にして既に泣きのメロディを聴かせてくれます。
シリーズの始点にして、「熱く、泣かせる」という基盤はすでにできていたのだと思わせます。

【雷電II】
ここから作曲はおなじみの佐藤豪氏になります。
1面曲Repeated tragedy、サビに向かうにつれて曲が静かに高潮していくのがいいですね。
Tragedy Frame、Burnt Fieldは泣きのメロディ、戦いは悲劇だけれど前に向かって進むというイメージです。後者の静かなイントロがいいと思います。
6面のDecisive Battleでは、サビで裏メロの音量が上下しているのがいいです。
筆者が本作で、いえ、シリーズで一番好きなのは最終面のFlap toward the hopeです。イントロからループするまで一番好き!!!!!!最終面にふさわしい盛り上がりです!!ループ直前のアウトロでドラム三連符とベースが「テレー↑ン」って入るのが狂おしく好きです(伝われ。)。
そしてNAME ENTRYもめちゃくちゃ好きです、戦士の休息という感じの、力強くも優しい曲です。
30年前のYM2151ですが今でも聴きやすく、雷電入門にもお勧めだと思います。

【雷電DX アーケード版&PS版】
ゲーセンで鳴っていたのを思い出す、懐かしい曲たち。
GALLANTRYとGO TO BLAZES!は初代よりこっちのほうをよく聴いていたので思い入れがあります。初代より聴かせ方が固いなと思います。
PS版は音が良くなって聴きやすくなりました。シンセの音がすごくプレステを感じさせます。
1面曲Conflictは泣きのメロディを継承しています。しっかりと魂は受け継がれています。

【雷電III】
シリーズでこの作品だけ系統が違うような気がします、メロディの良さもあるにはあるが、どちらかというとリズム主体だと思っています(特に後半面。)。
フュージョン風味のLightning strikes、イントロが泣かせるDawn of sorrow。
優しく、素直に泣かせるエンディング、Fairyは名曲だと思います。

【雷電IV】
筆者のお気に入り作品。単純に音が良く聴きやすいだけでなく、アレンジの良さが光っています。
1面、A stormy front。戦いの始まり、嵐を思わせる1曲です。
シンセのメロディが既に泣かせる2面Can’t retrace。
3面Flap toward the hopeは最高のアレンジ!!(推し曲)イントロのシンセが泣けます、また、裏で鳴ってるギターが熱い!
Advantageous developmentはIVの追加曲です。佐藤豪さん作曲ではないですが他の曲との違和感はありません。
Repeated tragedy、最終面でこの曲は演出としてもアレンジとしても泣ける!!
ギター中心でさらに熱くなったGo to Blazes! GSは、ミカド版のアレンジ同様爆音で聴きたいですね!!

アレンジはしっとりめの曲が多いですね。(もちろんしっとりしてない曲もありますが)
原曲に忠実なRepeated tragedy、Brightness of peace。
Flap toward the hopeはWASI303氏アレンジ、ゲームとは別の切り口で泣かせます、イントロのピアノが美しいです。
佐宗綾子氏アレンジ、ピアノと優しいギターの調和が美しいFairy。泣かせます。

最近、IVがswitchでできるようになったので、ぜひ「熱く、泣かせる」過去の曲たちも、多くの人たちに聴いてもらいたいなと思います!サントラもプレミアついてないし(重要)。

Misaki’s Game Music Box vol.48 ラグランジュポイント

ラグランジュポイント
キングレコード 1991年5月21日発売(廃盤)

ラグランジュポイント サウンドトラックスリターンズ
EGG MUSIC RECORDS 2015年5月22日発売(廃盤)

ファミコンのRPG。と書くと、ドラクエやFFのような世界観で、ピコピコした音で…と連想するかもしれません。ですが、ドラクエにもFFにも似ていないこの作品。ファミコンのピコピコ音、PSG音源ではなく、「VRC-VII」というFM音源チップを搭載し、厚みのある音で、そのSF的な世界観を表現しています。(特にパーカッションとベースがファミコンの他作品と明らかに異なりますね。)
サントラは2種類出ています。キングレコード盤にはアレンジ6曲と、オリジナル全曲が収録。後者のEGG MUSIC RECORDS盤には、「Relaxed atmosphere」「光の泡」「深い闇の中へ」の3曲が、著作権の関係で入っていません。ですがEGG MUSIC RECORDS盤には、オリジナル音源のステレオ・エンハンスド・バージョンが収録されています。

さて、アレンジは当時のコナミっぽく、フュージョンっぽい仕上がりです。
「悲しみのオルゴール」のサビのピアノがとても美しいです。
また、「THE RESURRECTION OF SABBATH」のゆったりとした優しいアレンジがいいですね。美しくもかっこいいエンディング曲です。

オリジナルは、アルバム前半に、悲しみの暗い「もや」のようなものがかかっていると思っています。なので、アルバム前半のテーマは「悲しみ」だと思っているのですが、後半に向けて、そこから「復活」(Resurrection)を目指していくのが、このアルバムだなあと。
「THEME OF ISIS」「シュトルテを探せ」「Wandering journey」「悲しみのオルゴール」そして「光の泡」、序盤のあるキャラクターの死までは(ネタバレ防止のため明言は避けます)悲しい曲が多いのが特徴です。
そんな流れが希望に向かい始めるのが「プロミストランドを探して」ではないかと思います。
後半になってくると明るい曲もあります。「Orange Party」はコミカルで楽しい曲ですね。
また、個人的には戦闘曲が好きで…通常戦闘曲の「戦士への覚醒」はかっこよくてノリノリになれます!(パーカッションが楽しい!)そして中ボスの「悲しみの戦士達」ラスボス1つ手前の「Broken Replicaizer」は、異形の敵との戦いを表している、かっこいい曲です。
エンディング曲「THE RESURRECTION OF SABBATH」は、ストーリー前半の悲しみを昇華させたところにこの曲があるのではないかと思っています。悲しみから立ち直った時に在る曲、そんなイメージです。

ファンタジーやオーケストラではない、RPGの曲。ひとつの表現の結果として、この作品はあると思います。この作品も埋もれてほしくないと個人的に願っています。

Misaki’s Game Music Box vol.47 ドラゴンクエスト1・2・3

交響組曲ドラゴンクエスト
キングレコード 2009年8月5日発売

https://www.amazon.co.jp/dp/B002AJW35O/ref=cm_sw_r_tw_dp_VEPHHY3K70G0FPWEMV91

交響組曲ドラゴンクエストII 悪霊の神々
キングレコード 2009年8月5日発売

https://www.amazon.co.jp/dp/B002AJW35Y/ref=cm_sw_r_tw_dp_37H1ZKZ6JFCT5DDQZ35V

交響組曲ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
キングレコード 2009年8月5日発売

https://www.amazon.co.jp/dp/B002AJW36I/ref=cm_sw_r_tw_dp_50QXC2N6VCYSFBE8J2MP

「ドラゴンクエスト」ゲーム音源大全集1
キングレコード 2001年12月5日発売→再販2009年10月7日発売

https://www.amazon.co.jp/dp/B002AJW33Q/ref=cm_sw_r_tw_dp_2S9VPNS8N58JMAB8P06W

廃盤になっていない音源を、と考えたとき、思いついたのはドラクエでした。しかし、アルバムがあまりにも多く、どれを挙げるか悩みました。とりあえず、ゲーム音楽の、そして筆者自身の原点となるロトシリーズを挙げさせていただきます。(「ゲーム音楽大全集1にIVが入っていますが、それはまたいつか書きます」
最初に出たアポロン版のサントラを挙げてもいいんですが廃盤なので、今流通しているものを挙げています。

もう解説するのもおこがましいような気がして土下座したい気持ちなんですが…ゲーム音楽が社会に認識されるようになったきっかけとなる曲群だと思います。
そして、筆者にとっては原点 of 原点。なぜなら「ゲーム音楽」というものを認識し、愛するようになったのは、ドラクエ2が始まりだったからです。2012年に地元ですぎやまこういち先生指揮のコンサートに行けたことは宝物です…!(今でもパンフレットを保存している。)演奏で自然と涙がこぼれ、自分にとっての始点も「還る場所」も、ここなんだなと再認識できました。

【ドラクエ1】
他の作品と大きく異なる点は、「ひとり」ということだと思います。
それが表れているのがアレフガルドのフィールド曲「広野を行く」。フルートのメロディが、孤独感を増しています。「広い世界をひとり行く」という感じです。
「街の人々」は、優しく明るく「人のいる空間」。心和む感じがします。
戦闘や洞窟のテーマは、おどろおどろしく恐ろしい感じ。2や3より「ひとり」という意味合いが強いように感じます。FC版は同じメロディの繰り返しなのが余計に恐ろしいです。その恐ろしさをさらに増したのが竜王のテーマです。
「フィナーレ」に関して、別の(全く異なる)作品のエンディングに関しても同じようなことを書いたのですが、「これで終わりではあるけれど、終わりではなく、またここから旅が始まる」という曲だと思います。
あと、音に関して、交響組曲版が素晴らしいのは言わずもがななんですが、SFCが密かに聴きやすくなっている点も注目だと思っています。ドラクエ5の後にエニックスのSFC用サウンドドライバが開発されたそうで、SFC版ドラクエ1・2、3、そして6は特に聴きやすくなっていると思います。

【ドラクエ2】
改めて向き合おうとすると、まっさらな自分自身と向き合うような気持になりますね。言葉を紡ぐのがすごく難しいです。
「Love Song 探して」、ここからもうわくわくする気持ちになります。いたストで使われたのも嬉しかったです。
冒険が始まる「王城」、とても優しい気持ちになれる曲。FC版のループ直前のphraseが好き。
「街の賑わい」、1よりも活気がある感じ、明るいイメージですね。そして、よく考えたら、街から仲間が増えていく。それも曲に意味を重ねているのかなと思います。
「遥かなる旅路」は仲間が揃わず物哀しい感じ、子供心には悲しい曲でした。
(もの悲しいというと、「ほこら」の曲も、ですね。)
そこから、仲間が揃って「これから世界が広がるんだ、広い世界を3人で進むんだ」というイメージの「果てしなき世界」。全てのゲーム音楽の中で一番好きな曲を選べと言われたら、迷わずこの曲を挙げます。ロンダルキアの雪原を3人で、どこまでも行ける曲、いつまででも聴いていたい曲です。
「戦い」は子供心にどの戦闘も真剣に戦わせた曲。恐ろしい曲です。ベースが密かに好き。冒険に出た者たちを真剣にさせる曲ですね。
ロンダルキアの果てに待ち構える「死を賭して」。この世の終わりみたいな曲…(褒めてます。)まさに「悪霊の神」、この世の絶望を集めたら、こんな曲になるのではないかと思います。
エンディング「この道わが旅」も名曲です。これまでの旅を、人生を振り返る曲ですね。(歌詞ありversionもgood!)

【ドラクエ3】
3から、城の曲タイトルが「王宮のロンド」のように、「王宮の~」になるのがすごくいいですよね。シリーズごとに曲調も変わっていくのが楽しいです。
「冒険の旅」は、寂しかった1や「3人で」という2とまた異なり、「仲間と一緒に戦っていこう」という勇ましい曲です。
戦闘曲は1や2より派手さや勢い、緊迫感があります。(ドラクエの戦闘曲は人を真剣にさせる…)メロディがめまぐるしくくるくる回るようだと思っていました。個人的には、ジパングでやまたのおろちと戦った時もこの曲で燃えた思い出があります。(筆者のRPG人生初全滅がやまたのおろちだったので、今やっても真剣になります。)
ほこらのテーマから、ラーミアの「おおぞらをとぶ」の流れは今聴いても震えます。神…!!「おおぞらをとぶ」も、子供心に強く印象に残っています。どこまでも優しい曲。
バラモス戦の「戦いのとき」はSFCの新曲です。FCだといつもの戦闘曲なので「あれっラスボスじゃないの?」って思いました。こちらの新曲もオーケストラサウンドが盛り上げてくれます!
アレフガルドのテーマは、筆者はFC版3の優しいアレンジが一番好きです。初めて地下の世界に行ったとき、この曲が聴けて本当に嬉しかった思い出です。
そして、ゾーマの「勇者の挑戦」。個人的にはFC版が一番燃えます。FCの音だからこそ盛り上がるというか。
エンディング、「そして伝説がはじまった!」こちらも、画面と曲の流れが一致しているFC版が好きですね。SFCやオケももちろんいいのですが。この曲も、終わりではなく始まりの曲だと思っています。

…今回は、お題が偉大過ぎて、自分の言葉で語るのは本当に難しかったです…
30年以上前の曲ですが、思い出とともに今も脈々と生き続ける曲たち。もちろん、筆者の思い出だけでなく、世界中の人のそれぞれの思い出とともにこれからも在る、これを名曲というのだと思います。

Misaki’s Game Music Box vol.46 電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム

電脳戦記バーチャロン オラトリオ・タングラム オフィシャルサウンドデータ DNA SIDE
ポニーキャニオン・マーベラスエンターテイメント 1999年7月16日発売(廃盤)

電脳戦記バーチャロン オラトリオ・タングラム オフィシャルサウンドデータ RNA SIDE
ポニーキャニオン・マーベラスエンターテイメント 1999年7月16日発売(廃盤)

電脳戦記バーチャロン オラトリオ・タングラム ドリームキャスト版 オフィシャルサウンドデータ
ポニーキャニオン・マーベラスエンターテイメント 1999年12月22日発売(廃盤)

ドリームキャスト版というかver5.4のサントラというか。当時のマーベラスは「最初から完全版のサントラを出さない」という売り方だったなあと振り返っています。(フォースもだったし…)あとどうでもいいんですが曲名表記のスペルミス多い。
OMGの項で、バーチャロンサウンドは「起承転結」だと書きました。第2作であるオラタンは「承」、OMGを受け継いだサウンドが「飛躍」「希望」といった言葉で表されるのではないかと感じています。
オケヒットが効果的に入るようになり、小山氏の曲作りが確立された本作。バーチャロンサウンドに迷ったらまずオラタンを聴いてほしい と、強く推します。そして、個人的見解ですが、前作に引き続き「テムジンとアファームドの曲に外れなし」です。推し曲を挙げると本当にキリがないのですが、好きな気持ちだけで書いていこうと思います。
「蒼」を引き継ぐテムジンのsoldier blue。どこまでも爽やかに、前に進んでいける曲です。
ocean whispersはバルが海をすいすい泳いでいるイメージ、イントロのピアノが美しい です。
イントロで言えば、オケヒットが心地よいmonstrous beat。曲名の通り「怪物のようなビート」が響きます。
above and beyondはベルグドル系らしく明るくどこまでも遠くへという曲。後ろのギターとシンセのメロディのハーモニーがいいですね。オラタン以降はギターとシンセがうまくかみ合っている曲が多いです。
地上バルバドスのsunshine generatorも同様 に後ろのギターがノリノリになれる曲です。
13 seconds warningもオケヒットが効果的。メロディが死神の不気味さを表しています。
ギターやシンセが気持ちよく「生きて」いる楽曲が売りの本作ですが、ひたすら打ち込みで機械的なのが、アジム出現時のfree radical。個人的にはアジムが出てくると対処しきれなかったので聴くと絶望的になる曲です。
筆者にとっての希望の始まり、それが宇宙テムジンのhigh on hopeでした。この曲が聞きたいという一心でチャロンに戻ってきて、必死にオラタンをやりました。 本作一番の推し曲です。フォース以降でもアレンジされていますが、サビから始まる本作が一番好きです。
宇宙バルのsweet tragedy of dreamsは、サブの井関由美子氏の作曲。オケヒットがいい仕事をしています。
サイファーのzodiac empathyは宇宙っぽくて素敵ですね。明るい空を背景に飛翔するサイファーのイメージが表れています。
アファームドの2曲、bloody sorrowからearth light(後者はドリキャス版にのみ収録)の流れが神かかっています。めちゃくちゃ熱いです!前者もゲーセンで聴けるだけで嬉しかった1曲でした。メロディが熱すぎる…かっこいい…孤高のヒーローという感じですね。
ギター中心で攻めてくるのはinto the crimson。ライデンのカラーである「黒」「深紅」を表現しています。間に入るオケヒットも熱いです。
そしてマイナーですが、おそらくネームエントリーの(←自力では聴けないから)radio spriteが大好きです。これも「希望」、前に進もうという曲ですね。
起承転結の「承」でもあり、「翔」でもある本作。ゲーム音楽という場で、それぞれの機体のイメージが羽ばたいた作品でもあると思います。

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